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その18 医務室にて シャーリー&ルース視点

今回はルース、シャーリー視点ともに短いので

1話に二つの視点が入っています。

話の内容があまりなかったです。


そのかわり20時に幕間あげます。

終話まで書いた時に回収していない部分があったので

急遽書きました。

間に合った…!



※※※※※その18 医務室にて シャーリー視点 ※※※※※


「シャーリー!大丈夫?怪我はない?」

艶かしい踊り子は慌てる。

「シャーリー、怖かったね。もう大丈夫だ。」

爽やかな金髪の王子は笑う。


メイドは……。


…私は今医務室です。輝かしい二人に囲まれています。

眩しすぎます!眩しいです!

「王太子殿下、レイクルーゼ様、ご心配おかけしました。だいぶ落ち着きました。ありがとうございます。」


「でも、なんで一角ウサギが暴れたんだ。確かに武科ではペットとして飼っている。しかし制御用の首輪をしてるんじゃないのか?報告だと今回襲ってきた一角ウサギにはなかったようだが。」

金髪王子は首を傾げる。

「どうも何者かが外したようです。飼育小屋の裏から外された首輪が見つかりました。」

踊り子は考え込む。

「早急に調べてくれ。」

金髪王子は踊り子に命令する。

「かしこまりました。」

踊り子は金髪王子に頭を下げる。

ん…絵になるわ。


「シャーリー、何か気づいたことはあるか?何でもいいんだ。何かなかったか?」

え?はい?金髪王子に突然話を振られてびっくりした。

「あ、いえ。騒がしいなと思い、前をみたらもう目の前にいたので、ミストローガ様に引っ張られて逃げただけです。」

「そうか…怖いのを思い出させてごめんね。」

「あ、でも…」

「「でもっ!!」」

二人に顔を近づけられた。

更にびっくりした。だって目の前に美形二人のアップ。

もうドキドキです。

「なんだが…甘い匂いが?」

「匂い…甘い…そうか。」

金髪王子は考える。

踊り子は頷く。

「シャーリー、一角ウサギはスレギス草が出す甘い香りを嗅ぐと刺激されるんだ。だからシャーリーが嗅いだ甘い匂いはスレギス草だと思う。」

猫のマタタビみたいなものでしょうか?

「しかし、スレギス草はここにはないはずですわ。もっと標高の高い寒い場所にしかないはずです。」

金髪王子と踊り子はともに腕を組んで考え込んだ。


「とにかく首輪の件もありますし、すぐに調査します。」

「ああ、分かり次第私にも結果を教えて欲しい。」

「わかりました。」

…なんだか探偵物のドラマを見ているようだ。


「ところで、怪我をされた方などはいなかったのですか?知り合いの方も倒れていたようですが…」

「ええ、大丈夫よ。怖かったでしょう。シャーリーもう忘れてね。本当にごめんなさい。私達の管理が不十分だったわ。ひとまず今カトレア様にあなたの着替えを持ってきてくれるように頼んだわ。」

「もう、着替えてしまうのかい?二人とも似合ってるのにな…」

「はっ?」

踊り子は一歩引いた。

金髪王子は悲しい顔をした。


…そっち系お好きでしたのね…。


「シャーリー!持ってきたよ。」

ルースがお皿いっぱいにマカロンを持って入ってきた。

「マカロン!!ありがとう。ルース大好き!」

金髪王子と踊り子は呆れる。


「ほら、口開けて」

「自分で食べられる!」

「あ、じゃあ僕が食べちゃうよ。ほら!」 

「だめ!だめ!私の!」

「持ってきたのは僕だよ。ほら、口開けて。」

私はマカロンの誘惑に負けた。目の前にマカロンがあるのだ!目を閉じて口を開けた。

「ふふふ、シャーリー可愛い。はい。」

待ち望んでいた食感が口に入ってきた。

「美味しい。」モグモグ…っっ?

ん??しまった!


金髪王子と踊り子は更に呆れていた。


私が再び交流際に参加した時にはかなり日が暮れていた。

「もう終わっちゃのね。」

「ほら、シャーリー踊るよ」

「…ルース!私…踊りは苦手で…」

「まあ、僕に捕まってればいいよ。舞踏会でもないし気にしない!さあ、行こうか。」

交流会恒例、最後はダンスパーティーだ。

まあ、大変だったけどそれなりに楽しかったな。




※※※※※その18 医務室にて ルース視点※※※※※


シャーリーが着替えるというので医務室の外に出されている。

「もう、着替えちゃうの?」

僕の願いも虚しく、着替えが届いたのでメイドさんは終了するらしい。


「本当に今回はありがとうございます。」

隣で踊り子が頭を下げた。ちなみに金髪王子は本来の用事を済ませに学園長のもとに行っている。

「僕はシャーリーを守っただけです。」

「あなたが魔法で一角ウサギを眠らせてくれなかったら大変な事になるところでした。生徒会を代表してお礼を言います。」

「まあ、大事にならなくてよかったよ。」


色気のありすぎる踊り子はため息をついた。艶かしすぎないか?

「しかし、やはり動きましたか。」

「多分。」

「少しやりすぎですわね。いかがしましょうか?」

「しかし、証拠がないんだよね。」

「どうも襲われる前にスレギス草の匂いがしたようです。また、一角ウサギの首輪も外されていました。」

「そうか…それなら調べれば何か見えてくるかもしれないな。」

「ひとまず気をつけて下さい。闇落ちしたヒロインがは何を考えているのかはわかりません。しかし狙いはルーズローツ様なのは確かです。当然シャーリーが邪魔のはずです。シャーリーからはくれぐれも目を離さないで下さい。今回は運が良かったんです。何を仕掛けてくるかわかりません。私も今回の事件を元に調べてみます。」

「こちらも調べてみる。しかし本当、厄介だな。」

「また何か起こったらこちらも困ります。とくに学校は信用問題になります。申し訳ありませんが楽しんでいないで早くシャーリーをものにして下さい。世の中の為にも私の為にもよろしくお願いいたします。」

「もの…って言う時には言うね…。まあそろそろ僕も限界かな。」


交流会も最後のダンスパーティーを残すのみだ。

いろいろ怖い思いもしたみたいだがシャーリーはそれでも楽しめたようだ。

マカロンたくさん食べてたしね。

僕はもう少しシャーリーの可愛いメイド姿を堪能したかった。それが心残りだ。

今回はシャーリーが僕のこと大好きだと確信できたからいいか。

しかしこの先こんなことが続けばいつか君を守れないかもしれないと不安に駆られる。

そろそろのんびりしてる暇はないな。君は僕の腕の中にいればいい。離さないから。ずっと僕の腕の中にいてくれればいい。




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