第六話〜鎧を強くしよう!〜
おお!何とか日曜日に投稿出来ました!
でもすいません……この世界の事についても書くと言いましたが長くなりそうなので次回に回します……
本当に申し訳ありません……
「一体その魔力と結合したタングステンはどんな金属なんだ?シージアの反応を見る限り中々凄そうな金属っぽい感じがするんだが」
『すごいも何もこの世界で5番目に強い金属ですよ⁉︎』
「えぇ…五番目ってなんか微妙じゃないか?そもそもこの世界に幾つ金属があるのか知らないし。しかも強いって曖昧じゃないか?硬いとか破壊されにくいとか色々あるじゃないか」
『ああもう!いちいち細かい男ですね!そんなんじゃモテませんよ!』
「モテないのは……事実だな。これまでに付き合った事はおろか小学校の入学式より後に親戚の小さい子意外と手を繋いだ事も無い!」
『うわ……中学三年間何してたんですか……?』
「いや、大体そんなもんじゃ無いのか?中学生でキスした事がある人とか全体の一割もいないって聞いた事があるぞ?」
『それはキスした事がある人の割合でしょう?付き合った事がある人は全体のよう七割くらいですよ。ていうか貴方そんな事調べてたんですね……ちょっと引きますよ』
「いいじゃないか!そう言う年頃なんだよ……」
『そういえばそうでしたね、貴方も「そういうお年頃」ですね!』
「やめてくれ!セクハラだぞ!」
ニヤニヤした雰囲気が伝わってくる……
顔が熱い…魔物なのに…
******
『まぁ、そんな事は置いといて今はタングステンですよ!この世界では魔力がある事によって様々な種類の金属がある訳ですがその中で地球にも存在する金属として一番破壊されにくいのがタングステンなわけです。そのタングステンが魔力と結合しているんですよ。そりゃもう強くなってますよ』
「まず魔力と結合したら強度は上がるものなのか?」
『はい、かなり上がりますよ。ですが魔力と結合している金属はそれ単体では繊細なので一定の条件に置いておかないとすぐに劣化してしまうんですよ。恐らくその劣化を防ぐために地下室には魔法がかかっていたんでしょうね』
「ならこれを取り込めば鎧の強度も上がるんじゃないか?」
『はい、もちろん上がりますよ』
「なら一刻も早く━━━━━」
『でもここにある量だけでは少なすぎます』
「え…?」
今、何て言った?量が、足りない?
『でも重要な部分だけ守る為の量なら十二分にありますよ』
よ、よかった…
「重要な部分っていうと、正中線上と頭と胸あたりか?」
『そうですね、主に兜と胸部プレート、後は手甲と腕当、余れば鉄靴に使いましょう。兜と胸部プレートは防御、手甲と鉄靴は攻撃に使えますね』
「確かに良い案だな、でも武器はどうするんだ?」
まさか殴るわけではないだろうし……
『殴ります』
え…?今殴るって言った?
そんな脳筋プレイしろっていうのか?
『もう一度言いますよ?殴ります』
「本気で言ってるのか?殴るってリーチ短すぎるし威力も低くないか?」
『いや、この山小屋の周りは比較的開けていますが狭い森の中だと剣や槍を使うと引っかかって使いにくいですよ』
それを聞くと一気に殴るのも良いかと思えてきた。
しかもロマンを感じるぞ。
「よし、じゃあ鎧の強化を始めよう!」
先ずは胸部プレートから強化していくか。
そういえば…
「なぁシージア、一体俺の鎧って何で出来ているんだ?やっぱり鉄なのか?」
『ああ、貴方の鎧は鉄製ですね、ですが焼入れにより強度を上げたスプリング鋼を使用している訳では無い上、厚さも数ミリしか有りません。前の世界で言えば十分な強度がありますが正直に言うとこの森の中で防げるのはせいぜい獣の牙くらいですね。前回の戦闘の時のように魔獣の牙は碌に防げません』
「マジか…弱々じゃないか」
このままだと本当にまずいな……
『まぁまぁそんなに落ち込まないで下さいよ。良い金属だって少量とは言え手に入ったんですし。しかも貴方、攻撃に関しては中々良い感じです。特に格闘戦に強いですね』
「なんで格闘戦に強いんだ?」
『いや、だって手甲だけで何キロもあるんですよ。ハンマーで殴られるのと同じですよ』
あー、だから手甲を強化しようって言ってたのか。
「強化するのはわかったがどういう風にタングステンをつけるんだ?」
『置き換えですね、装甲を交換するイメージでやって行きましょう』
交換するのか、なんかプラモデルみたいな感じだな。
「余った鉄はどうするんだ?やっぱり他の部分の強化に使うのか?」
『余った鉄は一部は他の部分の防御力を上げるのに使いましょう、そしてもう一部はナイフにしちゃいましょうか。ナイフがあると何かと便利ですからね』
「そうだな、じゃあまずはパーツを作ろう」
******
『ではまず今装着している胸部プレートを外して下さい』
「わかった」
カチャ、カチャカチャ、カチャカチャ・・・・・・
『あ、もしかして外し方が分からないんですか?』
「いや、そんな事は無い……」
『はいはい、別に見栄を張らなくて良いですよ。その肩当の所にある紐を外して肩当を外して、肩当の下にある留金を外して下さい』
「……もうちょっと時間があればわかったから」
カチャカチャ、カポッ
そう言えば鎧の下ってどうなってるんだろうか?
「おお!筋肉がムッキムキでなんかシュワちゃんみたいな感じになってる!でも……これはちょっと人間には見えないなぁ」
俺の体はなんというかアレなことになっていた。
アレだアレ、なんというか……
とりあえずもし人間にあっても鎧は脱げないなぁ
『なんというか筋繊維が剥き出し?とは違う感じですが確かに人間には見えませんねぇ。まぁそんなに気にする事はありませんよ。どうせだんだん人間に近づいていくんですから』
「え、だんだん人間に近づいていくのか?それならまぁ気にしなくて大丈夫だな」
『いやー、切り替え早いですね。まぁそっちの方が私としては助かるんですけどね』
「そうだろ?じゃあ今度こそ鎧を作るか。でもどうやって作ったらいいんだ?」
どうやって作ろうか……
大まかな形を作ってそこから細かいパーツを調節していこうかな
「そう言えばこのタングステンって加工する時にコツとかってあるのか?」
『特にはありませんが一つ注意するべき点があるとしたら劣化してしまうので出来るだけ早く作業を進めて下さいね』
「了解だ!じゃあ始めよう!」
『頑張って下さいね!』
まずは均一な厚みの板にしないといけないな。
おお、案外難しいな……そうだ!良い事を思い付たぞ!
「この古い方の胸部プレートを置いて、その上にタングステンを当てて同じ型に成型してけば……」
グイグイ、よいしょ、よいしょ
そして数分後━━━━━━
「中々良い感じなんじゃないか?」
『おお、上手ですね。意外と手先が器用なんですね』
「手先の器用さならかなり自信があるぞ、留金のところは中々難しかったが良い感じだぞ」
いざとなったら手芸品でも売って生計を立てるか…
『仕上げに一気に魔力を送り込んで下さい、それでタングステンが硬化するはずです』
「分かった、じゃあ送り込むぞ━━━━━フン!」
ミキミキという音と共にくすんだ灰色だったタングステンの表面が黒くなっていく。
「シージア、これって大丈夫なのか?」
『ああ、それが正常な変化ですよ。言い忘れていましたね、すいません……』
「良かった…一瞬失敗したかと思ったよ」
『じゃあ次は手甲と鉄靴ですね!その二つは元からあるものを薄くしてその上をタングステンで覆うイメージで作業していきましょう。可動域が狭くならないように関節のつなぎ目を少し多めに削って下さい』
「分かった、じゃあやっていこうか」
またまた数分後━━━━
「出来たぞ!これで手甲と腕当と
鉄靴は完成だ!」
『鉄靴を途中で曲がるようにパーツに分けて作ってそれをちゃんと接合するなんて貴方やっぱり物凄く器用ですね……』
「そうだろ?中々良いアイデアだと思ったんだがうまくいって良かったよ」
『じゃあ残すはは兜だけですね。兜は総タングステン製にしましょうか』
「了解、一番大事なパーツだし気合いを入れて作っていくぞ!」
またまた数分後━━━━━━━━
「よっしゃあ!完成だ!自分でも中々完成度の高いものが出来たと思うぞ!」
『おお、確かにすごい完成度ですね!じゃあ早速装着してみて下さい!』
「よし!ちょっと待っててくれ!」
カチャカチャ、カチャカチャ
「どうだ!良い感じだろ?」
『おお……確かに格好良いですが…』
「ん?どうしたんだ?」
『その鎧、めっちゃ中二病っぽくないですか?』
「た、確かに…」
どうだったでしょうか?
次こそはこの世界について書こうと思います!
感想、評価、お待ちしております!
これがあるだけで作者のモチベーションは爆上がりしますよ!
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