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その13 薬屋にて ルース視点

「ラルラリ草が無いだって?」

ザイン公爵家のリビングで父上が大声をあげる。

「なぜ?ありえないだろう。だってあの草は強い。キルナスの森に行けばどこにだって生えているはずだ。」

「あら、あの草は万病に効きますわ。無いと困りますね。」

「同じ効用の期待できる薬草がいくか上がっております。ミストローガ侯爵様を始め王国魔術団が必死になっております。今しばらくお待ち下さい。」

「可哀想に。あいつは当分家には帰れるそうにないな。明日研究室に顔出してやるか。」

「しかしあなた。キルナスの森はシルバーサ王国との境。

何か有りません?」

「だな。少しおかしな情報があるんだ。早急に調べよう。カールに明日来るように伝えておくれ。」

「かしこまりました。」

「しかし市民が困っていないか心配ですわ。」

「まあすぐにかわりの薬を見つけるさ。あいつはすごいやつだからな。」


そうだ。父上達がそんなことを言っていた後に急に王宮に呼ばれたな。更に王太子殿下の留学が予定より遅れている。

シルバーサ王国に何かあったのか?

しかしラルラリ草がないのは痛いな。市民が困りだす前にかわりの薬が出ないと大変だな。


なんて思いながら薬屋をでた。

ルキシス=シュライン

嫌な奴に会った。全くシャーリー君はすごいよ。攻略対象遭遇率高すぎやないか?

ヒロインパワー強すぎ。いいかげんに気付いてよ。

更にこの攻略対象、華麗に問題を解決していく。その上王太子殿下をあげることも忘れない。できた部下だ。

さすが忠実なる騎士団団長の息子だな。


しかし

「ルキシスで大丈夫ですよ。」

だと!なんだ!シャーリーもシャーリーだ

「ルキシス様。私もシャーリーでいいですよ。」

もうシャーリーとみんなが呼ぶのは慣れたよ。諦めた。

まあルキシスは僕の手前シャーロレット嬢と呼ぶことにしたようだ。まあ、そのくらいなら…。

と、思っていたら

「それならまた美味しいお店教えて下さいね。その時はご一緒して下さい。」

「私でよけれ…」

って!何さらっと約束してんだ。

だいたい王太子付きなら僕がシャーリーの婚約者と知ってるだろ。何誘惑してんだよ。あ〜嫌な奴だ。


最後まで追い討ちをかけられる。シャーリーってよく転びそうになるよね?定番なの?

でも僕の前では無いよね?僕のイベントがまだ来てないから?


シャーリー、君は本当にすごいよ。

初めは半信半疑だったけど、ヒロインってすごいよ。

イベント有りすぎっ。それに気づかない君が更にすごいと思うよ。


しかし僕の前で君はよく平気で他の男との約束をしようとするな。僕が怒ってるの分かるでしょう。もしかして僕が君のこと好きだと気づいてないの?


ちょっと…待て。

…もしかしなくてもそうなのか??

あ…あ〜。もしかしてもそうだ。

今までのシャーリーの態度、行動、反応…全て思い出してもその答えは全てにおいてYESと言っている。

 

今頃、一番大事な事に気づいた。今頃だ…。

シャーリーは…気づかないのか…。

確かにはっきりと言ったことはない。しかしわかるだろう。


はぁ…

ため息しか出ない。


でも君は僕のものなんだ。

君の全てが僕のものなんだ。

早く気付いてもらわないと心配が尽きない。

早く僕のものにしないと落ちつかない。


もう君が墜ちてくるのを待つんじゃなくて手を伸ばさなきゃいけないんだね。

さあ、僕の手をつかんでね。






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