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その1 入学前 ルース視点

僕の幼なじみのシャーリーは夢があるらしい。


悪役令嬢になってざまぁというものをされて国外追放されて、森でひっそりと調合師として暮らすこと。


その為には悪役令嬢でヒロイン?をいじめて王太子殿下から婚約破棄されなきゃいけないようだ。


しかしシャーリーは王太子殿下とは婚約していない。

殿下は隣国の王女と婚約している。来年には結婚するんじゃないか?婚約破棄なんてされないよ。

国が困るでしょ。


更にシャーリーが勘違いしているのが王太子殿下の歳。

彼は18歳だ。

来年学校に通ってヒロインと会うとか言ってるシャーリーには悪いが王太子殿下はシャーリーと入れ違いで卒業するはずだ。だからヒロインがいても会わない。


無理だって言ってるのに聞いちゃくれない。


彼女が考え始めると眉間にシワを寄せたかと思うと、突然目を三角にしてニヤつき始める。次第に高笑いをし始める。と、一気に落ち込んでる。

何を考えてるか割とわかる。わかりやすいっしょ。


まあ、そんな彼女が実は僕の婚約者なんだが…。


彼女とは小さい時、6歳くらいに一度会ったきりだった。

あの時は公爵夫人の足下から僕を見ていた。

あまり話さない大人しい子だったはずだ。

しかし、数年前に高熱で寝込んで2週間目を覚さないことがあったようだ。まあ、その時は別に気にはしなかった。

そうなんだ。早く目が覚めるといいね、くらい家族で話していた程度だ。

そして3年くらい前に再会した。

すると彼女は幼なじみが出来たと両手を握りブンブンさせて喜んでくれた。あまりにも初対面とのイメージが違いすぎた。痛くて手がちぎれそうだったのを覚えている。

それから二週間に一度は遊びに行ったり、彼女が僕の家に遊びに来たりしていた。


彼女は見ていて飽きない。いつも夢について話し出す。

すると一人で別の世界に行ってしまう。

僕が何を言っても聞いていない。まあ、僕がいるってことも忘れてしまうんだから仕方ないか。


そんなことを聞いてるうちに何だかずっと彼女を見ていたくなった。

側にいて欲しくなった。


密かに父に話し、公爵に婚約の申し入れをした。

ただし、彼女には自分から言いたいから決して言わないようにしてもらった。

自分が彼女に見あったと思った時に言うから黙ってて欲しいと頼んである。

だからシャーリーはこのことを知らない。


しかし君は僕の…そう

ルーズローツ=ディ=サー=ザイン

の未来のお嫁さんなんだよ。


残念ながら僕は君の夢に手を貸す気はないんだよ。

だって婚約破棄とか国外追放なんて嫌だからね。

君の手は離さないよ。




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