第二十九話〜三つの目標〜
投下です!
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シュンヤと話し、今後の方針が決まったのでシュンヤの彼女達にも伝える。
「おーい、話があるからちょっとこっちに来てくれ」
そう言うとこちらに素直に来てくれる。
素直な奴らだなぁ……、シュンヤが惚れるのもわかる気がする。
と言うのは置いといて、だ。
「さっきシュンヤと話し合った結果、色々と準備をしてからにはなるがナルタ神聖王国へと向かうことになった。それに反対意見はあるか?」
「いいえ、シュンヤがそうするなら私たちはそれに従うまでです」
そうセリナが言うと他の二人も同意するようにウンウンと頷く。
シュンヤが羨ましいぜ……
「じゃあ早速準備に取り掛かるが、その前に何を準備するかを伝えておこうと思う」
「アキトさん、出発はどのくらい後になるんですか?」
「おお、忘れてたよ、ありがとうシュンヤ。出発は三ヶ月後の予定だ」
あんまり遅くなってもシュンヤに悪いしな。
「で、準備することは大きく分けて三つある。一つ目は食料、水の確保だ」
長旅になるだろうから食料や水は多ければ多いほど良いだろうしな。
普通なら重かったり場所を取ったりして邪魔だがシュンヤがいるから大丈夫だろう。
「二つ目は武器を揃えて、強化しよう。お世辞にも今の武器の状況は良いとは言えないからな、特に俺がな、だから秘策があるんだよ」
これはもちろんしなければならない事だ。
俺は左腕をまだ直していないし、盾も融けたまま放置しているからな、色々と手を加えて作り直すとしよう。
シュンヤ達にも鎧を作ってあげよう。
「三つ目は修行だ。三ヶ月で鍛えられるのはたかが知れているだろうが、しないよりかは全然マシなはずだ。俺がいつも一人だったから、対人戦の訓練をしたいと言うのもある」
これはそのままの意味だ、対魔物はかなりこなして来たが対人戦となるとシュンヤ達と戦ったのがこの身体のなってから初めての対人戦と言えるからな。
最後にこれだけ聞いておこう。
「何か質問はあるか?」
「秘策ってなんですか?」
シュンヤがそう聞いてくる。
そりゃそうだ、聞いてもらうためにわざわざぼかしていったんだからな。
「お、良い質問だなシュンヤ。その秘策とは……強化外骨格だ!」
「強化外骨格ですか、なんだかカッコ良さそうですね!」
「そうだろ!」
やっぱり男子はこう言うのが大好きなんだよなぁ!
「その強化外骨格はどこから発想が来たんですか?」
「それはだな、俺の鎧は簡易的な魔道具のようなもので俺の筋力を補助するんだ。だが今のところそ小さい場所で大きい力を出す機構が上手く組めないんだ、だから『大きいところで組めば良いんじゃないか?』と言う発想を元に強化外骨格を作ろうと言うことになったんだ」
「その強化外骨格の材料はどうするんですか?」
「まず、装甲は罠に使った金属類を転用して作るつもりだ。魔力回路、これが今まで一番の問題だった、これはシュンヤ達が持って来た魔道具のものを流用するつもりだ。この二つと油などの材料があればなんとか形になるはずだ」
「動力源はどうするんですか?」
「それはもちろん魔力だ。だが俺の魔力は少ない、だから輝夜に分けてもらってそれを貯めて動力源にしようと思っている。もちろん輝夜には許可をもらっているぞ」
「なら問題ないですね、ちなみに魔力はどうやって貯めるんですか?」
「それは魔物の魔石を利用しようと思う、そのためには強力な魔物の魔石が必要になってくるんだ。だからシュンヤ達にはその魔物を討伐するのも手伝ってもらいたいと思う」
「もちろん良いですよ!強い魔物と戦うのは楽しいですからね!」
おお……バトルジャンキーじゃないか……
こちらとしては頼もしい限りだがな。
「ありがとう、じゃあそう言うことで進めよう」
まずは……
「じゃあまずは食料を集めて来てくれ、俺はその間に左腕を直しておくから」
「了解です、たくさんに獲って来ますよ!」
それに続き「任せてください」とセリナさん達が続く。
「はは、頼もしい限りだよ」
「あ、そうだ。誰か一人手先が器用な人が残ってくれないか?一人じゃちょっと複雑な作業が大変でな」
「ならば妾が残ろう」
そう言って名乗り出たのはゴスロリ幼女ことサナさんだった。
***
「今日は鹿とかの肉系をメインに獲って来ますね」
そう言って森の中にシュンヤ達三人が入って行く。
そしてその背中が見えなくなった頃……
「それで妾は何をすれば良いのじゃ?」
「お、おう、じゃあそこの盾の残骸を取ってくれ」
「分かった」
「あ、それ結構重いから気を……」
「大丈夫じゃ」
ヒョイと片手で持ち上げるサナさん、怪力だ……
「ああ、ありがとう」
そうしてサナさんと二人きりでの義手作りが始まった。
遅くなって申し訳ありません……
次回投稿は8/26とさせていただきます!
今度こそ予定通りに投稿します!
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作者のモチベが爆上がりします!




