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鎧の魔物奮闘記  作者: 晴れ甲羅
第一章 転生編
73/110

第七十一話〜銃を作ろうPart3〜

投下です!


***


「ぎょあぁぁあぁ! 目がぁぁ、耳がぁああぁああぁぁ⁉︎」


目と耳を押さえながら地面をのたうち回る。

痛い! 目と耳が非常に痛いし何も見えないし聞こえない!

一気に五感の内の二つを失い、脳が混乱する。


『落ち着いて下さい! 耳はともかく目は大丈夫です! 目を開かずに外を見るイメージです!』


頭の中にシージアの声が響く。そう言われてやっと自分がバイザー越しでも景色が見えていた思い出す。

目を開かずに外を見る……


「よし、できた、ぞ」


『大丈夫ですか?』


「ああ……相変わらず耳はやられてるが一応は大丈夫だ」


『まさかあんなになるとは思ってもみませんでしたよ……』


俺に何があったのか。

時は五時間前まで遡る……



「よーし、腹ごしらえも済んだことだし銃本体の製作に取り掛かるか」


『ですね、まずは銃身から作っちゃいましょうか』


「そうだな」


やっぱり大事なところだからな、気合を入れなければ。

ここで銃の性能のほとんどが決まると言っても過言ではない、拘って作ろうじゃないか。


まずはライフリングから作らなければ。

これはシージアと相談した通り、ライフリングを刻んだ芯から作るとしよう。

材料は鉄だ、これを太さ十二・七ミリ、長さ八百ミリに加工する。


ライフリングは加工を容易にするための秘策がある。

それは“ポリゴナルライフリング”と呼ばれる方式だ。

ポリゴナルライフリングとは、一般的なライフリングが溝を彫るのに対し、六角形等の多角形を利用して弾丸に回転を与える方法だ。

こうすることによって比較的加工が簡単になるのではないか、と言うのはシージアの談だ。


このように出来るだけ工程を少なくする努力を重ね、製作を始めたのだが……

確かにマシにはなった、だが、それでも鬼のように大変だ。


第一に、綺麗な六角形に成形するのが大変なのだ。

全くもって上手くいかない、一面を綺麗にすると横の面が歪む、その面を直すと他の面が、といった具合でどうにも上手くいかないのだ。

そうして出来上がったのは良いのだがここに漕ぎ着けるまでに三時間以上掛かってしまった。


あとは簡単にいけるはずだ。

棒の端っこを掴んで捻りを加える。

慎重に慎重に、握っているところを変形させないようにするのだ。


そして三十分後、


「よっしゃあ! 完成じゃあ!」


『やりましたね! かなり完成に近づきましたよ!』


「ああ、そろそろ出来上がりそうだな。じゃあ次は機関部に取り掛かろうか、アイデアはあるのか?」


『はい、もちろんありますとも。あたり前田のクラッカーですよ』


……あたり前田のクラッカー。

これまた懐かしいギャグが出てきたな、地球にいた頃もほとんど聞かなかったぞ。

確かもう六十年くらい前に藤田まことのギャグだったよな……なんでこんなに知名度があるんだろうか。


『あのー、無反応が一番しんどいんですが』


「いや、あたり前田のクラッカーについてて考えてたんだ。ささ、早く完成させちゃおうぜ」


『むう……』


「ほら、銃身は何で作るんだ?」


『……銃身はタングステンにしましょうか。残りが少ないとは言ってもそれくらいの量は余裕であるはずですからね。試作型でも銃身は流用する予定ですからね』


少し不満げだがまあ良いだろう。

元とは言えばシージアが悪いのだ、うん、そう言うことにしておこう。


「撃針とかはどうするんだ?」


『そこらへんは普通の鋼鉄で良いでしょう。節約しなければいけませんからね』


「じゃあ銃身も鋼鉄でいいんじゃないのか?」


銃身も鋼鉄でも射撃する分には全く問題ないはずだ。

地球の銃も鉄で出来ているからな。


『銃剣ですよ、銃剣を付けて切ったり突いたり殴ったりするわけですからかなりの強度がないと射撃に問題が発生してしまうじゃないですか。そうなったら困るでしょう?』


「確かにそうだ」


完全に銃剣の事を忘れていた。

確かに考えてみれば、射撃だけじゃ押さえきれずに近づかれた時に必要になってくるよな。

その時に殴って曲がって暴発とかなったら笑えないからな。


『装填方式ですが、今回は試作なのでボルトアクションの単発でいいでしょう』


「ふむふむ」


『じゃあ早速作っていくとしましょう。まずはタングステンを━━━━━━』


そして一時間半後、


「出来たぞぉぉぉ!」


『ふーむ、一日で出来るとは私も思ってませんでしたよ。がんばりましたね』


「じゃあ早速試射に移ろう!」


あー、撃ちたくて堪らない!

やはり自分で作ったものは良いものだ。

デグレチャフ狙撃銃をひとまわり小さくした感じで、えらく武骨な見た目だが、そこはかとなくカッコ良さが漂ってくる!


『じゃああの木を狙いましょうか。多分立射でも撃てますが、一応伏射にしておきましょう』


「了解!」


ボルトを引き、弾を込める。

弾はこの一発しか作っていないが、またすぐ作れるから問題はないだろうと思われる。


「じゃあ撃つぞ……!」


照準器は作っていないので勘だが、的が大きいので当たるだろう。

そして引き金を引き絞り……


バンッ!


「ぎょあぁぁあぁ⁉︎ 目がぁぁ、耳がぁああぁああぁぁ」


途轍もない音と共に光が俺を襲う。

それはあたかもフラッシュバンのようだった。


そして話は冒頭に戻る。


数分経ち、俺はやっと聴覚を取り戻した。

まだ耳鳴りは酷いが、じきに収まるだろう。


『火薬のパウダーのサイズを間違えたのと耳栓を忘れたのが原因ですね』


「火薬のパウダー?」


『火薬のサイズによって燃焼速度が違うんですよ。小さければ小さいほど早くなるんですが、今回はパウダーが大きすぎたので燃え切らずに銃口から出たので、強烈な発射炎ができたんですね』


「そうなのか……」


知らなかった、でもこれで改善点が判ったんだ、プラスの事として捉えておこう。

失敗は成功の母だって良く言うからな。


こうして俺の銃器開発は、ハプニングはあったものの、一応の成功を収めたのだった。

遅れて申し訳ないです。

リアルの方で忙しいものでして……

その関係で次回投稿は三月四日とさせていただきます(もしかすると投稿するかもしれません)

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― 新着の感想 ―
[一言] 次回投稿楽しみにしています。 お仕事?なのかはわからないですがのんびりがんばってください!
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