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幼馴染み姉妹は僕に何を思う  作者: 佐古昭博
9/19

三人で出かけよう!

遅くなりました

 さて僕は家に帰ると、凛が玄関で顔を顰めて仁王立ちになっていた。


「ちょっと! 一体どういうことよ」

「何が?」

「ねーさんに聞いてみれば、峰岸さんとデートしていたらしいじゃない」

「だから?」

「だから? はぁ!? 私達を差し置いて他の女とデートするなんていい度胸ね」

「なんでお前がそんなに怒ってんだよ?」

「それは……だって……。と、とにかく私達ともデートしなさい!!」


(流石双子。同じ事を言うなぁ)


「じゃあ、明日行くか?」

「えっ!? 明日? き、急に誘われても困るわっ」

「あ、じゃあ別にいいや」

「行く! 行きます! 行くからそんな冷たいこというなよ!」

「分かった、明日な」


 凛は何か不満そうにぶつぶつ言いながら玄関から去ったが、僕は特に気にせず買った本を読みふけった。


 日曜日。

 部活は休みだから、僕と凛はゆっくりめに朝を起きて四人で朝食を食べた。

 そして僕は服を着替えて玄関で待つ。しばらくすると二人が嬉しそうにやって来た。


「お待たせ連ちゃん(連)」


 二人はシンクロするように言ったので、二人して


「えっ!?」


 とびっくりしていた。


※しばらく双子は重なって喋ります。( )内は凛です。


「どういうこと(だ)連ちゃん(連)! なんで凛( ねーさん)が一緒なの(んだ)!?」

「あれ? 言ってなかったっけ? 今日は三人で出かけるんだぞ」

「えっ!?」


 二人は同時に反応し、少し俯いた。


「あれ? そんなに三人で行くの嫌だったか?」

「いやいや、そんなことないけど……」


 二人はお互いを見た。


「凛。今日は友達との用事はないの?」

「ねーさんこそ、模試の勉強しなくていいのか?」

「偶には息抜きも必要よ」

「私だって空いている時間くらいあるわ!」

「喧嘩するなら、辞めるか?」

「行きましょう(行こう)」


※シンクロ終わり


 藍は白のシャツにジージャンを羽織り、白のひらひらのミニスカートを履いていた。

 一方凛は黒シャツに白の上着を羽織り、ジーパンを履いていた。

 凛は兎も角、藍は可愛らしいかった。

(僕にはやっぱり勿体ない相手かも知れない……)

 可愛いあまり自分と比べて少し悲観的になってしまった。


「ねーさん。いやにあざとい服ね」

「そうかしら? どう連ちゃん?」

「う、うん。悪くないかな?」

「そ、そう」

「……。ちょっと待ってて」


 凛はそう行って、一旦家に入った。

 10分後。


「お、お待たせ……」

 

 少し急いで着替えたのだろう。ぜえぜえと言っていた。そして僕はびっくりした。

 黒の帽子を被り、襟のある白シャツに黒い生地の白い雨玉模様のタイトなミニスカートを履いており、僕はつい見惚れてしまった。


「ど、どうだ連?」

「え!? う、うん悪くないんじゃないか?」


 そうしたら藍が黙っていたので、藍の反応が気になって見たら、なぜかぷーっとむくれていた。

 僕は彼女の表情に困惑したが、それはそれで可愛いなと和んでしまった。


「そ、そうだ! 何処に行くんだ?」

「え、私に聞かれてもっ」

「私が計画立ててるわ」

「あっ、ねーさんが?」

「えぇ、まぁ」

「それで?」

「まずは神社、お寺散歩」

「うん」

「……」

「昼ご飯は喫茶店」

「それで?」

「……」

「最後はボウリングよ」

「ほう、それはなかなか」


 僕がそれに賛同していると、彼女は嬉しそうだった。

 僕は神社、お寺巡りが好きだから計画に入れてくれたのか。

 流石は藍だ。よく分かっている。

 僕は素直に喜んだが、凛が不服そうだ。無理もない。凛は神社仏閣と言ったじじいくさい所が嫌いだ。


「じゃあさ、後一つだけ付け加えてよ」

「何処?」

「カラオケ」

「分かったわ」

「時間配分は大丈夫かい?」

「うーん。少しきついわね」

「じゃあ、神社と寺は無理に行かなくていいよ」

「え、でも……」

「三人で楽しもう」


 藍はキッと凛を睨み、凛は目を背けた。だから僕は二人の仲裁に入った。

 藍が行きたい喫茶店の近くのカラオケ店という条件で、午前はカラオケをすることにした。

 僕は80~90年代の曲。

 藍と凛は00~10年代の曲を歌う。

 二人は歌うのは上手く、デュエットの曲も得意だ。

 流石は双子といった所か。

 僕の歌唱力は可もなく不可もなくといった所だ。

 僕はどちらかと言うと、盛り上げ役である。

 だから彼女達が歌う時は、タンバリンを叩いて盛り上げる。

 けど本当は歌いたい……。

 そして流石に3時間も歌ったりすると疲れてくるな。 


「そろそろ昼ご飯食べに行きましょうよ」

「何処にあるの?」

「ここから歩いて10分の所にある喫茶店よ」

「近いな」


 そして僕達は歩いて喫茶店に向かった。

 店に入り、それぞれ食べ物を注文する。


「僕はランチセットと飲み物はオレンジジュースで」

「ぷっ、高校生にもなってオレンジジュースだって。相変わらずの子供舌ねっ」

「うるさいなぁ」

「分かってないわね凛。そこが可愛いいんじゃない」


 僕は可愛いと言われるのはあまり好きではない。

 男が可愛いというのに違和感があるからだ。

 格好いいと可愛いは対局の言葉である。

 男はどちらかと言うと格好いいと言われる方が喜ぶ生き物だ。

 まぁ僕は別に格好いいと言われるのが嬉しい訳ではないのだが……。

 しかし好きな人に可愛いと言われるのは悪くなかったりするな。

 そうこうしていると、時間は14時くらいになった。

 そしてボウリング場に行って、同じレーンでボウリングを行った。

 二人は美人な上、可愛い服装を着ているから周りに目立つ。そして周りの男子の僕への目線が冷たい。

(はぁ、またか) 

 僕は気にしないようにして、二人とボウリングを始めた。

 藍は周りの目を気にして、スカートを気にしながらゲームをしたから、結果は82点だった。


「あちゃーっ」

「どんまいっ」


 僕は普通にやって76点だった。

(こういう時、スポーツの得手不得手が出て来るな)

一方、凛は流石スポーツは万能だけあって、240点代を叩き出した。

「おお、流石凛」

「ふっ」


 凛の奴は澄ました顔をしたので、少し腹が立った。


 そして帰り道。僕達はいつもの様に和気あいあいと話していたが、二人はなぜか少しだけ不満そうだった。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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