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「天狗の子は天狗」11  作者: 西尾祐
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6.エピローグ

 嵐山、と表札がかかった家の片隅から、少女の声がする。

 「うーん、と……」

 自室の鏡を見ながら、奈々は慣れないセーラー服に袖を通す。

 「これでどう?」

 「おー、良い感じだな」

 カンナはまじまじとその姿を眺めてから、率直なコメントをよこした。

 「馬子にも衣装とは、このことだな?」

 「う、うるさいな……」

 「褒めてんだぜー。にしてもお前、また背が伸びたんじゃねえか?」

 「この前測ったら、一七〇センチだった……」

 「……デカいな。胸はからきしなのに」

 カンナのセクハラ発言を受け、奈々は顔を真っ赤にした。

 「ば、バカ!」


 

 景光を討ち倒した後のこと。

 三宅の取り計らいで、奈々は高校に通うことになった。

 なにぶん久々のことで、学校という場所がずいぶん新鮮なものに思える日々だ。これまで一度も着たことのなかった制服も、なんだか物珍しい。

 「おいおい、そろそろ出た方がいいぜ」

 「ありがと! じゃあ行ってきます。留守番よろしくね」

 「おう!」

 慌てて準備をし、鞄を持って玄関の扉を開けた。


 そこにいたのは、光彦と千里だ。

 入学手続きの都合もあり学年は二つ違うが、三人は同じ高校へ通っている。

 「やーっと出てきた」

 「よーし、行こうぜ!」

 奈々は笑って答え、二人とともに駆けだした。

 「うん!」

 彼女はもう、一人ではないのだ。

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