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鎧の魔物奮闘記  作者: 晴れ甲羅
第一章 転生編
88/110

第八十五話〜お茶〜

投下です!


***


結局あの後、一言も話すことは無く、受付だけ済ませてギルドを出ることにした。

列に並ぶと意外にもすんなりと時間がかからずに順番が来た。


「傭兵登録ですね? お名前と使っている武器、そして職業を教えて下さい」


職業! これぞ異世界って感じがするぞ!

えーと、俺は……なんて言えば良いんだろう。

とりあえず武器は遠距離も近距離のどっちもいけるとだけ伝えておくか。

職業は輝夜がいるからモンスターテイマー的な? ……よし、シュンヤの翻訳ペンダントを信じるとしよう。

ちょうど良い感じに翻訳してくれるだろう。


「名前はアキト、武器は遠距離でも近距離でも全然問題ないです。職業はモンスターテイマーです」


「魔獣使いの方ですか、珍しいですね。使役している魔獣の種を教えていただけますか?」


「えーと、ベヘモスです」


一瞬正直に伝えるかどうか迷ったが伝える事にした。

ここで変に嘘をついて問題が起きたら大変だからな。


「それはまた珍しいですね。体長と体重はどれくらいですか? わかる範囲で構いませんので」


体長と体重だって⁉︎

そんなのわかる訳が……


(シージア)


『体長は九メートル三十センチ、体重は八十二トンです。輝夜ちゃんもおっきくなりましたねぇ』


(は、八十トン超えだと⁉︎ ど、どうやって沈み込まずに歩いてるんだ?)


『はいはい、後で説明してあげますから今は登録に専念して下さい』


そ、そうだった。

あまりの衝撃に忘れていた。


「体長は九メートル三十センチ、体重は八十二トンです」


言ってから思ったが、こんな重さどうやって測った事にしたら良いのだろう。

この世界の技術力では難しそうなんだが。

勢いで何とかなると良いのだが。


「は、八十二トン? 本当ですか?」


「はい、本当も何もガチで大マジです」


「わ、わかりました。 二日後に現地集合して下さい、細かい配置等はその時に伝達しますので。集合場所は奥の掲示板に掲示されています。集合場所にも受付がありますので、番号と名前を伝えて下さい。番号はG826です」


「はい、わかりしまた、G826ですね」


ん? “G”だって?

アルファベット? んんんん?

ここって地球じゃないよな? あれか? ギルドの創設者が地球人だったとかいうベタな展開が待っているのか⁉︎


「ご健闘をお祈りしています」


「ありがとうございます」


軽く礼をして受付を後にするとシーニャさんが待っていた。


「パーティー申請はこちらで済ませておきました。これで現地で一緒になれるでしょう」


「はい、ありがとうございます」


「では私は少し用があるので失礼します」


「はい」


そう言って帰り道とは逆方向に、向かうシーニャさん。

俺もそろそろ帰ろうと背を向けようとすると。


「アキトさん、これ、嬉しかったです」


背後からシーニャさんに声を掛けられ振り返る。

するとマグナムを掲げたシーニャさんが立っていた。

そうだな、うん、これで俺は満足だ。


シーニャさんの背中を見送った事だし、俺も宿に戻ろう。

今日からは忙しいぞ、弾の増産やらなんやらすることは盛りだくさんだ。

せっかく鎧の中を空にして戦えるのだから色々とやれることはあるだろう。


「アキトくん!」


「ん?」


後ろを振り向くとアーガスさんが何やら手に持って駆け寄って来た。

何の用だろうか?


「アキトくん、これを!」


「これは?」


木製の小箱を渡される。

鍵が付いている。貴重なものでも入っているのだろうか。


「約束してたお茶だよ」


「ああ! すいません! 完全に忘れてました」


お茶か! 考えてみればこの気候じゃお茶は育たないよな。

おそらくは輸入品なのだろう、昔のイギリスでもお茶は貴重品だったようだからな。。


「家に帰ったら直ぐに飲むと良い。良いかい、少なくとも戦いの前には必ず飲むんだよ、必ずだ」


「え、ええ。わかりました」


それだけ言うとアーガスさんは駆け足でギルドの方へと戻って行った。

かなり忙しそうだ。そんな中でも渡しに来てくれるとは、有難い限りだ。

言われた通り早速宿に帰ったら淹れるとしよう。


***


宿に帰るとマーサさんがちょうど料理をしているところだった。

良い匂いが漂って来る。


「ただいま戻りましたー!」


「おお、おかえりアキト。どこへ行ってたんだい?」


「ちょっとギルドで傭兵契約をしてました」


「傭兵って事は……迎撃隊に入るのかい?」


「はい、そのつもりです」


「よーし、そんなら美味いもんをたんまり作ってあげるからね」


「ありがとうございます! ……そうそう、少しお湯を貰えますか?」


お茶を淹れるためにお湯を貰っておこう。

淹れたらマーサさんにも飲んで貰おう、うん、それが良い。


「なんでだい?」


「少し、お茶を淹れようと思いまして。マーサさんもいかがですか?」


そう言って手に持ったお茶の入った木箱を少し掲げて見せる。


「お茶? どうしてそんな貴重なものを持ってるんだい? シーニャにでも貰ったのかい?」


「いや、アーガスさんという人に貰いました」


「ああ、アーガスね。ギルドで貰ったんだね」


「そうですそうです」


「じゃあお湯とティーポッドを持って来るから少し待ってな。しっかしお茶なんていつ振りかね」


そう言って厨房の奥へと向かうマーサさん。

俺は茶葉を開くとするか。

小箱には鍵が付いていたが掛かっていないようだ。

箱を開けるとヒラリと紙が一枚地面に落ちた。


「ん?」


屈んで拾い上げる、四つ折りになっている。

開くと何やら文字がびっしりと書き込んである。


「えー、なになに……“拝啓、アキトくんへ。これはキミが知っておくべき事だ”」


何だこの大仰な文章は。

第一俺が文字を読めなかったらどうするつもりだったのだろうか。

実際シュンヤのペンダントがないと読めない訳だし。


『⁉︎ こ、これは……』


(ん? どうかしたか?)


『いえ、これは貴方が自分で読むべきです』


(お、おう)


そんなに衝撃的な内容が書いてあるのか?

まあいいや、取り敢えず読んでみるとしよう。

えー、どれどれ。


「拝啓、アキトくんへ。これはキミが知っておくべき事だ……」


遅くなって申し訳ありませんorz

非常に申し訳なく思っております……

次回投稿は二十日の火曜日の予定とさせていただきます!

今度は間に合うように頑張ります……!

感想や評価、ブクマ等は頂けると作者がめちゃんこ喜びます。

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