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鎧の魔物奮闘記  作者: 晴れ甲羅
第一章 転生編
52/110

お正月特別短編

投下です!


***


『お…い、……くだ……い!』


ん……なんだなんだ。


『おーい! 起きてくださーい!』


「うおっ……ってなんだシージアか、驚かさないでくれよ。それにしてもここはどこなんだ?」


起き上がるとそこはなんだか見覚えのある……


「あれ? ここって森の……」


そう、俺が転移させられる前に拠点にしていた森の中の小屋だった。

全く状況が把握できないぞ。


『よーし起きましたね? ではお餅作りますよ!』


「え? 餅? 突然どうしたんだ?」


「アキトさーん! 餅つきしましょう!」


「シュンヤまでどうしたんだ⁉︎」


「アキトさん、餅つきをしましょう」


「シーニャさん⁉︎」


一体どうしてみんなここに⁉︎

しかも何故か餅つき、どうして餅つきなのだろうか。


「いや、でも材料もないし道具もないし……どうするんだ?」


『ふっふっふ、そこは大丈夫です! あっちを見て下さい!』


ま、まさか……


「アキトさん、こっちこっち!」


シュンヤに呼ばれ、振り向くと……


「えぇ?」


シュンヤが臼を、シージアさんが妙に張り切った顔で杵を担いでいる。

なんだなんだ、展開が急過ぎて脳が追いついていかないぞ。


「いやでも餅米がなけりゃ道具があっても……」


「アキトさん、どうぞご安心を。もう用意してあります」


いつの間にかシーニャさんの手には蒸された餅米が⁉︎

どこから出てきたんだ⁉︎


「もちろん杵も臼も前日から水に浸けてありますし温めてもあります、準備は万端です! さあ餅つきをしますよ!」


いやめっちゃテンション上がってるなシーニャさん。

キャラ崩壊寸前じゃないか。


『そんな呆けた顔をしてないで早くしてください!冷める前に早く!』


「あ、ああ。わかったよ」


どうぞ、とシーニャさんがすかさず杵を渡してくる。

シュンヤは臼を押さえている。

息ぴったりだなおい。


「では行きますよ、さんはい!」


「よいしょっ!」


ペッタン


「よいしょっ!」


ペッタン


「よいしょっ!」


ペッタン


「よいしょっ!」


ペッタン


「はいっ!」


ある程度餅が付かれたところでシュンヤがすかさず餅をひっくり返す。

なんだか楽しくなってきたぞ。

シーニャさんと息が合っているのが心地良い。


「よいしょっ!」


ペッタン


「よいしょっ!」


ペッタン


「よいしょっ!」


ペッタン


「よいしょっ!」


ペッタン


「はいっ!」


そんな作業を繰り返すこと十数分。


『よーし、そろそろいい感じですね! もう十分でしょう』


餅の表面は滑らかになり、なんとも美味しそうだ。


「じゃあ食べましょう!」


シュンヤが待ちきれないと言った様子で目を輝かせている。


「そうですね!」


シーニャさんも表情が明るい。

目がキラキラしている。


「妾達も忘れてもらったら困るぞい」


「そうそう、私達も、な。偉く美味しそうな物を作っているじゃあないか」


サナさん達にマーサさん親子まで来た。

なんだなんだ、一体どこから来たんだ……まあいっか!

今は餅を食べることに専念しようじゃないか!


「じゃあ皆で食べようか!」


そう言った瞬間、


「グオオオオオ!」


餅つきの匂いと音に釣られたのか、突然ワルドサーペントが現れて臼を弾き飛ばしてしまったのだ!

宙を舞う餅、その姿はまるで跳び回る白兎んのよう……


***


「餅いぃぃぃぃぃ⁉︎」


『うおっ、突然叫んでどうしたんですか。しかも餅? 餅が襲って来る夢でも見たんですか?』


「シージア……」


なんだ夢だったのか……

それにしてもおかしな夢だったな。


だが、楽しい夢だったな。












少し遅れましたが投稿させていただきます。

自分でも中々カオスな仕上がりになったと思っております。

次回からは普通の話の流れに戻るのでご安心を!

ブクマ、評価、感想などをいただけると非常に励みになります!

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