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鎧の魔物奮闘記  作者: 晴れ甲羅
第一章 転生編
45/110

第四十四話〜シホ先生の乱心〜

投下です!


***


シホ先生に言われるがままに全裸になったは良いものの、一体何のために脱がされたのだろうか。

先生はさっきからずっと俺の鎧を観察してるし……

なんだ? 俺の鎧に何かついてるのか? カビとか?


あれ? なんだかシホ先生の様子がおかしいぞ?

なんだか震えてるぞ……大丈夫なのかな。


「大丈夫ですか? シホせんせ━━━━━━」


「アキトくぅぅぅん! この鎧はどこで手に入れたんだい⁉︎ 素晴らしい、あまりにも素晴らしい! 生体のような組織の回復をしているにも関わらず構造は金属! 嗚呼、一体どうなっているんだ⁉︎ この鎧はどこで手に入れたんだ⁉︎」


そう一気に早口で捲し立てる先生、目がギラギラしてちょっと怖い。

こうも熱心にせがまれると教えたくもなる、だがそう言うわけにも行かないんだな。

と言うわけで全力で誤魔化させて貰おう。


「こ、これはちょっと色々ありまして……なんというかその、複雑な事情があってですね……」


日本人の固有スキル、曖昧にしてその場凌ぎを発動!

ふっふっふ、これは中々に強いぞ?

これにはシホ先生も、


「じゃあせめて、せめてどこで手に入れたかだけでも教えてくれ!」


ダメだった。

即落ち二コマかよ。


「そ、それもちょっと」


途端に泣そうな顔をする先生、そんな表情はやめてほしい。

まるで俺が虐めてるような気分になってくるじゃないか。


「な、なら端っこをちょっと削るだけでも、は、破片だけでもいいから! 先っちょ、先っちょだけだから!」


おっと、これ以上はいけない。

俺はNOと言える日本人ならなければいけないようだ。

断るのは心苦しいがここは一つ、キッパリと断らねば。


「ダメです! これは大事なものなんですよ!」


「そ、そんなぁ……」


そう言って寄りかかってくる。

地味に傷に響く……

それにしてもどうしたものか、


「シホ先生! 傷人にそんなことしちゃダメでしょう!」


そう言ってシホ先生の襟首を掴んでヒョイと持ち上げたのは、


「おお、シーニャさん、どうもこんにちは」


めっさ怖いメイドさんことシーニャさんだった。


***


「体調の方はもうなんともないんですか?」


「はい、まだ少し痛みますが、普通に動く分には問題ないです」


毎度のことながらこの身体にはホント助けられるよ。


「それは何よりです……らしいですよ、シホ先生。ほら、拗ねてないでキチンと診察してあげて下さい」


「……わかったよう。でもアキトくん、私はまだ諦めてないからね!」


中々厄介な人に目をつけられてしまったようだ。

まあシホ先生には助けられてばかりだしちょっとぐらいなら……ダメだな。


「ふむ、まあ良いだろう。ここまで治りが早いと私も良い薬を使った甲斐があったと言うものだよ」


流石はシホ先生、こんなことを考えている間にもテキパキと診察を済ませたようだ。


「それにしても本当に君の傷の治る速度は異常だよ。もう炎症も完全とは言わないがかなり治まってきている、普通ならあのレベルの薬を使ってもここまで早いと言うことは無いんだけどね。アキトくん、君って本当に人間かい?」


ギクッ

こ、これはまずい流れなのでは……


「なんてね、冗談だよ。だからそんなに黙り込まないでくれ」


「は、ははは」


あ、あぶねー。

バレたかと思ったぞ……

というかバレたらどうしよう、もし逃げるにしてもシーニャさんがいる時点で詰みだからな。

できるだけ、と言うか絶対にバレないように気をつけなければならないな。


「この調子ならもう良いだろう。ほら、退院だ、怪我には気をつけるんだな」


そこで、ああそうだ、と思い出したようにシホ先生が言う。


「ついでにその肘も治しておいたんだから感謝してくれよ。もう少し刃がずれていたら腱が切れてたぞ、いくら君が丈夫だからって身体を大事にすることだ」


そう言って手をヒラヒラ振りながら部屋を後にする先生。

か、かっこ良い……!

俺もいつか、あんな照れ臭いセリフを格好良く言ってみたいものだ。


「アキトさん、ちょっと聞きたいことがあるんですけど、」


と、シーニャさん。

シーニャさんまで鎧のことを聞いてくるのかな?

正直言ってシーニャさんに問い詰められたら隠し通せる自信がないぞ。


「泊まる所ってあるんですか?」


「あー……」


そういえばそうだった。

鎧のことやらシュンヤのことやらなんやらあったので完全に失念していたが、俺って宿無しだったな……

さて、どうしたものか。


「よければオススメの宿でも紹介しましょうか?」


それはありがたい!

是非とも紹介していただきたいものだ。


「お願いできますか?」


「はい、もちろんです」


だが、一つ問題がある。


「俺、お金持ってません……」


そうなのだ、この国の通貨はおろか、価値のあるものも持っていないのだ。

だがシーニャさんはそんな俺にニヤッと笑いかけ、こう言った。


「もちろんそれも考えてあります。宿に住み込みで働きませんか?」


それは素晴らしい、宿もあり、仕事もあり。

これ以上望むべくもない条件じゃないか!


「是非ともお願いします!」


「わかりました、では早速いきましょうか」


「はい!」


やっぱりシーニャさんって頼りになるなぁ、怖いけど。

こうして俺に人生初のアルバイト? が始まるのであった。

と同時に、波乱の幕開けでもあったのだ。


いかがだったでしょうか?

感想、ブクマ、評価等いただけるとありがたいです!

次回投稿は明日、十二月六日の予定です!

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