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その11 夢の中にて ルース視点

『ですので、今日もお嬢様はお休みです。』


ヴィクセレーネ宅のシャーリー付きメイドから魔法石に通信が入った。

「シャーリーは大丈夫なの?」

『昨日は熱が高かったのですが、今はかなり落ち着いています。昨夜はうなされていたようです。』

「ありがとう。また何か有れば連絡して。」


あのお茶会で緊張していたし体調崩したんだな。

お見舞い行きたいけどな。まあ病気なら仕方ない?

シャーリーに会いたいな。


「今日も休み?そんなに悪いのか?」

『あまり寝られないみたいです。』

「寝られない?」

『その…怖い夢を見るみたいで泣いていらっしゃって…』

次の日も休みだった。

しかも泣いてるって?何で?どんな夢なんだ?

誰かが呪いかけてるとか?まさかね…じゃあ何だ?


僕はリビングに急いで降りた。

「母上!」

「あら、おはよう。今日は早いのね。」

「今日、学校休みます。」

「なんで?」

僕は心配だからシャーリーに会い行きたいと言ったが鬼の形相をされた。病気で寝ている女の子がその姿を見られたいはずはない、と怒られた。

仕方なく学校終わった後、サンドラに連絡してシャーリーの体調が良くなっていればお見舞いに行こう。


「おや?今日は学校休みなのにシャーリーと街には行かないのか?」

「それがね、シャーリーが体調崩してるみたいなの。」

僕はリビングのソファーでふてくされていた。

シャーリーはまだ良くならないらしい。結局あれから4日も休んだ。もう会えなくて5日目だ。シャーリー不足だ!

「お前がくっつき過ぎてたまには一人がいいんじゃない?」

僕はカール兄様を睨んだ。

「カール、あまり言ってやるな。まあそれが本当だともね。」

父上まで…。

「ルース、冗談だよ。もうシャーリーのことになると人が変わるな。」

「うるさいなぁ…」

「で、シャーリーにお見舞いの手紙とか贈り物は届けたのか?」

「ああ、うん。花とマカロンを…」

母上が、頭を抱えた。

「病人にマカロン…。ルース、食べられないかもしれないじゃない。大好物のマカロン目の前にして食べられないなんて地獄よ。何してるの。シャーリーがマカロンに目がないことは知っているんでしょ!もう少し乙女心理解しなさい。シャーリーに愛想つかれるわよ。」

「だな…」

僕は顔が真っ青になっているはずだ。


執事が入ってきた。

「ルーズローツ様、今サンドラから連絡が入りました。」

「ん?何?」

「今日、シャーロレット様がお見えになるそうです。」

「あ〜あ、とうとう三行半を叩きつけられるのかな?」

「兄様!」

違う!違うはずだ!!


「シャーリー!」

その日の午後にシャーリーはやってきた。

「ルース、ごめんね。心配したよね?」

少し痩せた?顔色良くないな。

「体調は元に戻ったとは思っんだけれども、少し…ね。」

サンドラから聞いてるよ。よく寝れないんだよね。

「本当に大丈夫なの?熱は下がった?頭は痛くない。どっか変なところない?ご飯食べてる?ちゃんと寝てる?何か心配事あるの?」

「ふふふっ。嫌だわ、ルース。いつあなたは私の母親になったの?心配しすぎ。」

だってそんな姿見たら心配だよ。

「ルースの顔見たら何だか安心した。」

僕の顔見て安心するならずっと僕の隣にいてくれればいいんだよ。

「大丈夫。ちょっとね、夢見が悪くて…」

抱きしめて寝てあげたいよ。

「本当、何だか不思議だわ。少し気分が良くなってきたわ。この紅茶のおかげかしら?ハーブ入ってるよね。美味しいわ。」

そこは僕がそばにいるからって言って欲しいな。


紅茶を飲みながらシャーリーは前世の夢を見ることを話してくれた。

そんな夢を見るなんて何か不安があるのかな?

精神的に不安定になっている。

しかし本当に前世の君は何をしてたんだ。相談できる人とかいなかったの?その男の人と話し合いとかしなかったの?

我慢するしかなかったの?今でも恐怖に思うほど追い詰められたの?

でもね、前世の君はもう少し自分の気持ちを出さなきゃいけなかっんだよ。


僕は君のことをいつも一番に考えてる。あ、違うか。だってシャーリーの気持ちを聞かずに君を僕のものにしてしまってるんだから。まあ、これだけは譲れないな。許してね。


気づいて、シャーリー。君は今、違う人生を歩いているんだ。君は一度間違えたかもしれない。でも今度こそ間違えなければいい。だから前を向いて。僕を見て。だってこれだけ僕が君を好きなんだから絶対に同じにはならない。


「シャーリー?」

少しシャーリーの頭がコクンと振れた。

「あ、ごめんね。何かルースといたら安心しちゃって。」

僕はシャーリーの向かいに座っていたが立ち上がり、シャーリーの隣に座りなおした。

「少し寝てもいいよ。」

「ん、ありがとう。」

シャーリーは僕の方に頭をコツンと乗せた。

少ししたら可愛い寝息が聞こえてきた。首が痛くなりそうだからゆっくりと頭を僕の膝の上に移動させた。

「ゆっくりおやすみ。」


早く気づいてね。

君は僕を好きなんだってことに…






お付き合いありがとうございます。


何とか30話で終われそうです。

最終が10月31日になるように後ろから調整しています。

書き終わったのですが、幕間とか入れているところです。


次の更新は一日飛びます。

よろしくお願いします。

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