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その1 入学前 

19時にシャーリー視点

20時にルース視点

になります

さてさて50歳間近の私が夢の異世界転生を果たした。


今の私は15歳の公爵令嬢。

シャーロレット=ディ=サー=ヴィクセレーネ


まあ、なんて素敵な!

金髪よ!若い!細っそりしていて何より食べても太らない!

グッド!!グッドよ!!


この国は15歳になると王都にある学園に通う。

お決まりのパターンね。

なので来月私は学園に通い始める。

今までは家庭教師が付いて家庭学習をしていた。

来月からは夢の学園生活。

楽しみだわ!


なんたってわたしの夢がかかっているんだから。

頑張らなきゃいけない!


そう学園といえば定番。

そこで平民、もしくは治世で育った貴族の隠し子なんかがヒロインで王太子殿下とかとラブロマンスになるのよね。


私は婚約破棄!ざまぁなんてされなきゃいけないから

ヒロインらしき子がいたらきつく当たらなきゃ!

なんたって私は悪役令嬢よ!

ざまぁされて国外追放になって森で調合師になるの。

そこで一人気ままにスローライフよ。


なんてナイスな未来設計。

だからここが肝心!この学園生活に全てがかかるのよ。


今まで異世界転生を読み漁った知識を活かして盛大にざまぁされるのよ!

頑張れ私!


「…ってガッツポーズしてるけど、シャーリーは悪役令嬢にはなれないよ。」


隣で同い年の金髪、碧眼の少年が笑う。

私は彼をチラッと見た。

いつの間に隣にいたのかしら?気づかなかったわ。

彼はザイン公爵家の次男坊。


三年くらい前に転生した私が幼なじみがいないと話が成り立たないとか変なことを言い出したため、急遽父が連れてきた子だ。


ザイン侯爵家は国王陛下の弟が爵位を継いでいる。

まあ、前ザイン公爵の娘が王弟に嫁いで、そのまま王弟が爵位を引き継いだ。


で、この王太子殿下と従兄弟にあたるベストポジションの彼がわたしの幼なじみの位置に居座った。


本命王太子殿下の従兄弟!

それもその従兄弟は王位継承権4位だ!

いいんじゃない!絶対こいつも攻略対象!

顔はかなり良い。

金髪、碧眼、王族って攻略対象に必需品は揃ってる。

まあ、そんな子が側にいれば更に悪役令嬢のわたしにハクがつくってものね!お父様、グッジョブ!


「って、シャーリー?また妄想してるの?」


どうもわたしは考えるとすぐ顔にでるらしい。

更にたまに独り言を言ってるようだ。


「だからシャーリー。無理だよ。だって君は王太子殿下の婚約者じゃない。殿下と婚約破棄なんてできないよ」


眉間にシワをよせて隣の少年を睨む。

何でいつも無理無理って言うかな。


「まあ、大人しくしてなよ。君は悪役令嬢とかにはなれないよ。だって悪役令嬢は容姿端麗でなくちゃ。君じゃ駄目だよ。凄みがないよ。あと頭も良くなくちゃ。」


いやいや、理系大学電気専攻を卒業した私は頭は悪くない。むしろ良い方ではないか?

しかし、何せこの国はそんな数学や科学、物理なんぞ無い。

あるのは国に歴史や魔法学…わたしの知識は役に立たない。

もし、仮にそんな学問があっても魔法で生活をしているこの国には電気とかは無い。使えない。

顔は…確かに綺麗系ではない。どっちかと言うと小動物系?

ん…化粧できない。前世でもっとスキルつけとけばよかった。


「シャーリー?落ち込んでるの?でも、僕が無理だとはっきり言ってるんだよ。あきらめて普通に暮らしたら?」


更に睨みをきかせる。


「いやいや、睨んだって怖くないよ。悪役令嬢なら睨んだら背筋が、凍りつくくらいのオーラを出さなきゃ。」


「はぁぁぁぁぁ…、ルース、せっかくだけどそのアドバイスは受け入れないわね。私はざまぁされて自由に暮らすの!この王都から追放されて、森に住むの。あこがれの白衣!調合師になるの。」


「…だから無理なんだってば…」


隣の少年がつぶわいた言葉は全く聞いていなかった。

私は悪役令嬢としてどう振る舞えばいいかしか考えていなかった。

その時になぜ無理なのかを聞き返すべきだった。







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