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幼馴染み姉妹は僕に何を思う  作者: 佐古昭博
7/19

宣戦布告

日間で99位に入りました!(2/18現在)

ひとえに読者様のお陰です。

「峰岸さんからだ」

「えっ!?」

「えっ!?」

「どういうこと連ちゃん! 彼女とline始めたの!?」

「えっ? あっ、うん」

「どうしてだよ?」

「それは……」


 そう、この土曜日に峰岸さんと一緒に本屋さんへ行く予定なのだ。

 しかし、好きな人()の前では何となく言いにくい……。


「まぁ、本の話しをする為かな?」


 僕は、はぐらかす様に言うと、二人は俯いて黙ってしまった。


「ま、まぁ共通の話題が出来る()()を持つことは大事だからね、凛?」

「けどなんでそれが異性なんだよ?」

「ん?」

「同性で十分だろ? 異性だと恋愛に発展する可能性があるだろ?」


 僕はギクッとなった。そしてふと峰岸さんの言葉を思い出す。


 ……貴方のことが好き

 ……現実的な恋愛をしたい


 僕は少し俯いて黙ってしまった。

 無理もない。彼女とは恋愛を前提にお互いを知り合う関係になったからだ。


「連?」

「連ちゃん?」

「なんで黙っているのよ!? まさかもう峰岸さんのこと好きなんじゃ!?」

「まさか!? まだだよ!」

()()……なんだ」

「……」


 しまった。つい口を滑らせた。“まだ”なんて言ってしまったら、まるでこれから好きになるみたいじゃないか!

 空気が重い。

 僕はこの空気に耐えきれず、本を読み始めた。


 翌朝。

(今回もあまり眠れなかった……)

 緊張して眠れなかったのではない。

 藍と凛がその後一言も喋らなくなったからだ。

 気まずい空気のまま、二人は無言で風呂に入り、無言でベッドに入った。

 僕は二人の無言の圧が気になって、なかなか眠れなかった。

 おそるおそるベッドの方を見るとまだ凛だけ寝ていた。

(藍ちゃんは料理作ってるのかな?)

 僕は下に降りると、母さんと仲良く料理を作っていた。

(なんだ。僕の思い過ごしか)

 ほっとして、二人に挨拶をした。


「おはよう」


 母さんは普通に挨拶してくれたが、藍はぴくっとした後にこやかにおはようと言った。

 目が笑ってないんですけど。

 怖い。

 藍はなぜか昨日のことを引きずっている様だ。

 なんでだろう?

 しばらくすると、制服に着替えた凛が降りてきて、皆で静かに朝ご飯を食べた。

 そして僕も制服に着替え、僕達は家を出た。

 まだ無言の状態で登校する。

(気まずい……)

 と思っていたが、急に二人は僕を挟むように密着してきた!

(えっ、え!?)

 と戸惑い、二人の柔らかい胸が当たる。二人とも巨乳ではないが、そこそこ胸がある。

 こ、これはまずい!!

 下半身が疼く!

 ドキドキして体が硬直しながら歩く。

 幼馴染みとはいえ、体は正直に反応する。しかも好きな子の胸だと尚更だ。

 少し前屈みになる。


「どうしたの連ちゃん? お腹痛いの?」


 藍は本当に心配そうに言う。貴女達のお胸のせいなんですが……。


「だ、大丈夫。お腹はいけるよ」

「そう。それなら良かったわ」


 こうして学校の近くになり、二人から離れようとした。したが、あれ!? 二人が離れてくれない!?


「ちょ、ちょっと二人とも! これじゃあ、動けないじゃないか!!」

「これで良いの! 連ちゃん」

「そうよ連! これで良いの!」

「え、だって、これじゃあ」


 そう、これだと周りから僕達はかなり仲の良い幼馴染みとバレてしまう。

 そうなってしまえば、僕は中学の時みたいにまた虐めが……。

 僕は無理矢理二人の腕を払いのけようとしたが動かない。


「な、何を企んでいるんだ。二人共!?」


 二人は黙ったままだった。僕達はそのまま学校に行った。

 周りは騒然とした。当然だ。学校で存在感の薄い地味男子が学年トップの美少女二人に挟まれているのだから。

 僕は頭真っ白になりながら、二人にクラスへ連れられ、僕を席に座らせた。

 僕は席で意気消沈していた。

 そしてクラスどころかうちの学年で3人の関係性がすぐ噂として流れた。

 ショックを受ける者あり、憤る者もいた。

 しかし次の言葉だけは事実として二人が意図的に流した。


『私達の大切な人を傷つけたら、私達が許さないから』


 これは学年にかなり浸透し、僕の前で舌打ちをする者はいても嫌がらせをする者はいなかった。

 けど僕達が仲の良い幼馴染みの関係と分かると、逆に二人がフリーであることも学年中に広がり、それにより告白する人が少し増えたそうだ。


 そして昼休み。峰岸さんと会話をしていると、


「仲の良い()()()()がいて良いわね」

「うん。僕も幸せだよ」

「私はいないから」

「親同士の仲も良いんだ」

「……そうなんだ」

「とはいえ幼馴染みって言ってもあの二人くらいしかいないけど」

「伊坂さん達は学年一の美少女姉妹だから貴方とは大分キャラのイメージが違うわね」

「まあな」

「普通の男子からすると、恋愛する相手としては高嶺の花よね~」

「……」

「そうだ! 土曜日楽しみにしといてね」

「う、うん」

「私と居たら落ち着くと思うから」

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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