連の思い
済みません
なかなか良い展開が浮かばず修正しまくりです。
いかがでしょうか?
金曜日。
三人で登校しているが、やはり藍はいつもより少ししょげている。
朝ご飯を作る時も小さなミスを連発していた。
「ねーさん。元気ないなぁ。どうした?」
「いや、別になんでもないわ!」
「はぁ。双子の妹に嘘ついたってすぐバレるよ」
「うっ……」
「そうだよ。藍ちゃん。何があったの?」
「実は……」
「え? グループの中が気まずい?」
「うん」
「そっかぁ。どうしてだろうね」
「それは……」
僕の方をチラッと見ながら首を振った。
「品行方正なねーさんがねぇ」
「凛。結構難しい言葉を知ってるな」
「馬鹿にするな。少しは知っているぞ!」
「ははは」
「あはは」
「……」
まぁ、凛は置いておいて、藍が心配だ。おそらく学校に原因があるな。
だから僕は藍及びそのグループを観察することにした。
学校に着くと、藍はいつものように女友達に声をかけられ挨拶して、グループの中に入ったが、少し気を使っているように見えた。
いつも仲の良いグループなのに、確かに何か距離感を感じる。
そして昼休み凛とご飯を食べる。
「ん? グループ仲間と気まずい感じになった時?」
「うん」
「そうだな~。あんまり私のグループではそんなのないからなぁ」
「そうか……」
「あぁ。……ねーさんの話か」
「うん」
「……ったく。ねーさんには優しいんだから」
「えっ? 何て?」
「なんでもない! 兎に角確かに気になるな」
「だろ? グループ内で距離感が出来る時ってどんな時だ?」
「うーん。まぁ、惚れた腫れたの話じゃないか?」
「えっ!? 藍ちゃんに?」
「そりゃあ、ねーさんにもそういう話はあるだろうさ?」
「で、でもそれはいままでだってあっただろ? 振るなんて話は山程……」
「ねーさんに好きな相手が居たとしたら?」
「えっ!?」
その可能性を考えてない訳ではなかったが、一番考えたくなかった内容だ。
──藍ちゃんに好きな人が?
僕は動揺した。そんな話聞いたことないぞ。けど、居て当たり前か。高校生にもなれば恋をする。そんな当たり前を僕は頭の中で否定していた。
誰だろうか? 藍ちゃんの好きな人……。
「まっ、ねーさんが元気ないところを見ると、グループには未練があるということだ」
「当たり前だろ? 友達なんだから」
「……まぁ、恋と人間関係を維持するのは難しいな」
「えっ? 何て?」
「何でもない。ねーさんのことが気になるなら、行ってきなさいよ」
「でも、凛を置いていく訳には……」
「私のことはいいから。今はねーさんのことを気にしなさい」
「あぁ。ありがとう。凛!」
「ったく」
こうして僕は教室に向かった。無我夢中だった。
彼女の為に出来る事をしようと思った。
一体僕に何が出来る。
ただの幼馴染みとして……。
いや、仲の良い幼馴染みとして藍の為に……。
彼女はグループの友達と話していた。
「あの!」
「れ、連ちゃん!? どうしたの?」
「藍ちゃんといままで通り仲良くしてもらえないでしょうか?」
僕は彼等に精一杯頭を下げた。これぐらいしか幼馴染みとして出来ない。
「……君は原因を知った上で言っているのかい?」
このグループの秀才の一人、田中君が言った。
「えっ、いやその……」
「まったく。原因も知らずに言われても困る。単に腹が立つだけだ」
「それでも、それでも……」
──僕は、
「お願いです。大切な幼馴染みが困っているところを見過ごす訳には参りません」
「連ちゃん……」
「……」
「どうか何卒。お願いします」
「……君が」
「?」
「君が原因なんだぞ!」
「えっ?」
「伊坂君が君のことに心酔するから、我々との距離が生まれ疎遠になったのだ!」
「えっ? 僕の……せい?」
藍の方を見たら、藍は何も言わなかった。
そうか……僕が原因だったのか……。
確かに思い当たる節はある。
最近彼女はグループよりも僕ばかりに干渉してくる。
友達関係は時が少なくなれば、疎遠になり易くなる。
当たり前の話だ。
まだ浅い関係なんだろう。深ければそんなことはなかなか起こらないはずなのだが。
となれば、話しは簡単だ。僕と藍との距離を離せば……。
とその時、僕の脳裏にいままでの藍が僕に呼びかける声が響く。
「連ちゃん!」
「連ちゃん……」
「連ちゃんっ」
それに今僕の家に……。
そして藍の方を見ると、不安そうに僕を見ていた。
「分かりました」
僕は躊躇わず言った。
つまり藍を彼女のグループから疎遠にさせず、僕が藍の近くにいる方法。それは……。
「僕は藍ちゃんのことを大切に思っています。命にも代え難い存在です。だから貴方達も彼女のことをもう少し大切に思い、信用してくれませんか?」
僕の藍への気持ちを周りに伝え、彼等に彼女のことを信じてもらうことだった。
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