第四十一話〜武器がいっぱい!〜
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「さーてさて、何を選ぼうか……と」
そう一人言を呟きながら辺りを見回す。
シュンヤはこの武器庫の管理人さんに用があるようで今は一人で武器を探しているところだ。
俺に合いそうな武器といえばやっぱり重量級の武器がいいよな。
例えばメイスとかモーニングスターとかそこらへんかな、後はシンプルにハンマーとか?
「おっ」
中々変わり種の武器もあるな、三節棍とか四節棍の多節棍からトンファーやカギ爪まである。
試しに四節棍を振ってみようか。
「よいしょっと」
やはり打撃武器だからだろうか、持ち上げてみると意外と重たい。
では試し振りと行こうか。
よく中国映画とかだとブンブン振り回して脇に挟んでるよな。
「ふっ!」
よし、中々いい感じだぞ。
右手から左手、左手から右手へと回転させながら……
中々才能あるんじゃないか?
『中々筋が良いですね』
「ああ、少しスポーツヌンチャクを齧っててな……っ!」
そう言って勢いを殺さないように気を付けながら斜めに四節棍を振り下ろす。
ブォン!
という風切り音とともに高速で棍が振られる。
これならかなり威力もありそうだし良いんじゃないだろうか。
そう思いつつ脇に挟み込む。
ガァン!
「ぐあぁ⁉︎」
『あらら』
よ、四節棍だったのを忘れてた……
二節目を脇に挟み込んだのは良かったのだが残りの節が後頭部に直撃したのか……
これはアカン、俺みたいなうっかりした人間が使っちゃいけない種類の武器だ。
多節棍は諦めて他の武器をみるとしよう……
***
「うーん」
中々しっくりくる武器がないなぁ。
あの後、エストック、レイピア、パイクを試してみたんだがやっぱり刺突がメインになる武器はあんまり向いてない気がする。
というか刃が小さいというのが向いてないのかな、しかも特にパイクだと柄が木製なのもちょっと気になる。
俺が全力で握ったり叩きつけたりしたら凹んだり曲がったり折れたりしそうで怖いんだよなぁ。
「おっ、これとか面白そうじゃないか?」
『ですね、かなり便利そうです』
それはベルトだった、短剣を入れる鞘が十数個付いたようなものだ。
その短剣の形がまた珍しく、鋭角三角形のような刃に、刃に対して細めの持ち手がついている、イメージとしては苦無に近いものだ。
それを腰と肩に一本ずつ、計三本巻きつける。
「うん、良い感じだな」
意外と動きを阻害せず良い感じだ、じゃあこれは採用としよう。
『じゃあメインの武器を探しましょうか』
「ああ、そうしよう」
やっぱりさっきからずっと言ってるけどメイスとかハンマーが気になるなぁ、ちょっと見に行ってみよう。
随所に配置されている見取り図を見ながら打撃武器が置いてある所へ到着する。
シュンヤがくれた翻訳機は言葉だけでは無く、文字も読めるようになるらしい、
こりゃあ完全にチートアイテムだな。
そんなことを考えながら歩いていると到着したようだ。
「お、意外といろんな種類があるんだな」
そこにはただの棍棒からモーニングスターと呼ばれる先端にトゲ付きの鉄球が付いたものや出縁型のメイス、戦鎚等サイズ、種類ともに多岐に渡る打撃武器達が整然と並んでいた。
『ですね、やはり時代とともに戦場でのニーズは変わってきますから色んな種類があります。なのできっとしっくり来る武器もあるでしょうね』
「そうだな……これとか良さそうだな」
出縁型のメイスを手に取る。
イメージとしては鉄血のオルフ○ンズのバル○ドスのメイスを一回り小さくしたような見た目のものか。
かなり重量があるので重心が遠いのも相まって少し、いやかなりコツを掴むのが大変そうだが威力がありそうだ。
「よいしょっと!」
うーん、大分重いな大体三十キロはあるんじゃないだろうか。
ていうか普通の人が振ったら完成の法則と遠心力で吹っ飛びそうな武器だなオイ。
でもかなりしっくり来るぞ。
「よし、これが第一候補だな」
『ふむ、良いんじゃないですか?貴方の戦闘スタイルに合っているでしょうし、何よりカッコいいですね』
「お、シージアもわかってくれるのか、嬉しい限りだ」
『やっぱり使うならカッコいい武器がいいですもんね』
***
「おーい、シュンヤー。どこだー?」
「はーいこっちですー」
少し遠くの方から声が聞こえてくる。
方向からして入り口のようだ。
少し小走りでそちらへ向かうとシュンヤが何やら凄そうな武器を持っているのが見えた。
「何やら凄そうな武器だな」
「でしょう?少し手合わせをしたいと思うのですがいいですか?」
「ああ、全然構わないよ」
俺もメイスに慣れとかないといけないからな、願ってもないことだ。
「じゃあ武器の持ち出し許可をもらいましょうか。ここの棚の上に乗せて管理人さんに見せるだけでいいですよ」
そう言って剣を抜き放つシュンヤ。
その瞬間背中にぞわりとした感覚が走った。
まるで殺気のような気配だ。
なんというか浄化というかこの世から消滅させられそうなエネルギーを感じる。
『あれは聖剣です。正確には疑似聖剣ですね、どこぞの神が気まぐれに作ったのでしょうね。ですが能力としてはかなりの強力なものとなっていますね』
(どんな能力なんだ?)
『対魔物の戦いに於いての能力上昇や攻撃力上昇、それに加えて相手の能力を下げてきますね』
チートじゃねぇか……
そんな魔物絶対殺すマンみたいな武器を俺との手合わせに使うのはやめて欲しいな。
いやまあやりますけどね!
そうヤケっぱち気味にそう思うのであった。
遅れて申し訳ありません……orz
次回はバトル回でございます!
次回投稿予定日は明日とさせていただきます(あくまで「予定」です)




