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その4 先生の部屋にて(のあと) ルース視点

ルースは先生の部屋には行ってないので、シャーリーが戻ってきたあとの話になります。

シャーリーが戻ってきた。

廊下の向こう側から歩いてきた。

手にはプリントを持っている。先生、魔科で配り忘れてたんだな。政科は今日貰ったからね。


でも何だかシャーリーの様子がおかしい。

先生のところに行ったならきっと彼も攻略対象だって浮かれているはずだ。きっとスキップとかで戻ってくるかもなんて思っていた。しかしゆっくりと歩いている。顔が赤い?僕は慌ててシャーリーのところへ行った。


「シャーリー?どうしたの?何かあった?」

「あ、ルース。ごめんね。待たせちゃったわね。」

「顔が赤いけど?熱ある?」

僕はすかさずシャーリーの額に自分の手を置いた。

いや、置いてない。置こうとしたらシャーリーが突然後ずさった。何だ?今までこんな態度取られたことなどなかったのにどうした?

「シャーリー?」

「あ、いや。あっ…。」

顔を合わせてくれない。

シャーリーが動揺している。何があったんだ?

単にプリントとりに先生に呼ばれただけじゃないか?

シャーリーが変だ?


シャーリーを送って家に戻った。

「ただいま戻りました」

「ルース、お帰り」

「姉様!お戻りだったんですか?」

姉はハーバード=ジェラルド辺境伯に嫁いでいる。

「ハーバードが仕事で王都にくるから一緒について来ちゃったの。」

「じゃあジェラルド卿も今日はこちらにいらっしゃっるんですね。」

僕はジェラルド卿が好きだ。ジェラルド卿にお会いできると思うと嬉しくなった。

でも今はシャーリーのことが気にかかる。何かがあった。何だ?あんなに動揺する彼女を見たのは初めてだ。真っ赤になって…。そんなに僕に触られるのが嫌だったの?

でも今朝は大人しく抱っこされていたじゃないか。

やはり学園なんかに通わせず、すぐ結婚して家に留めておいた方がよかったのか。しかしそんなことしたらシャーリーは妄想を辞めるかな?辞めてしまったら楽しそうに夢を語る僕の大好きなシャーリーが見れなくなるから少し淋しい。いずれ僕と結婚するのだから今はそのままでいて欲しい。

「ねぇ?姉様。一ついいでしょうか?」

「何?」

「女の子が突然触られるのを拒否するのはどうしてですか?」

「ははーん。シャーリーに拒否られたんだ。」

うっ…鋭い。と、言うかズバリ言うなぁ。

「あら、進歩したじゃない。よかったわね。」

「は??へっ?」

「まあ、シャーリーはかなりマイペースだから、全然あんたは意識してもらえなかったんだからよかったんじゃない?まあ、あんた達もそろそろいいんじゃない?…って考えられないけどね。いくら考えても全力でシャーリーに逃げられる図しか想像出来ないわ。」

姉は苦笑した。姉はシャーリーのことは妹のように(実際あと少ししたら義理の妹になるけど)可愛がっている。シャーリーもかなり慕っている。姉が領地に戻る時は泣いて喚いて大変だったな。

あ、そうだ。

「姉様、いつまでいらっしゃるんですか?」

「ん、二週間くらいかな?」

姉の性格はざっくばらんだ。結構スパッとしている。

わけのわからなくクネったり、煌びやかすぎる姉でなくてよかったと思っている。

「じゃあきっとシャーリーも会いたいと思うので週末呼んでもいいですか?」

「で、何があったか聞き出せって言うのね。我が弟ながら見え見えね。」

…図星だ。


彼女が僕を意識してるだって?

でも急にだ!何だかイライラする。

何で急にそんなことになったんだ?

何が彼女を意識させたんだ?

僕ではない誰かがきっかけなはずだ。

何があった?

確かにシャーリーに意識してもらえるのは嬉しい。

でも僕ではない誰かのおかげなんて嫌だ。

僕自身の手で彼女に僕を見てもらいたい。


攻略対象の誰かなのか?




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