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その17 広場にて ルース視点

何やら騒がしい。何かあったのか?

シャーリー、何処だ。急いで探さないと。

武科の方だ。みんなが走って逃げてくる。

何があった。シャーリーは!


たまたまその中に法科のクラスメイトがいた。

「イーサン!どうしたんだ。何があった?」

「ルース!君も逃げた方がいいよ。一角ウサギだ。一角ウサギが興奮して暴れているんだ。何か魔科の人達が襲われる。」

シャーリー!そこだ!君はそこにいる。

「イーサン!先生と生徒会に報告しにいってくれ!」

武科に走って行くが逃げてくる人が多くて進めない。

どうしたらいい?きっとシャーリーが襲われている。彼女はヒロインだ。絶対に何かある。

ディランが一緒のはずだ。彼は一応魔科の中では優等生。何とかしてくれてるはず。でも武科まで行けない。どうする。僕が行くまでもっていてくれ!


しかし何故一角ウサギが学校にいるんだ。それも興奮した状態で…。今日は交流会だから門は常に開いている。しかしおかしい。紛れ込んだらわかるはずだ。武科か…何かあるな。


ようやく武科の広場に辿り着いた。

シャーリー達が噴水を背に追い込まれていた。

ディランとアレクシスが前で立つ。その後ろにシャーリーがいる。ライアネスがシャーリーを守るよう彼女の隣に立っていた。そんな状況だが僕は見てしまった。

集中しなきゃいけないのに見てしまったのだ。

シャーリー、可愛すぎだろ。メイド姿が似合いすぎだ。あ、いや、今はそんなことを考えるん…ん?シャーリー!スカートが短い!だめだ屈まないで!あ、だめだよ。みんな見てるから!その可愛い姿は僕しか見てはだめだ。

あ、それは後でじっくり見よう。とにかく助けにいかないと。

「きゃっ。」

シャーリー達とは違うところで声がした。ん?何だあいつか。人に押されたのか?シャーリーがその声に気づいたみたいで、彼女の方を心配そうに見ている。いやいや、シャーリー、今は自分の心配をしよう。しかし僕は一瞬あいつが笑ったのをみた。背筋がぞくっとした。その一瞬でわかった。そうだ、これは仕組まれたことだ。シャーリーを狙っている。もう容赦しないよ。今はシャーリーを助けるのが優先だけどちょっとやり過ぎだよ。


シャーリーが突然叫んだ。

「眠りの魔法!」

シャーリー、さすが僕の愛しい婚約者。正解!

興奮した一角ウサギをおさめるにはとにかく眠らせる。

ディラン…君はまだ使えないのか?まあシャーリーをはじめ他の人はまだ無理だね。ザイン家では一番初めに教えられるんだよ。だから僕が初めに覚えた魔法は眠りの魔法。一番得意な魔法なんだ。

一角ウサギの体当たりがディランの魔法の壁を破る。

「シャーリー!」

魔法を唱えながら走り出す。

シャーリーはしゃがんで背を向けた。

かすかに彼女の声が聞こえた。

「ルース…」

こんな時に僕の名前を呼んでくれるなんて幸せだな。ふふ。やっぱりシャーリーは僕が側にいてあげないといけないね。


間に合った。一角ウサギはディランに体当たりする前に眠った。


「怖かった…怖かったんだから。」

泣きながらシャーリーが抱きついてきた。よかった。

しかし…シャーリー。僕にはちょっと精神的にキツイんだけど。スカートが少し捲れてしまって足が…足が丸見えなんだけど…。スカート短すぎるだろ。慌てて隠そうとするが短すぎだ。


すると、シャーリーはあいつのことを心配した。

僕の婚約者はなんて優しいんだ。

今度から愛しくて優しい婚約者と言うことにしよう。

しかし立って歩き出そうとしたらクンっと袖を引っ張られた。シャーリーが服の袖を引っ張っていた。

「シャーリー??」

シャーリー自身もなんかびっくりしていたみたいだ。

服から手を離して

「ごめんなさい…」

と言われた。再度行こうとしたがまた引っ張られた。

「シャーリー、離してくれないといけないよ。」

「あ…っ…」

どうも無意識なようだ。僕は良い方に考えるよ。

きっと僕を行かしたくないんだね。君も怖い思いをしたんだ僕に付いていて欲しいんだ。大丈夫。心配しないで。僕は君のものだから君が望むなら側にいてあげるよ。

ふふふ。やっぱり君は僕のことが大好きなんだ。

顔がほころんでしまう。

だから早く気づいて自分の気持ちに。早く僕と一緒のところに堕ちてきて。


シャーリーを抱き上げた。

しまった!スカートがズレ上がってしまった。シャーリーが真っ赤になって怒るから一旦下ろして上着をかけてあげた。

医務室に行って落ち着いたらじっくりみせてね。

似合いすぎ。この服買い取れるかな?たまには着てもらおう。


魔科2年、グッジョブ!!

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