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鎧の魔物奮闘記  作者: 晴れ甲羅
第一章 転生編
26/110

第二十六話〜どうしてこうなった!〜

遅くなってすいません……投下です!


***


『……い…て……さ………』


ん……?

なんだかうるさいな……


『おーい!起きてくださーい!』


「うおっ⁉︎そんな大きい声を出さないでくれよ!」


びっくりしたー!

心臓が止まるかと思ったぞ……

ていうか何回目だこのくだり……


「ここはどこだ?」


俺は転生者を倒して輝夜に預けてそのまま倒れ込んで……


『小屋ですよ、輝夜ちゃんが連れてきてくれたんですよ。あ、転生者達なら輝夜ちゃんの背中の上で拘束されていて、さっきまで喚いていましたが疲れたのか今は静かですよ』



「輝夜には感謝しないとな……」



『というかもう傷の方は……大丈夫なんですか?』


「大丈夫じゃないと思うがモルヒネがまだ効いているのかジンジンするくらいで済んでる、だけどモルヒネが切れたらと思うと……嫌だな」


『ああ、それは大丈夫ですよ。鎧で義手を作ってはめておけば大分痛みは和らぎますよ、そのためには金属が欲しいので転生者から「貰っちゃい」ましょう!』


おお……怖い怖い。


「そういえばケモミミ幼女はどこへ行ったんだ?」


『あ、そういえば途中からいませんでしたね……』


これは……マズいかもな。


***


重い体を引きずり、輝夜のと転生者達がいるところに行くと、案の定転生者達が喚き出した。


「おい!早く解放しろ!」


「こんなことが許されると思っているのですか!このど変態!鬼畜!」


「死ね!この薄汚い魔物風情が!クソ変態野郎!」


あー、うるさい。

それにしても……


(なんでこいつら、全裸なんだ?)


『あー、輝夜ちゃんが剥いてましたね。恐らく、危険物があったらまずいですからね』


そういうことか、それにしても……

際どいなぁ……


と、そんなこと置いといて。


「おい、お前らあの獣人の女の子はどこへ行ったんだ」


「は?獣人の女の子だと?何を言っているんだ?」


「そうですよ!私たちは四人だけです!」


「アンタ、頭沸いてんじゃないの?」


「妾達は四人だぞ?」


と、転生者達は言っているが……

こっちこそ「は?」と言いたいんだが。


(なあシージア、こいつら嘘をついてるようには見えないんだがどういうことだ?)


『……ヤバイですね、あの女の子は使徒だった可能性が高いですよ』


(使徒?まーた厨二フレーズが飛び出してきたぞ)


『使徒とは神々の使いです。目となり耳となり、神々に情報を伝えます』


(まじかよ……)


『まあ今は知られたところでどうもないんですけどね。輝夜ちゃんも本気を出してないですから』


(じゃあ良いや、今は転生者達から話を聞かないとな)


『そうですね。まずはなぜここに来たのか聞いてみましょう』


いまだにギャアギャア喚いている転生者達の鼻先に棍棒を振り、掠らせる。


「「「ヒッ⁉︎」」」


「黙って俺の質問の時だけ喋れぇ!」


すると転生者達は黙ってコクコクと首を縦に振るだけだ。

だがゴスロリの女の子だけはビビらず目を開いたままこちらを睨みつけている。

根性あるな、俺だったらこんな真似は出来ない。


「一人だ!一人だけで良い!そうだな……シュンヤ、お前が喋れ!わかったなら返事ぃ!」


「はいぃ!」


「じゃあ質問するが、お前らはなんでここに来たんだ?神のお告げとやらか?」


「そうだ、神様が俺らの頭の中に『ある所に、特別に邪悪な魔物が居ます、それをあなた達に討伐して欲しいのです』って送られてきたんだ」


「じゃあなんでその情報が間違っているかもしれないと疑いもせず、調べなかったんだ?」


「だって俺ら全員に同時に来たんだ、神のお告げとしか思えないだろ?」


こいつら、神を全面的に信じてやがるな……

しかも俺がシージアを信じているような関係では無い。

もっと適当な、投げやりなものだ。


「俺は村を襲ったりしていない、それはわかるだろ?この近くには村があった形跡など何も無いんだからな。もし焼いたとしても焼き跡くらいは残るし、もっと燃え広がってこの森が大火事になってるはずだろ?」


「確かに……」


「お前らはちゃんと調べることもせず、俺を殺しにここに来たんだ。そのことについて何かないのか?」


「ああ……本当に済まなかった……」


『あれ、意外に素直ですね。実は案外ただの馬鹿なのかもしれませんね』


(だからと言ってこのまま帰すつもりはさらさらないけどな)


「そう思うなら俺にありったけの物資を渡して俺の手伝いをしてもらえるか?お前が俺の左腕を吹き飛ばしたせいで日常生活が大変になりそうなんだよ」


残っている罠もあるから撤去しないといけないしな。


『うわ……ありったけって……』


(なんだよ、別に良いだろ?俺は殺されかけた側なんだし)


まあ流石にこの条件を飲むとは思って無いしな。


「ああ……わかった」


「ああ、そりゃ手伝うなんて……は?」


あ、こいつただのアホだわ。


「でも他の奴らは反対……してないみたいだな」


全員馬鹿だったのか……まあそりゃそうだよな。

誰か一人でもアホじゃなければここに来ないだろうからな……


でもこれが演技だという可能性が……


『うーむ、本物のアホですね……誰も嘘をついていませんよ』


まじか……

なら解放してやるか。

もう怒りを通り越して呆れだよ……


「輝夜、解放してやってくれ。お前らの寝るところは今の所ないから野宿をしておいてくれ。あと食べ物もないから自分で採ってこいよ。あ、逃げようなんて馬鹿なことは考えるなよ?マーカーをつけているから逃げようとしてもバレるぞ?」


もちろんそんなものは付いて無い。

だけどこいつらはアホだからこれで大丈夫だろう。


「あ、あと風呂とか用を足すのはそこの川で━━━━━━」


「あ、あの……」


「ん?どうした?」


「服を返して下さい……」


「あ、完全に忘れてた……すまんな……特に女性陣……」


そんなこんなで転生者達との奇妙な共同生活が始まるのだった。


ただ、一つ言いたい。


「どうしてこうなったぁぁぁ!」


物資だけもらって帰すつもりだったのに……



どうだったでしょう?

作者としても「どうしてこうなった!」と叫びたい気分であります……

次回投稿は明日の予定です!

(明日と言っても今日ですが……多分)

感想や評価、誤字報告を頂けると作者のモチベーションがもんのすごく上がります!

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― 新着の感想 ―
[良い点] サクサク読めて、設定なども斬新でとても面白いです! 最新話まで一気に読めました。 [気になる点] 主人公が顔を川で確認するシーンについて、シージアがこっち向いてくださいとあって、主人公がシ…
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