第四十話〜やっぱり男の子〜
遅れてすいません!
投下です!
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「あ、アキトさーん!探したんですよ!」
ミートパイを食べた後、シーニャさんとまた会う約束をして別れ、ブラブラ王城をシュンヤを探しがてら散策していると、シュンヤの方から見つけてくれたようだ。
「シュンヤ、ちょうどよかった。俺もシュンヤを探していたんだが中々見つからなくてな……」
「王城には僕みたいな黒髪黒目も多いですからね。その点アキトさんは見つけやすかったですよ」
ん?そりゃどういう……
「だって『全身鎧の大きな人を見かけませんでしたか?』って聞きくだけで目撃情報というかなんというかがたくさんあるので見つけやすかったです。アキトさんは聞かなかったんですか?」
いや……聞きたかったけれども……
「俺、この国の言葉、喋れないんだよなぁ」
「そういえばそうでしたね……あ、そうだ!こんな時のための道具があったはずです……」
そう言って何やらゴソゴソし始めるシュンヤ。
そうすること三十秒、
「あった!」
と叫んで何やらペンダントのようなものを取り出すシュンヤ。
「なんだそれは?」
「これは言葉を使用者がわかる言葉に直す機械です。いわゆる翻訳機ですね」
そ、そんな便利な物があったとは……
シージアも早く教えてくれればよかったのに、と思いシージアに聞こうとすると、
『そんな物がこの子に作れるわけがないんですけどね……しかもそんな便利な物がこの世界の構造的に作れるはずが……これも暴走した神々が?』
と、シージアも困惑気味のようで何やら考え込んでいる様子だ。
いやそれで良いのかシージアさん。
とりあえず受け取っておこう。
「ありがとうシュンヤ。ありがたく使わせて貰うよ」
そう言いつつ兜を少し上げて首につける。
原理はいいとして、本当にありがたいな。
「はい、まだまだ予備はあるので全然大丈夫ですよ」
予備があるのか……一体いくつくらい作ったんだろう……
「あ、そうだ、偵察の許可が取れましたよ。早速準備をしましょう」
そうだ、それが本題だ。
すっかり忘れてたぜ。
「そうだな……とりあえず武器を調達しないとな」
盾と棍棒が無くなった今、そのかわりに使える武器を見つけないとな。
あのレベルの武器があるとも思えないが素手よりかは大分マシだろう。
「それなら王城の武器庫を見に行きましょう。アキトさんの武器がないのはさっき言っていたのからわかっていたので、さっき許可を取ってきました」
「ありがとうシュンヤ、気が利くな」
「いえいえ」
俺もシュンヤみたいなデキる男になりたいものだ。
***
「ここが武器庫です」
「おお……」
案内され歩くこと五分、辿り着いた部屋は俺が想像していた武器庫とは全く違う物だった。
俺が想像していた武器庫はゲームでよくあるように伝説の武器っぽい武器や豪華な武器がデーンと鎮座しているものなのだが、ここはそうでは無かった。
大量の武器が種類、サイズごとに整然と棚に立て掛けられて並んでおり、部屋の前には守衛、武器の持ち出しには許可証が必要で記録をつけて紛失したら弁償させられるようなしっかりした物だった。
武器を扱うのだから当然といえば当然なのだが、いかんせん俺の遊んだり読んだりしたゲームやファンタジーとは違いすぎて一瞬固まってしまった。
「本当に凄いですよね、僕も初めて見たときはかなりの衝撃でした」
「ああ、そうだな。ワクワクしてきたぞ」
「やっぱりこういうのを見るとテンションが上がりますよね、僕もこういうのは興奮します」
そう言って少し浮いたような雰囲気のシュンヤ。
やっぱり男の子はこういうの好きだよな、俺も通販サイトで無意味にナイフとか見てた時期あったもん。
「では早速武器を探しましょう!」
「よし、行くか!」
『ふふふ、二人共楽しそうですねぇ』
まるで遠足にでも行くような歩調で武器庫に入って行く男二人をシージアは生暖かい目で見るのであった。
いかがだったでしょうか?
次回は十一月五日に投稿する予定です!(遅れるかもしれませんが……orz)
次回は武器選びですね!
さぁてさて、一体どんな武器が手に入るのでしょうか?




