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鎧の魔物奮闘記  作者: 晴れ甲羅
第一章 転生編
82/110

第七十九話〜リボルバー!〜

投下です!


***


「うーん、休憩がてら拳銃でも作るか」


お日様はもう真上にある。

お昼ご飯を食べる前にリボルバーの原型程度は作っておきたい。


『良いですね。いざと言うときに役に立つのはマグナムって相場が決まってるもんですからね』


「え、そんなごっついの作るのか?」


『え? リボルバーといえばマグナムですよね?』


何だこのシージアのイメージは。

リボルバーと一口に言ってもマグナム弾を使うようなでっかいのから手の平サイズの小さいのまで色々あるんだぞ。


『まあそんな冗談はともかく』


「冗談だったのか」


『当たり前じゃ無いですか! 私はこれでも超が付くほどの博識ですよ?』


「リボルバーを普及させたアメリカの発明家は?」


『サミュエルコルトですね』


「リボルバーの利点は?」


『第一に構造として壊れづらい、そして万が一弾に不良があったとしても次弾をすぐに発射できます』


「欠点は?」


『発射ガスがシリンダーから平均して7パーセントほど漏れてしまいます、それに伴って発砲音が大きくなります。また、加えて再装填にオートマチックに比べて時間がかかります』


「マグナムってなんだ?」


『増強弾のことですね、普通の弾より装薬量が増やされています。語源は酒類の増量ボトルを指すマグナムです』


「すごいな、見直したよ……」


全部即答した上に言い淀むこともなく言い切りやがった。

改めてシージアの凄さを認識させられることになったぜ。


『でしょう? ふふふ、もっと褒めても良いんですよ?』


「ああ、凄いよ」


『へへへ』


締まりのない笑い方をする。

何だか最近シージアの態度が軟化してきた気がする。

いや別に前までが冷たかったとかそう言うわけではないが何だかうん、何というかこう、甘えるような?


『と、そんな事は置いといてマグナムを作りますよ。正直九ミリレベルの拳銃弾ではこの世界の魔物には通用しません。地球でも熊は拳銃じゃ殺せないでしょう?』


確かにそうだ。

熊は肉が分厚いからどこに撃っても致命傷にならないし、かと言って頭を撃つと分厚い頭蓋骨によって弾が弾かれるそうだ。

確かに拳銃弾がワルドサーペントに致命傷を与えられるとは思えない、マグナムでもそれは同じだろうが怯ませる力は全然違うだろう。


「確かにそうだな、じゃあどんな大きさの弾にするんだ?」


『.500 S&Wマグナム弾です』


「ほうほう……ってそれって最強の拳銃弾じゃなかったか?」


『よく知ってますね。そうですあの十発撃つと反動で手が痺れて文字が書け無くなると言う代物です。弾の直径も十二・七ミリですからね、丁度良いでしょう?』


「確かにそうだが……そんなごっついの作って誰か使えるのか……?」


アンナちゃんとかに渡したらどうなるか考えただけで怖い。

反動で肩が取れちゃうんじゃないか?


『貴方やシーニャさんなら片手で軽々と撃てると思います』


「まあ確かに言われてみればそうだな……シーニャさんに作っておくか」


武器は多くて困ることはない筈だ。

しかも拳銃だからそこまでスペースは取らないだろう……多分。


一から新しく作るのはリボルバー機構だけで済むからかなり楽に済むだろう。


「あ、そうだ」


『どうしました?』


「先に飯を食べよう」


『腹が減っては戦は出来ぬ、ですね』


「その通り、英語で言うとエグザクトリー」


そんな寒いギャグをかましながら下へと降りるのだった。

さてさて、今日のお昼ご飯は何かな? ダイナマイト作りでかなり体力、気力共に消耗したからな、腹が減っている。

実に楽しみだ。


***


「マーサさん、今日のお昼は何ですか?」


「今日は景気良く鶏肉を焼こうと思ってね、脂が乗ってて美味しそうだよ」


「おお! それは楽しみです!」


鶏肉か、久しく食べていなかった。

この国に来てから一度も食べていないのではなかろうか?

鳥といえばこの国では卵だからな。


そして待つこと十分、料理が運ばれてきた。


「お待たせ、鳥の香草焼きだよ」


「おお……!」


しっかりとした骨つきのもも肉だ。

皮にはこんがりと狐色の焼き目がついていて大変食欲がそそられる。

立ちのぼる香りに涎が口の中に溢れる。


「アンナ、降りといで!」


マーサさんがアンナちゃんを呼ぶとトテトテと可愛らしい足音と共にアンナちゃんが降りてきた。

そして素早い動きで椅子に飛び乗る。


「とってもおいしそう! 早く食べよっ!」


「ああ、そうだな。ささ、食べちゃってくれ」


「いただきます」


「いただきますっ!」


早速いただくとしよう。

肉を一切れ口に放り込む。

ジューシーな肉汁が口の中に溢れる。

焼いた鳥はパサつきやすいというのに……一体どうやったのだろうか。


「おいしい!」


アンナちゃんも満足そうだ。

この笑顔を守るためにも戦わなければならない。


……自分で言って見たものの中々恥ずかしいな。

中学生の頃はこんなシチュエーションに憧れたんだけどなぁ……


***


『よーし、まずは弾をどんな形にするか決めましょう、はい、もちろんダムダム弾ですね!』


ほおー、ダムダム弾か、聞いたことあるような無いような……

何だっけな、確か……


「対人拡張弾頭じゃねぇか!」


思い出したぞ!

確かナントカカントカ宣言で禁止されてる弾頭だったはずだ。

弾が目標に命中すると拡がって傷口をズタズタにするという代物であまりにも非人道的すぎるから使用が禁止になったとか何とか。


『おっ、よく知ってますねぇ。シュバルべの時と言い、もしかしなくてもミリオタですか?』


「いやまあ興味はあったけど……そんなの使って良いのか?」


『いやですねー、ここは地球じゃ無いんですよ? ダムダム弾禁止宣言なんてなんの効果もなんですよ! それに撃つのは人では無く魔物ですからね』


そう言ってハーッハッハと高笑いするシージア。

悪いやつめ、バレなきゃ犯罪じゃないとか言ってそうだなおい。


『と、まあそんな事はどうでも良いんです。早く作りますよ!』


「わかったわかった」


『まずはシリンダーから作りましょう。シリンダーはリボルバーの命ですからね、丁寧に作りましょう。五発入りで良いでしょう、それ以上だとちょっと大きくなりすぎちゃいますからね、そうそう、材料は鋼で問題ないでしょう。軽量化と物資の節約のためです』


「がってん承知の助」


『…………』


「何か言ってくれよ!」


『……私も好きですよ、そんなギャグ』


泣きそうだ。


そしてちまちま鋼を成形すること三十分。


「よーし、シリンダーが出来たぞ」


『ふむ、良いんじゃないですか?』


結局、シリンダーの大きさを決めにくいと言うことで銃弾から作ることになったが、中々上手く行ったと思う。

うん、良い感じだ。


「あとどれくらいパーツがあるんだ?」


『うーん、このサイズならそうですね……三十くらいですかね?』


「へ?」


三十……だと?

一見すると少なく見えるが一から手作りするのもあって、実際にはとてつもない工程になるだろう。

セミオートやフルオートの銃なんて到底作れそうもない。


まあライフルと似たような部品もあるから多少はマシなはずだ。

多少は……


遅くなって申し訳ありません。

今回は、というか今回も完全に作者のミスで投稿が遅れてしまいました……

投稿予定日を二六日だと勘違いしておりました……orz

次回投稿は三月二十八日の予定とさせていただきます。

よければ、感想、ブクマや評価など頂けると嬉しいです!

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