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その20 別荘にて ルース視点

青い海が見えてきた。

シャーリーが馬車から落ちそうなくらいに身を乗り出してはしゃいでいる。そんなにあわてなくても海は逃げないから。本当に僕の婚約者はかわいい。


たまたま両親の仕事の都合で海辺の別荘に来た。こことは隣国と割と近い。今回はどうやら隣国に危険な動きがあるため王家の闇、ザイン公爵家が動くことになった。隣国とは北隣国シルバーサ王国だ。ちょっと厄介なことになりそうだ。なんたってシルバーサ王国の王女様とうちの国の王太子殿下は婚約している。事が事なら婚約破棄、戦争とかになりかねない。シャーリーが仲良くしてもらっているレイクルーゼ嬢へいいお土産ができるかもしれないな。


目の前で仲良さそうにいちゃついているのがザイン公爵夫妻だ。この両親は突然連れてこられた僕を無条件に受けいれ、愛してくれる。本当にこの家でよかった。だから僕もこの家族がシャーリーの次に大好きだ。

ザイン公爵家は王家の闇を受け持つ。闇と言うんだから影で危ない事をしている。無情な心を持たないとやっていけないような…。

その闇の仕事は当然王族、あとは王家に仕えるごく限られたわずかの人のみしか知らない。

公爵の位を持つシャーリーの父親のも知らないくらいだと思う。

その反動か家族に対しては甘い・・・。甘いってほどではない。もう未成年の前なんだから自重してほしいな。まあシャーリーは割と外の景色に夢中だからいいけど…。

おかげで僕に実の息子と同じくらいに愛情をいっぱいくれる。たまに鬱陶しいと思うがそれが妙に心地いい。

だから僕も将来シャーリーをいっぱいいっぱい愛してあげるからね。


ちょうど王都は南隣国のダマガラン王太子が1か月ほど留学しにやってくるので歓迎会とか忙しい。三日連続舞踏会なんて面倒だ。それにあいつには会いたくない。旅行から帰れば学校で何かしらの接点はあるだろう。しかもシャーリーに近づかないように見張ってないとな。あ〜面倒くさい。このまま1か月くらい別荘にいたいな。

しかし王家の親戚のザイン家には当然歓迎会出席のお声がかかるはずだか、この時期に仕事だ。ザイン家を動かすところをみると少し余裕のない案件になっているようだ。


おや?またシャーリーがどっかいってるよ。

まあ何か一人で赤くなったり首を振ったりして忙しそうだ。本当に何を妄想しているのか。楽しそうだ。


ようやく別荘についた。カール兄様が出迎えてくれた。

まあ兄様も養子に来た僕を受け入れて、かわいがってもらっている。気さくでとてもいい兄だ。

ただ、一言多いんだよ。


またシャーリー何か変なこと考えてるな。本当にわかりやすい。でも僕が笑ったら顔をそらされた。何だ?


「カール!ルース!荷物運ぶの手伝ってちょうだい。」

母上が呼んでいる。兄様があわてる。

「本当に母上、せっかちだね。さあいこうルース。これ以上待たせると怒るからね。早くすましてしまおう。」

まあこの家で一番怖いが母上だ。なんたって前ザイン公爵の一人娘だ。ザイン家は魔力はすごいのだ。だから母上を怒らせると大変なことになる。


本当にこの家族は暖かい。大好きだ。


荷物をある程度運び込んでシャーリーのところに戻った。

あ~あまた飛んでるよ・・・。今日多くない?

顔が赤いから馬車の移動で少し疲れたのかな?


「あ、いや、違うの嫌なのは私が考えていることで、ルースが嫌なわけじゃなくて!逆で・・」


??嫌って??逆?何が??

よくわからないけどどうも僕のことで何か考えていたらしい。まあシャーリーが僕のことを考えてくれているなんて嬉しいな。あとで聞いてみよう。


部屋に荷物を置いて整理をした。

シャーリーは遅いな。まあ女の子だからいろいろあるか。


僕は少しの間ベッドの上で体を休めた。

このごろのシャーリーは少し思い込むことが多い。

あのお茶会の後からだ。

なんか今日もいろいろ百面相してたな。


僕のことを考えてくれてる?

他の攻略者のこと?

いろいろと君の周りは崩させてもらってるから僕のルートしかないんだけどな。

君が僕のものなのは変わらない。

だから君が考えるのは僕のことだけであって欲しいな。






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