第十話〜ドラゴンなんてただのでっかいトカゲですよ〜
エタってません!
見捨てないで下さい!
「うん、洞穴なんてそう都合よくあるわけないよな」
そうだ、よく考えないでも砂漠の中に穴があったらすぐに砂で埋まるに決まってるよな……
『じゃあ先に腹ごしらえといきましょうか。腹が減っては戦は出来ぬと言いますしね』
「お、そうしようか。そういえばトカゲがいるとか言ってたよな」
どのくらいの大きさなんだろう。やっぱり食べ応えがあるサイズがいいなぁ
『じゃああの谷にいきましょうか。大きいトカゲがいっぱいいるはずですよ』
「お、そんなにトカゲがいるのか。今日の飯はトカゲ三昧だな」
焼きトカゲにしたいけど燃料がないから無理そうだ。
そういえばトカゲはめっちゃ美味いって聞いたことがあるから楽しみだなぁ。
***
ゴオオォォォ……
「なぁ、シージア」
『どうしたんですか?』
「あのトカゲってどのくらいの大きさなんだ?大きいのはわかるんだがこの谷の深さからすると大きすぎる気がするんだが……気のせいだよな、魔物になったから目が良くなったんだよな?」
そうだ、そのはずだ。
じゃないとあの大きさは……
『大体五メートルくらいですね』
「やっぱりな!ていうか五メートルもあるトカゲなんてもはやドラゴンじゃねぇか!」
よく見たら鱗とかめっちゃゴツゴツしてるし!
『まずドラゴン自体がでっかいトカゲなのであながち間違いではありませんね』
「で、あいつらをどうやって狩るんだ?流石にあんなやつと戦って勝つ自信なんてないぞ」
『この崖から飛び降りて押し潰すんですよ』
え?
「今、この崖から飛び降りるって言ったのか?ちょっと非現実的じゃないか?ていうかそんな事やりたくないぞ、俺は」
『あのトカゲ、名前はグルーズルチェルトラというのですが昔からあのグルーズルチェルトラを狩るときには谷から岩を落として押しつぶすのが一般的な狩の仕方なんですよ。なのでその岩の代わりに貴方自身が落ちたら良いんじゃないかと考えたんですよ。だって貴方の今の総重量は優に百五十キロを超えてますからね』
「俺ってそんなに重かったんだな…と、まあそれは置いておくとして飛び降りて死なないのか?」
『いや、流石に死にはしませんよ。ですが的を外したらかなりの衝撃がきますよ』
「ちょっと怖いな……」
『まあ死にはしないんですしやっちゃいましょう!』
「でもどうやってそんな大きいトカゲを上に引きずりあげるんだ?あの巨体だと千キロくらいありそうなんだが」
あのトカゲを持って上に上がるのはほぼほぼ不可能じゃないか?
『ああ、それはですね普通は綱を使って引き上げるのですがこの谷は端の方がなだらかになっているのでそこから引き上げられるはずです』
「分かったよ……でも怖いな」
『じゃあ怖くなくなる魔法をかけてあげましょうか?』
「怖くなくなる魔法?そんな物があるなら是非ともかけてくれ」
『了解です、じゃあかけますよー。三、二、一、はい』
お、なんだかテンションが上がってきたぞ。
「一体どんな魔法をかけたんだ?」
『ああ、メタンフェタミン生成術式ですよ』
ん?メタンフェタミン?どっかで聞いた事があるようなないような……
「ってヒロポンじゃねぇか!なんてことしてくれてんだ!」
『まぁまぁ、落ち着いて下さい。ヒロポンは身体に害があるからダメなわけであって貴方は魔物なのでそういう中毒性だとかが現れないんですよ。便利ですね!魔物の身体って!』
「そうなのか…まぁ細かいことはいいや。早く跳ぼう」
『おお、早速効果が出てますね。じゃあ効果が切れない内に跳んじゃいましょうか』
「そうだな」
『じゃああの真下に見えるやつを狩りましょうか』
「分かった、じゃあ跳ぶぞ」
『ちゃんと狙いを合わせて下さいよ』
「分かってるよ。じゃあ行くぞ、三、二、一、はい!」
おおおおお!物凄い浮遊感だ!
そして━━━━━━━
ズドガッ!
轟音と共に足に響く衝撃。
「お、成功したのか?」
『おお!凄いじゃないですか!頭部に直撃していますよ!』
「やった!……けどコイツ、なんかデカくないか?」
『そうですね…大体七メートルくらいありますよ。このサイズは中々居ませんよ』
「でもこんな量を食べ切れる気がしないんだが……」
これは今の俺の身体がデカイと言っても腐るまでには食べ切れないぞ。
でも肉は腐る直前が美味いっていうしなぁ……
『ああ、それは干し肉にしちゃいましょうか。血抜きをして塩漬けにしたいところですが、塩が見つかる可能性は低いのでそのまま干す感じになりますかね』
干し肉か…美味しそうだな
「じゃあ上に持って行こうか。でもこのトカゲを普通に持っていける気がしないんだが」
ぱっと見でも大体千二百キロくらいありそうだし、どう考えても無理そうだ。
『バラして持っていきましょうか』
「ああ、その手があったか」
なんでだろう、解体するという選択肢はすっかり頭から抜け落ちていた。
もっと頭を柔らかくしておかないとな。
『じゃあまずはソイツをひっくり返して下さい』
「よいしょっと」
ゴロン。
腹は白くて柔らかそうな色だな
『お腹側の皮は断熱性と耐熱性に優れていますので、砂漠ではマントや日除として重宝されますね』
「へぇ〜、便利なんだな」
じゃあ俺も利用させてもらうとするかな。
『じゃあまずはバラしちゃいましょうか。まずはその白い皮になっている際のところにナイフを入れて下さい、そうすると軽く切れるはずです』
皮の境目か、ここだな。
スッ…
「おお、めっちゃ軽く切れるな」
『でしょう?それからその切れ目から内臓を取り出したいきましょう』
内臓か…仕方ない
覚悟を決めて一気に手を入れる
「うへぇ、なんかズルッとしてヌチャッって感じがする……」
『そんなこと実況しなくていいんですよ!』
「で、この内臓はどうするんだ?」
『その辺にでも捨てておけばいいんじゃないですか?そうすればハゲワシみたいなのが食べてくれるでしょう』
ハゲワシか、やっぱりこの世界にもスカベンジャーはいるんだな
「じゃあ次は手足をバラしていくのか?」
『そうですね、コツとしては身体強化が切れた今は骨とかも脆くなっている筈なので骨は叩き折ってしまいましょうか』
「え、身体強化って骨が脆くなるのか?」
それならデメリットがめっちゃでかいじゃないか、身体強化
『脆くなるというよりかは「強くならない」と言った方が適切かもしれませんね。身体強化をずっと使い続ける事によって元の身体機能が上がらないんですよ。その点、貴方は緊急時しか身体強化を使用していないので大丈夫ですね』
「おお、良かった…でも俺自身は身体強化を使っている気はないんだが」
ボキッ
『ここから飛び降りる時も使用していましたよ。だっていくらトカゲをクッションにしたからって普通は無事では済みませんよ』
ゴキッ
「確かにそうだな。じゃあ力んだ時に身体強化を無意識で使っているという事なのかな?」
メキッ
『そういう事だと考えられますね。なのでその感覚を掴めば身体強化を自由自在に使えるようになると思われますね』
バキッ
「身体強化を自由自在に使えるようになったら便利だろうな」
『そうですね…っていうかさっきからゴキゴキどうしたんですか?』
「ああ、トカゲの足の付け根の関節を折り取ってるんだよ」
『ええ⁉︎身体強化も使わずにですか⁉︎』
「いや、かなり硬かったぞ?全力で叩かないと折れなさそうだったし」
『いやいやいや、貴方って素の筋力が桁違いですね……』
お、そんなに強いのか
まぁシュワちゃんみたいな背格好だしな
「じゃあ俺TUEEEEEみたいな事ができるのか?」
それならめっちゃ嬉しいんだが
『いや、無理ですよ?だって身体強化を自由に使えない時点で弱いですよ。そのままだとせいぜい並の冒険者が身体強化を使ったよりより少し弱いくらいの力しかないですよ』
「ええ…身体強化を習得しないとそんなに不利なのか。ていうかやっぱり冒険者っているのか?」
これはもう冒険者になるしかないだろう、魔物だけど
『ああ、まだカルシカ連合では冒険者はありますよ。流石にフォルツ共和国レベルになってくると冒険者とかはありませんけどね』
「じゃあ第一目標は冒険者になる事だな!」
『第一目標は森の小屋に戻る事ですよ』
「はい…すいません。でもその後に!」
『その前にこの世界の言葉を覚えましょうね』
「はい……」
『じゃあ運んでいきましょうか!』
「はい……」
遅れて申し訳ありません………
投稿したと思っていたんですが出来ていませんでした……はい、自分のミスのせいでお待たせしてしまい申し訳ありません……
今後はこのようなことがないように致します……




