第八話〜森の外は!?〜
遅くなって申し訳ありません……
いい加減書くのにも慣れたいものです……
『おはようございまーす!起きてくださーい!朝ですよー!』
「ん…おはよう、シージア」
シージアは確かおはようって言ってたよな?じゃあなんだこの周りの異常な暗さは、俺は夜目が効くから良いけど普通の人間だったら何も見えないぞ…
『どうしたんですか?そんなにキョロキョロして』
「いや、おはようって言うにはちょっと早いんじゃないかなー、って思っただけだ」
『だって今日は森の探索に行くんですよ?ナイフを作ってから行きましょうよ。あと、夜明けと同時に探索を始めるのでそれまでには作り終えてくださいよ』
「了解、それであとどれ位で夜明けなんだ?」
『大体一時間ですね』
「ちょっと短くないか?それっぽい形にするだけなら十分な時間だけどちゃんと刃まで作るとなると夜明けまでに間に合うか微妙じゃないか?」
『ふっふっふ、よくぞ聞いてくれましたね!実はですね、その魔力と結合したタングステンは最高級の砥石として使われているのです!』
「いや、確かにすごいそうだとは思うがそんなドヤっとした雰囲気で言う程すごい物なのか?」
『そうですよ!魔力と結合したタングステンは硬化する際に下の方から硬化していくので表面はザラザラしているんですよ。それが砥石として使えると言う事です。その砥石はそこまで質が良いとは言えません。ですが!強度が非常に高いので殆ど磨耗せずに長い間使えるのです!』
ほうほう、じゃあナイフを作って仕上げる時は腕とか頭とか足に擦り付けて研ぐのか……
確かにすぐに使えて便利だがなんか見栄えがな……なんと言うか剃毛してる人みたいでなんだかなぁ。
まぁ、仕方ないか。
「その魔力と結合したタングステンが凄いのはよ〜く伝わった。だからナイフ作りに取り掛かろう」
『そうですね、じゃあどんな形のモノを作りますか?』
うーん、やっぱりここはマチェットかな、でもかなり長いから取り回しに困るだろうし……
かといってサバイバルナイフじゃ少し心許ないし。
「シージア、鉄はどれ位あるんだ?」
『胸部プレートと兜と手甲の分が丸々と腕当の削った分があるのでかなりありますよ』
よし、それなら。
「鉈とサバイバルナイフ、二本作るのはどうだ?」
それなら森の中で木の枝や蔓を切ったりする鉈、獲った獲物を解体したりするサバイバルナイフ、みたいな感じで役割分担できて効率も上がるんじゃないかと考えたんだが……
『中々良いアイデアですね。確かに二本あればもし、どちらか片方がダメになった時も予備があることになりますからね』
「だろ?じゃあそうと決まれば早速制作に取り掛かろう」
では、鎧の魔物のナイフ制作のお時間です〜
まずは、材料を用意しましょう。
まずは鉄、適量ですね〜
それから砥石!これは重要ですよ〜仕上がりに関わってくるのでなるべく良いものを選びましょう!
では作業を開始していきますね〜
最初はサバイバルナイフから作っていきましょ〜
まずは大まかな形を作っていきますね〜
魔力を込めた指でグイグイ〜、グイグイ〜
粘土細工みたいな感じですね〜
はい、大まかな形ができました〜
ここで工夫としては持ち手に窪みをつけて握り易くしましょ〜
はい、できました〜
そして細かい所を整えて〜
仕上げに研ぎましょ〜
シャリシャリ、シャリシャリ
はい、出来上がり〜!
「どうかな、結構いい感じじゃないか?」
『おお、中々いいですね!その窪みがフィットしそうですね』
「ありがとう、じゃあこの調子で鉈も作っちゃうか」
はーいじゃあ準備するものはさっきと変わりません、鉄を適量ですね〜
これまたさっきと同じく大まかな形を作ってから細かい部分を整えて〜
研いで〜
はい!出来上がり〜
え?端折ったって?仕方ないじゃないですか〜、だって全く同じ工程を説明されてもアレでしょ〜?
「よし、出来たぞ!シージア、どんな具合か見てくれ」
『おお、中々良いですね!その窪みがフィットしそうですね』
「さっきと全く同じ事を言ってないか?」
『い、いやそんなことないですよ!』
「・・・・・・」
『だって同じじゃないですか!貴方だって説明をかなり端折ってましたよ!』
「な、なんでそれを…あれは心の声だぞ……」
まさかシージアは心の中を読めるのか?もしそうだとしたらこの思春期真っ只中の色々とアブナイ思考がダダ漏れになってるんじゃ……
こんな不吉な事を考えるのはやめておくのが吉だ……ホントに大丈夫かな?
**************
『じゃあそろそろ日も昇る頃ですし出発しましょうか』
「そうだな、でも心配な事が一つあるんだが……」
『ん?どうしたんですか?』
「道って迷ったりしないよな?」
『ああ、そんな事ですか』
そんな事って、森の中では迷子になるのが一番怖いんだぞ
『私が地形程度、記憶する事が出来ないとでもお思いで?』
「おお!凄いじゃないか!さすがシージア、役に立つ!」
でもこうなってくると本当にg○○gleだな…地図はg○○glemapだしな…
『なんか今、失礼な事を考えませんでしたか?』
「……いや、そんな事ないぞ?」
マジか…勘良すぎだろ……
これが勘なのかも分からないけどな……
「まあとりあえず出発しよう!」
『……そうですね』
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「あああああ!ヤバイ、ヤバイってマジでヤバイって!」
ベキベキベキ!
「ああ!近づいて来てるぅぅぅ⁉︎」
『そんな事言ってる暇があるなら足を動かして下さい!』
えー、こちら鎧坂彰人です。
只今、もんのすごく大きい蛇に追いかけられております。目測三十メートルほどでしょうか。
シージアによるとあの蛇はワルドサーペントという魔物らしいです。
性格は凶暴かつ残忍、獲物をいたぶって楽しむ事があるそうです。
唯一の救いとしては魔物としては比較的足が遅い事でしょうか。
だからこうしてまだ生き残れているわけです。
以上、現場からお送りいたしました。
「ってそんな事してる場合じゃねぇぇぇ!」
ヤバイ、だんだん疲れて来た。
「シージア、蛇の弱点ってなんだ⁉︎」
『蛇は通常、前方の視界は六十度程度しかありません!それを上手く利用できればなんとかなるかもしれません!』
「弱点じゃなくても良いから特徴は⁉︎」
『蛇は視力が非常に弱いので振動と熱を感知して獲物の位置を把握しています。あなたの表面は金属なので熱は感知されにくいと思います。なので振動をどうにかするだけでかなりごまかせると思います!』
「なら木に登ればいいんじゃないのか?」
『そうですね、試す価値はあるでしょう!』
全速力で走って枝が低そうな木に思いっきり飛びつく。
べキャァ!
「あ、やべ」
まぁ、こんな鎧を着た重量物が木にぶつかると当然もの凄い音がなるわけで……
「めっちゃこっち来てるぅぅぅ!」
どうする、どうしたら良いんだ?考えろ、俺!
そうだ、蛇を捕まえる時は首に押さえればいいんだ!
「こっちに来た瞬間に首に飛びつけばいいんじゃないか?」
『やめておいた方が良いと思いますが……ただ食べられるのを待つよりかはよっぽどマシでしょう』
「じゃあやるぞ……」
近づいてくる…
あと数秒で飛びつける距離になる……
三、ニ、一……今だ!
「おりゃあ!」
このコースならいける!そう思った瞬間
ドガッ!
「グハァ⁉︎」
俺の体は空高く舞い上がっていた。
『大丈夫ですか⁉︎』
「ああ、なんとか大丈夫だ……それにしても滞空時間が長くないか?」
『ああ、貴方が弾き飛ばされた方に崖があったみたいですね。幸い下は砂漠のようなので上手く砂漠の起伏の斜面に落ちれば助かりますよ!』
「上手くいけば、だろ⁉︎」
そんなに上手くいく確率なんてめっちゃ低いんじゃないのか⁉︎
『大丈夫です、奥の手ですが私が魔法を使って軌道修正します。貴方の魔力を消費するので本当に奥の手なのですが……仕方ないでしょう。いきますよ!』
ゴウッ!
「おお!押し出される感じがしたぞ!」
『早く!口を閉じて下さい!舌を噛みますよ!』
そう言われて慌てて口を閉じる
危なかった……危うく舌を噛みちぎるところだったぞ……
『地面が接近していますよ、後五秒、四、三、二、一、来ます!』
ドガァァン!
全身に途轍もない衝撃━━━━それこそ一回目に死んだ時より大きいのではないかというほどの衝撃を感じた所で俺の意識は途絶えた。
いかがだったでしょう?
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次回はまだまだ探検回が続きそうな予感ですね!
実は作者もどうしたら良いのか迷っております……