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幼馴染み姉妹は僕に何を思う  作者: 佐古昭博
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久しぶりの勉強会

 月曜日。小テストを終え、あまり問題が解けなかったので僕は家に帰って凹んだ。

 これは流石にまずい! 母さんに叱られてしまう!

 僕はどうしようかと悩んでいたら藍が僕に話しかけてきた。


「どうしたの連ちゃん? 調子でも悪いの?」

「あ、いや大丈夫……」

「嘘! 大丈夫な顔じゃないわ。私に出来ることなら何でも言って」

「……実は……」


 僕は藍に小テストの話をした。


「あぁ、誰かに勉強を教えてほしいのね」

「まぁ、そうなのかな」

「あのさっ、私が教えてあげよっか?」

「えっ? 藍ちゃんが?」

「うん」

「でも……」

「嫌……かしら?」

「まさか! いやじゃないよ!! 寧ろ嬉し……いや、有難いよ」

「そ、そう?」


 こうして僕は彼女から勉強を教わることにした。

(何年ぶりだろうか? 小学校高学年以来か?)

 とふと昔の記憶がよぎった。


「違うわ、連ちゃん。ここはかけ算を使うのよ」

「えー、分かんないやーっ」

「いい? 算数はしっかり考えないと!」

「ねーさん。眠い」

「こら、凛起きなさい」

「僕も眠くなってきた」

「もー、二人して~っ」

「藍ちゃんは勉強楽しいの?」

「えぇ。好きよ」

「ねーさんはやっぱり変だなぁ」

「あんたほどじゃないわ」

「ぷっ」

「何よ、連ちゃん?」

「双子なのにそこは違うのかな?」

「連ちゃん(連)!?」


 僕は思い出しふっと笑う。

 昔からほとんど変わらないなぁ。

 ただあの時は藍のことを異性として好きだなんて思ったことなかったけど。

 

「どうしたの? 連ちゃん?」

「いや、少し昔のことを思い出てな」

「もう、もう少し勉強に集中してよ」

「はいはい」

「ここはこうなるからこうよ。分かる?」

「うーん。何となく」

「微分は覚えるしかないところが多少あるから」

「そうだな」

「ほら。手を動かして」

「うん」

「一応言っとくけど数学は理解も大切だから」

「うん」

「数学はしっかり考えないと」

「分かってるよ」

「分かっていたら、もう少し問題が解けているわ」

「あー、分かんねー」

「もう」

「……何かご褒美があったら、やる気が出るのに」

「えっ?」

「ご褒美が欲しい」

「え~っ。貴方の為に教えてあげるのにーっ!?」

「頼むよ。藍ちゃん」

「……何が欲しいの?」

「うーん」

「……」

「一日僕のメイドさんになるとか」

「えーーっ。そっち!?」

「そっち?」

「あっ、いや何でもないわ」

「ダメ……かな?」

「!! うーん……」

「……」

「分かったわ。やってあげる」

「やたー」

「ほら、問題を解いて」

「はーい」


 そして凛が帰ってきた。


「どうしたんだ? 二人で勉強なんかして?」

「連ちゃん。小テストの点数良くなかったんですって」

「母さんに叱られるから」

「勉強なんて赤点取らなきゃいいのよ。阿坂家は厳しいのね」

「はぁ。駄目な妹ね」

「ん? 何か言ったかねーさん?」

「別に」


 そして勉強を終えたので、いつもの様に三人でダベった。


「まったく。相変わらず連は私達がいないと駄目なんだから」

「そうかな?」

「ふふ。連ちゃんは少しぬけているところあるから」

「うるさいなぁ」

「連は本当に小さい時から要領悪いからな」

「そうね。それは変わらないわ」

「私達が助けないといけないわ」

「連ちゃんが苦手なことを私達が補わないと駄目なんだからしっかりしないとね」


 全く、二人は余計なことを言うな。

 けどお互いを言い合える関係。そしてお互いに楽で居られる関係。

 この関係がいつまでも続いたら良いなあ。

 僕はふとそう心の中で思った。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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