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第十六話「部活の勧誘」

 入学三日目の朝もナナが迎えに来たから途中まで一緒に登校した。


 昨日早めに寝たので、今日は頭痛もなく、体調は良好、天気も相変わらずの晴れで、青空だった。


 もちろん今日も自転車で坂道を登ることはできなかった。


 さすがに三日では無理だった……ていうか、ナナと一緒に登校して、途中まで歩いているうちは、永遠に無理なんじゃないだろうか?


 しかし、厚意で迎えに来てくれているナナに「自転車で坂道を登れるようになりたいから、迎えに来なくていいよ」などと言えるわけもなく……






「ああ、サトシ様。真剣に勉学に励むサトシ様の姿。素敵ですわ。かっこいいですわ」


「あの、お嬢。授業中は前向いた方がいいと思うんだけど……」


 今日も、真面目に勉強しようとしている俺の邪魔をするのはクレナお嬢だった。


 クレナお嬢は、授業中だというのに、特注の椅子に後ろ向きに座り、背もたれに両腕を置き、トレードマークのドリルを揺らしながら、キラキラ輝いた目で、俺のことを見つめている。


 そんなクレナお嬢のことを、中年の男性数学教師は見て見ぬふりをしていた。注意してクビが飛ぶぐらいなら、黙認した方がよいという、大人の判断だろう。オトナのね……


 初めて会った時は「お嬢様とお呼び」みたいなことを言っていたはずのクレナお嬢だが、今日の俺が「お嬢」と呼んでも、(とが)めてくることはなかった。


 まさに「恋はマジック」と言ったところか、あな恐ろしや……


「ご安心ください、サトシ様。本来、特進クラスにいるべきわたくしにとって、この程度の授業はとっくの昔に履修済みで、わざわざもう一度聞く必要などないのですわ」


「ああ、そうですか……でも、特進クラスにいるべきお嬢が、普通のクラスに入って大丈夫なの?」


「大丈夫って、何がですの?」


「いや、普通のクラスに入ったことによって、本来受けられるはずだった高度な授業を受けられないわけじゃん。それってまずいんじゃあないかなぁって思って……」


「ご心配には及びません。わたくし、家で毎日、家庭教師に、特進クラスで受ける以上の高度な学問を教わっておりますので。特進クラスの授業ですら、わたくしにはあくびが出るほど退屈なものなのですわ」


「ああ、そうですか……」


 やっぱりすごいんだな、金持ちって……そして、このクレナお嬢、非常識な言動とは裏腹に、相当頭脳明晰であるらしい。


 でなければ、貴族の娘とは友達になれまいぞ……まあ、自分で「頭いい」って言ってるだけだから鵜呑みにするのもどうかと思うが、少なくとも俺にはクレナお嬢が虚勢を張ったり、嘘をついたりしているようには見えなかった。


 ウザい自慢話も、ただ「本当のことを言っているだけ」とも言えるのではないか……


「でもサトシ様。ご自分のことよりも、わたくしのことを心配してくださるなんて、お優しいんですのね。さすがは未来のヤマダ自動車の副社長ですわ」


 そんな、お嬢の頭の中では、俺と結婚する未来が確定しているようだった。


 ていうか、俺、副社長なのかよ……社長は自分がなるってことかい……うーん……


Hey(ヘイ) Kurena(クレナ)!」


 クレナお嬢は隣の席のロバータ卿に英語で話しかけられたので、椅子に座り直して、前を向いた。


 そして、ロバータ卿と英語で会話をしていたが、その内容を理解できるほどの英語力は俺にはなかった。


 俺に理解できるのは、ロバータ卿の天然金髪は、後ろの席から見てもとても美しいということだけだった。


 あまりの美しさに危うく触れてしまいそうになったが、もし本当に触れてしまったら、ジェームス・ボンドに撃ち抜かれる……いや、ボンドみたいなスパイ、実在してるわけないじゃないか……


 こんな余計なことを考え続けたせいで、体調が万全でも、やっぱり授業内容の大半は頭に入ってこなかったのだった。






「やあ、君、池川くんだったっけ?」


 休み時間、クレナお嬢とロバータ卿が連れ立ってトイレだかどっかに行ったスキをついて、自席に座る俺に話しかけてきたのは、一瞬だけ俺の前の席だったチャラ男の姉小路ミツグだった。


「そういう君は高橋貢くんだっけ?」


「違う! 姉小路(あねがこうじ)ミツグだ! 公家くげの子孫たる僕が高橋なんてありふれた名字なわけがないだろう!!」


「え? 秋元貢?」


「だから、姉小路ミツグだと言うておろうに!!」


 いちいちリアクションの大きい姉小路をいじるのは楽しいから、つい、いじってしまう。


「それでなんの用なの? 姉小路公知(あねがこうじきんとも)さん」


「ミツグだわ!!」


「で、なんの用なの? 姉小路ミツグくん」


「やっと名前を呼んでくれたか、池川くんよ……ところで君、野球に興味ないかい?」


「野球? そりゃ興味はあるけど……」


「そうか! だったら野球部に入らないかい!? 僕と一緒に甲子園を目指そうじゃないか!!」


「え? 甲子園?」


 そう言えば、自己紹介の時に「俺は野球部のエースで4番になる男」だのなんだのと豪語していたんだっけ、この男は。


「そう、甲子園だ!」


 この学園に通う生徒が背負わされた宿命なのかなんなのか、姉小路もまた声が大きかった。


「悪いけど、俺は野球部には入れないよ」


「何!? どうしてだ!?」


 姉小路はチャラそうな見た目に反して、昭和のスポ根アニメのような大げさな口調で話す男だった。


「だって俺、野球未経験者だもん。他のスポーツならともかく、野球で高校から始めて、甲子園出場しました、なんて人いるわけないじゃん」


 俺は正論をぶちまけて、野球部入部を拒否した。


 別に野球は嫌いじゃないし、好きなプロ野球チームもある。


 だからこそ、自分が野球をやっても補欠止まりだってことがわかっていたから、今までやってこなかったのだ。


 今さら始められるわけもない……


「そ、そうか……君は未経験者だったのか……それじゃあ、しょうがないな……」


 姉小路はわかりやすく意気消沈して、俺の席から離れていった。


 ていうか、新入生が勧誘しないといけないほど、うちの野球部って人手不足なんだろうか?


 まあ、この高校は進学校としては有名だが、なればこそ運動部はほぼすべて弱小で、野球部が人手不足なのもやむを得ないのかもしれない。


 そんな高校の野球部がどうやって甲子園に出場するっていうんだい? 21世紀枠でか? そこまで田舎じゃないだろ、防府市(ほうふし)は……


「あのー、池川くん……」


 姉小路が去ったあと、俺に話しかけてきたのはモエピだった。


 そう、アイドル志望だかなんだか知らんが、あの自己紹介の時に歌って踊っていたやべー奴である。


 たしかに見た目はかわいいけど、やべー奴はやべー奴である。


「な、なんでしょうか?」


 俺は警戒感を隠し切れず、つい敬語になってしまった。


「池川くんは、ダンスって興味ありますか?」


 俺が敬語でしゃべったからか、モエピも敬語だった。


「え? ダンス?」


「そう、ダンス。私、本気でアイドル目指してるから、創作ダンス部に入るつもりなんですけど、他に入りたいって子がいなくて、でも一人で入る勇気が出なくて……」


 いやいや、自己紹介で歌い踊るような人に「勇気が出ない」とか言われても説得力ゼロですぜ……


「誰か一緒に入ってくれる人、いないかなぁーって思って、お声がけしてみたんですけど、どうですか? ダンスに興味ありませんか?」


「ご、ごめんなさい。まったく興味ないです……」


「そ、そうですか……ごめんなさい、急に話しかけたりして……」


 昨日の押しの強さが嘘のように、モエピはすごすごと去っていった。


 それにしても、なぜに俺を誘ったのか?


 創作ダンス部って部員の大半、女子でしょ……ひょっとして昨日の自己紹介が女子に不評で、ハブられたりとかしているのだろうか?


 だとしたら可哀想だとは思うが、俺は「踊りたくない高校生」なので、創作ダンス部に入るだなんて到底無理なのだった。


 いくらかわいい女の子に頼まれても、無理なものは無理なのだ。


「いやー、池川くん、今日もモテモテですねー、うらやましいなー、このこのー」


 姉小路もモエピも去り、ようやく一人になった俺のことを、隣の席のパーラーがからかう。


「別にモテてるわけじゃないだろ」


「そうですか? はたから見てるとモテてるようにしか見えませんけど」


「ただ部活に誘われただけでモテてるってんなら、世の中の人、だいたいモテてることになるよ」


「アハハハハ……」


 パーラーは小さな体を大きく揺らして、快活に笑った。


「ところで聞きそびれてたんですけど、池川くんって、どこ住みですか?」


「え? 〇〇だけど」


 俺はなんの気なしに、自宅の住所の地名をパーラーに教えた。


「〇〇ですかー。ボクが住んでるとことは反対方向ですねー。まあ、当たり前かー、だから中学別々だったんですもんねー」


「そういうパーラーはどこ住みなの?」


「××です」


「××……そりゃ遠いな……」


「ねー、全然近所じゃなくて残念ですよー……ところで、池川くんは知ってますか?」


「知ってるって、何を?」


「隣のB組に、すっごくおっぱいの大きい爆乳女子がいるらしいんですよー」


 え? それって……


「なんか、うわさによると100センチオーバーのおっぱいをぶら下げて歩いてる女子がB組にいるらしいんですよ。いやー、すごいですよねー、1メートルですよ、1メートル!!」


 100センチオーバー……間違いなく、ナナのことじゃないか!!


 早くもそんなうわさが流れているというのか……まあ、わかるけど……やっぱりあの大きさはインパクトあるものね……


「ああ、早くその子と友達になって揉みしだきたいなぁー、1メートルのおっぱい……エヘ、エヘヘ、エヘヘヘヘ……ドゥアハー!!」


 気持ち悪い笑みを浮かべながら、両手でエアおっぱい揉みをしていたパーラーは、突然奇声をあげた。


「ど、どうした? パーラー」


「あ、い、いえ、だ、大丈夫ですよ、心配しないでください……ちょっと、ひどいですよ、マッチ! どうしていきなり脇腹を殴るんですか!?」


天誅(てんちゅう)よ、天誅……」


 パーラーの隣の席で、いつものように文庫本を読みふけっていたマッチは、パーラーのことをチラ見しながら、物騒なことを言った。


「天誅」ってどういう意味なのか? パーラーとマッチって付き合ってるの?


 俺はいろいろ疑問を抱いてはいたが、マッチが怖くて、何も言えずに黙っていた。






 入学三日目もつつがなく終えた俺は、「トイレに行く」という名目で、しつこく下校に誘ってくるクレナお嬢をまくことに成功し、お嬢に見つからないよう、こっそりと玄関に向かっていた。


「あ、見ーつけた!!」


 そんな俺に後ろから、俗に言う「なろ抱き」で抱きついてくる女が一人。


 しまった……お嬢に見つかってしまったか……


 と、一瞬思ったが、背中に伝わる胸の感触で、抱きついてきた女がクレナお嬢ではないことを悟った。


 お嬢はこんなに巨乳ではない。


 だからと言って、ナナは俺に抱きついてきたりなどしない。


 ということはつまり、抱きついてきた女性の心当たりはただ一人……


「あのー、サアヤさん。背中に何か当たってるんですけど……」


「えー、わかんないかなぁー? 当ててるんだよ、わざと……」


「え?」


 俺は耳元でささやかれたセクシーな言葉に動揺しながらも、サアヤさんの手を振りほどき、後ろを向いて、サアヤさんと向き合った。


「ああん、なんで、振りほどくのー?」


 振りほどかれたサアヤさんはとても残念そうな表情をしていた。


「あ、いや、学校で抱き合ってるところを誰かに見られると、いろいろとややこしいことになりますので……」


「でも嬉しいなぁー。後ろから抱きついたのに、すぐに私のことわかってくれたんだもん。ねえ、なんで私が松永サアヤだってわかったの? ねえ、ねえ?」


 そう言ったサアヤさんの顔はどんどんどんどん俺に近づいてきた。


 そりゃあもう、このまま動かないでいるとキスしてしまいそうなほどに近く……


「あ、いや、声でわかったんですよ、声で」


 俺は事故でキスしてしまわないように、後ずさりしながら、サアヤさんの質問に、嘘で答えた。


 本当はおっぱいの感触で「サアヤさんだろう」と推測したわけだが、そんなこと言えるわけもなかった。


「ホントにー? おっぱいの大きさでわかったんじゃなくてー?」


「そ、そんなわけないじゃないですか……」


 どうにも女子の洞察力というのは恐ろしい……図星を突かれた俺はおそらく動揺を隠し切れていなかったことだろう。


 それにしても、サアヤさんのスタイルはいつ見ても惚れ惚れする。


 おっぱいの大きさとウエストの細さの反比例、アンバランス。


 ナナはおっぱいが大きいぶん、体のそのほかの部分も大きめ、ようはぽっちゃり体型なのだが、サアヤさんは本人曰くFカップのおっぱい以外は細いし小さい。


 まさにスレンダー巨乳、これがいわゆる「二次元ボディー」というやつなのかと思わずにはいられなかった。


「ねえ、なんでさっきから、私の顔じゃなくて、おっぱいばっかり見てるのー?」


 し、しまった……ナナならともかく、サアヤさんのおっぱいをガン見するのはよろしくないぞ……


「ねえ?」


 サアヤさんの上目づかいの破壊力は抜群だった。


 ブレザーの制服だから、胸元は隠れているに決まっているが、もし谷間全開で、この上目づかいをされたら、ほとんどの男は全財産貢いでしまうことだろう。そう、「ミツグくん」になっちゃう……


「み、見てないですよ……」


 俺はサアヤさんの上目づかい攻撃から逃れるために、目をそらしながら話した。


「嘘つきは泥棒の始まりだよ、サトシくん」


「あら、ずいぶん、古いことをおっしゃいますのね、サアヤさん」


「ん?」


 いけない、なぜか知らぬが、こんなところでお嬢の口調がうつってしまったぞよ……


「そ、そんなことより何かご用ですか、サアヤさん? 俺、帰ろうとしてたところなんですけど……」


「あ、そうだった。おっぱいの話してる場合じゃなかったね……ねえ、サトシくんってさぁ、軽音部に興味ある?」


「え? 軽音部?」


 ま、また部活の勧誘か……今日はいろんな部活に勧誘される日だな、おい……


「そう、軽音部」


「きょ、興味ないわけじゃないですけど、俺、楽器弾けないし……」


「大丈夫、軽音部は未経験者大歓迎だよ!」


「あ、いや、でも俺、音楽の才能とかないし……」


「あ、パーラー、いいところに来た! 池川くんが軽音部に興味あるみたいだから、部室にご案内したいの! 一緒に連れてってくれる?」


 俺が後ろを振り向くと、そこにはパーラーが立っていた。


 パーラーは本当に小さくて、美少女だった。


「おお、池川くん! 軽音部に入ってくれるんですか!? 池川くんなら大歓迎ですよ、さ、善は急げって言いますし、さっそく部室に行きましょう! 部室に!!」


 しゃべらなければね……


「あ、いや、ちょっと待って! 俺の話聞いてよ!! 俺には音楽の才能なんてない……」


 サアヤさんとパーラーの二人は、俺の言葉など一切聞かず、二人がかりで、俺のことを押して、軽音部の部室へと連れていった。


 それは「勧誘」というより、もはや「拉致」とか「強制連行」とか呼んだ方がふさわしいものであった。

次回「ガールズバンド、ウィメンズ・ティー・パーティー」 お楽しみに



あまり一般的ではない言葉の脚注(興味のない方は読み飛ばしていただいて結構です)

「恋はマジック」→アメリカの有名な歌手バリー・マニロウの曲「Could It Be Magic (クッド・イット・ビー・マジック)」につけられた邦題。1975年全米6位のヒット曲。


高橋貢→公営競技の一つであるバイクによる競走「オートレース」の世界で、史上最多の賞金を稼ぎ、「絶対王者」という異名がつけられている選手。今も現役バリバリで活躍中。


秋元貢→「昭和の大横綱」「ウルフ」などの異名を持つ力士「千代の富士」の本名。千代の富士については私ごときが説明するのもおこがましいので、Wikipedia読んで。


姉小路公知(あねがこうじきんとも)→幕末の姉小路家の当主。何者かに暗殺されてしまったことにより、歴史に名を残すことになってしまった悲運の公卿(くぎょう)。暗殺されていなければ、Wikipediaの記事にすらなっていなかったかもしれない……現に彼の父や養子はWikipediaの記事になっていないのだ……


「踊りたくない高校生」→もちろん「踊りたくない芸人」をパロっているのである。


天誅(てんちゅう)→「天に変わって誅罰(ちゅうばつ)を加える」と言った意味の言葉。幕末日本の流行語で、多くの人が「天誅」の名のもとに殺害されたらしい。この「天誅」を柔らかく言い換えた言葉こそが「月に変わって、おしおきよ」である(大嘘)。


なろ抱き→昔のドラマ「あすなろ白書」で、木村拓哉が石田ひかりを後ろから抱きしめたシーンが話題となり、後ろから人に抱きつくことを「あすなろ抱き」と呼ぶようになり、やがて「あす」が省略されて「なろ抱き」と呼ばれるようになった言葉。


「ミツグくん」→80年代末のバブルの時代、女性にいろんな物をプレゼントしていた男のことをこう呼んだらしい。この言葉の流行によって、「貢ぐ」という言葉の印象が格段に悪くなり、我が子に「貢」という名前を付ける親が激減したのだと思われる。

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