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鎧の魔物奮闘記  作者: 晴れ甲羅
第一章 転生編
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第八十七話〜血戦前夜〜

投下です!


***


「ふっへっへ……なんとか、なんとか達成したぞ……!」


『お疲れ様です! いやー、頑張りましたね!』


「うん……頑張った……」


不眠不休……とまでは行かなくともほとんど休息を取らずにぶっ続けで作業を敢行した結果、なんと二十五時間で作業を終了することが出来た。

我ながら異常な集中力だったと思う。

最後の方とか自分が機械になった様な錯覚に陥ったもん。


『集合まで後一日ほどありますし、ちょっと寝たらどうですか? 』


「うん、そうさせてもらうよ……」


身体が重い……完徹なんていつぶりだろうか。

受験勉強の時もある程度は寝てたしな。

ベッドに潜り込むと直ぐに睡魔が襲ってきた。


「おやすみ、シージア……」


『おやすみなさい、良い夢を』


***


『おっはよーございまーす!』


「う……おはよう」


『あら、驚かないんですね、なんだか寂しいですよ』


「そう言われれてもな……」


そりゃあ慣れるに決まってる。

文句を言われても俺にはどうしようも無いのだ。


「どれくらい寝てたんだ?」


窓の外はもう暗い。

完全に日が落ちているようだ。


『えーと、大体五時間ですね。なのでそろそろ日付が変わりますね』


「なら今日集合か」


『ですね、日が登る前に輝夜ちゃんを迎えに行きましょうか』


「ああ、そうしよう。じゃあちょっと時間もある事だし、鎧に細工でもするか」


ちょっと試してみたい事があるんだよな。

まだ少し時間もあるからやってみよう。


『おっ、何かアイデアでもあるんですか?』


「ああ、どうせ戦う時は脱ぐんだろ? ならちょっと、な?」


『ああ、そう言う事ですか』


シージアがニヤリと笑った気がした。

流石は俺の相棒という訳だ。


***


「へっへっへ、これでどうだ?」


『こりゃあ良いですね……なんだか私もテンションが上がってきましたよ』


「後はこれを右手の籠手にも施してだな……」


『ここにも付けたらバランスが安定するのでは?』


「おっ、良いなそれ」


***


「よし、じゃあ準備も万端だし、早速輝夜を迎えに行こう」


弾薬類やダイナマイト、それからさっき作りたての装備をまとめて背負う。

それにしても重いし嵩張る、ダイナマイトの数がそこまで多くないのがせめてもの救いか。

ていうかこれマジで何キロあるんだよ、床抜けたりしないよな?


『そうしましょうか』


まだアンナちゃんやマーサさんは起きていないだろうから静かにしなければ。

置き手紙でも書けたら良いのだが、生憎とこちらの文字は書けない。

階段が軋まないように、抜き足差し足忍び足だ。


「ん?」


一階に明かりがついている。

消し忘れでもしたのだろうか?


「アキト」


「うぉっ⁉︎ ま、マーサさん?」


「そろそろ行くんだろ? これを持って行きな」


そう言って手に持った籠を掲げて見せるマーサさん。


「これは?」


「弁当と止血薬だ、アンナも手伝ってくれたのさ。手紙も入ってるから読んで、またアンナに礼を言ってやってくれ」


「……っ、ありがとうございます」


「……いや、良いってもんさ、そうそう、ついでにこれをシーニャに渡しといてくれないか」


これは、前に届けた薬か。

でもそれよりもなんか濃そうだな。


「わかりました」


責任を持って届けさせてもらおう。


「では、行ってきます」


「おう、大戦果を期待してるよ」


そう言ってニカっと笑うマーサさん。

戦いに行く前にこんなに温かい気持ちになれるとは、ありがたい限りだ。


『やっぱり良い人ですね』


(ああ、優しい人だよ……そうそう、アンナちゃんから手紙があるそうだな)


『みたいですね。この世界だと識字率なんてそんな高く無いでしょうに、アンナちゃんに文字を教えられるとは、やはりマーサさんは只者では無さそうですね』


寺子屋みたいなのがあれば話は別ですが、とシージア。

確かにそうだな、ここと似た中世ヨーロッパだと一般人の識字率は物凄く低かったらしいからな。


と、まあそんなことはどうでも良いのだ。

荷物が重過ぎる。

身長が二十センチくらい縮みそうな重さだ。

いやこれマジで重い、戦う前から消耗してしまうじゃないか。

これどっか鎧が歪むんじゃないか?


一歩一歩踏み締めながら歩くこと一時間、やっとこさ城が見えてきた。

ん? なんかあるな……あれは


「輝夜か? それにシーニャさんまでいるじゃないか」


俺に気が付いたようでこちらへと向かってくる輝夜とシーニャさん。


「アキトさん、手伝いましょうか?」


「ちょっとこの荷物、輝夜に載せるので手伝って下さい……」


「わかりました」


そう言ってひょいひょい輝夜の背中に荷物を載せるシーニャさん。

重くないのかね、いや、今更だな。

載せられている輝夜はというと鼻息を一つ、こちらをジーッと見つめてくる。

これは……お礼をちゃんと言えということか。


「ありがとう、輝夜」


頭を撫でてやるとヒョイと顔を逸らされた。

撫でられて恥ずかしがっているのか? 可愛い奴め。


「なんでシーニャさんがここに?」


一瞬忘れていたがそうだ。

なぜシーニャさんと輝夜がここに居るのか。


「だって、アキトさん、中に入れないじゃ無いですか」


「忘れてた……」


危ない危ない、こんな基本的というか大前提を忘れるなんてどうかしている。

俺もやっぱり緊張しているのかもしれない。


「それにしてもアキトさん、ちょっと大きくなりましたか? いえ、元から体格は良いのですが……」


「ああ、ちょっと改造しました。カッコいいでしょう?」


「ええ、カッコイイです」


「うへへへ」


うん、なんだか照れるなあ。

やはり褒められると嬉しいものだ。


「じゃあ早速向かいましょうか」


「そうそう、乗っていきますか?」


そう言って輝夜の背中を指差す。

輝夜の背中は乗り心地抜群なのだ。


「良いんですか?」


「もちろんですとも、な、輝夜?」


輝夜は無言で屈む、こうやってつれない態度を取るけど、優しい輝夜はやっぱりツンデレなのかもしれない。

輝夜の背中によじ登る、改造を施したのもあってか少々重量過多な気がしなくも無いが気にしたら負けだろう、そういうもんだな、うん。

失礼します、と言って輝夜の甲羅の上に飛び乗るシーニャさん。

いつみても惚れ惚れするほどの身体能力の高さだ。


あ、そうそう。

忘れないうちに薬を渡しておこう。


「シーニャさん、これ、マーサさんからです」


「ああ、ありがとうございます」


次の瞬間には薬がどこかに仕舞われていた。

あまりの早業、俺でも見逃しちまったね。

薬も渡したことだし、後は戦うだけだな。


「では改めて出発! えいえいおー!」


「おー」


「ガァァァ!」


うん、みんなノリが良くてよろしい。

それにしても結構叫んでしまった、近所迷惑じゃ無いと良いけど……


いかがだったでしょう?

ちょっと一周年目前なので頑張りました。

今日中にもうちょっと投稿できたら嬉しいのですが……

評価や感想、ブクマを頂けると嬉しいです!

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