第四十五話〜久しぶり〜
投下です!
***
場所は変わってシーニャさんとの移動中、一つ忘れていたことを思い出した。
(なあシージア、シュンヤってどうしてるかわかるか?)
そう、シュンヤである。
あの義理堅い性格ならば自分で言うのもアレだが、ベッドのそばで待っていそうなものなのだが……
『はい、聞いた話ですが今は修行に行ったとかなんとか。貴方に理性がある状態で重傷を負わせてしまったのを気に病んでいるようですね。それがなんで修行に行くことに繋がるかは知りませんけどね』
(やっぱりバトルジャンキーなのかな?)
なんだかんだ言ってシュンヤもかなり血の気が多いからな。
まあ強くなったらそんな感じになるのも納得出来るっちゃ出来るけどな。
『かもしれませんね』
シュンヤが修行か。
うーむ、俺ももっと強くならないといけないな……
トレーニングと型の練習とかいつもと変わらないことしか出来なさそうだけど、まあやらないよりかはマシだろう。
継続は力なりって言うもんな。
「そろそろ城門ですね、出入り許可証だけ取ってから行きましょうか」
「あ、はい」
意外と近いんだな。
でもそりゃそうか、もし王城で戦闘が起こったら基本的には城門での防衛戦になるだろうからな。
それは良いとして案外簡単に出入り許可証って貰えるんだな。
果たしてこの国のセキュリティーは大丈夫なのだろうか。
それにしてもゴツい城門だな、まるでパリの凱旋門のような巨大さだ。
しかも登れるようになっている、ここから魔法やら矢を撃ち下ろすのだろう。
「アキトさん、少しこっちに来てください」
城門のすぐそばの受付らしき所にいたシーニャさんがこちらに呼びかけてくる。
すっかり城門に見惚れていた、やっぱりこう言う巨大な建造物って良いよな。
「あ、わかりました」
なんだろうか、許可証に必要な何かをするのだろうか。
ここでこう、魔法チックな何かが出てくるとテンションが上がるんだけどなぁ。
「ちょっとこれに手をかざして下さい」
キタァァァ!
これだよこれ! こんなのを待ってたんだよ。
俺が受けた魔法って大半が攻撃魔法だからこういう日常的な魔法って言うのも経験してみたかったんだよな。
「これで良いですか?」
受付台に備え付けにされている緑色に発光する謎機械に手をかざす。
でもこれちょっと小さいような……まあいいや。
ちょっとくらいは大丈夫だろう、きっと。
「あ、鎧は外して……あれ、いけましたね」
受付のお兄さんが少し驚いている。
や、やばいな。
これで怪しまれたりしたら困る……
「そういえば、鎧と魔力が非常に馴染んでいると鎧を身に付けたままでも認識することがある、と聞いたことがありますね。自分も実際に見るのは初めてですが……まあ問題ないでしょう、どうぞ行って下さい」
「はい、ありがとうございます」
すると衛士さんがスッと身を引き、脇の戸を開けてくれる。
考えてみれば、町らしい町に出るのも転生してからは無かったな。
ちょっと緊張すると同時に不思議な高揚感を感じる。
そして扉をくぐり抜けると……
「おお……!」
どうやらここは住宅街のようだ。
イメージとしてはアメリカの郊外だろうか、大きいレンガ造りの家に広い庭。
そして整備された石畳の道、これを見る限りかなりインフラは整っていそうな雰囲気だ。
地球の中世ヨーロッパのように汚物が道に捨てられていると言うこともなければ嫌な匂いもしない。
(かなりインフラの整備が進んでいるんだな)
『そのようですね、少なくとも下水道は完備されていそうですね。やはり魔法があるなしでは土木技術に大きな差がありますね。汚物の最終処理も魔法を使えば簡単に出来ますし』
はえ〜、やっぱり魔法ってなんでもありなんだな。
もし現代地球に魔法があったら色々な環境問題も解決するんだろうな……
(話は変わるけどここって王城に仕える人が住んでいる場所なのかな?)
『はい、ここはその中でも貴族では無い身分の人々が住んでいる区域のようです。貴族たちはこことは真反対の区画に大豪邸を構えていますね』
(確かに言われてみれば貴族が住むにしては少し小さいな)
広いとは言ってもせいぜい二百坪あるかないか程度の広さだからな。
やっぱり貴族とかは地球でも贅沢三昧だったらしいからな、この世界で貴族がどういう立ち位置なのかは知らないが大体そんなものだろう。
『そうですね』
と、これまで無言だったシーニャさんが話し掛けてきた。
「あと十五分程度で官僚用の住宅街を抜けて市場に出ます、そうすると景色がガラッと変わりますからね」
「おお、それは楽しみです」
官僚用住宅街のすぐ外に市場か、中々珍しい構造をしているんだな。
それにしても市場か、ゲームとか漫画で見たことはあったが実際に行ったことは無いからな、楽しみだ!
いかがだったでしょうか?
感想、評価、ブクマ等いただけると作者は大変喜びます!
次回投稿予定日は明日、十二月七日とさせていただきます!




