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異世界騎士団の騎士団長  作者: 逢霧 心結
2/3

第一話「王への謁見」

あらすじ

異世界転移しました。

...は?


突然俺に話しかけてきたかと思ったら俺を城に連行するだと?


...は?何でだよ。俺はこっちの法律を知らないから何とも言えないけど連行されるような事をした覚えないぞ?

いや、ほんとに何でだよ...


すると女が俺に急かすように言った。


「王がお待ちだ。さっさと来い!」


「え、いやなんで俺が?」


「私にも分からん。ただ変な格好の怪しいものがいたら連れてこいと命令されているだけだ。ええい!ここで話しても無駄だ!おい!連れていくぞ!」


女がそう言うと後ろにいた鎧で全身を覆っている男達が逃げようとする俺の腕をガッチリと抱え込んでズルズルと引きずって行った。


「あーもう!わかったよ!行けばいいんだろ!行けばさ!」


俺は男の腕をほどいて女についていった。

ここに転移して間もないのにいきなり王に呼び出されたことは不安しかなかった。

すると俺の前にデカい砦が立ちはだかった。

王に呼び出されているのだから城に行くのだろうと思っていたが、想像以上の規模の城だった。

女はそのまま門を通り抜けていったので俺も通り抜けて行った。

その時の門番の奇異の目にさらされたが気にしないことにした。

そしてしばらく道を廊下えお歩いていると女が不意に話しかけてきた。


「そういえば自己紹介がまだだったな。私の名前はポート・マチスタ。いきなりあんなことをして悪かったな。」


「い、いえ...大丈夫です。」


俺は何とも言えない感じの返答をしてしまった。


「なあ。お前の名前は何なんだ?」


「俺の名前は棗 裕翔...です。」


「そんなに畏まられると話しにくいからもっとリラックスしてくれ。と言っても王の前ではリラックスできないかもしれないがな。」


ははは。と声を上げ笑いながらマチスタは俺の背中をバンバンたたいてきた。


「おっと。ここだ。着いたぞ。」


「ここが...」


俺は固唾を飲んだ。さっきから緊張しっぱなしだがこうして扉の前に来ると余計に緊張する。王様は一体どんな人何だろうか...怖い人だったらどうしよう...なんて考えているとマチスタが分厚い扉をノックして「失礼します。」と言って入っいったから俺も一緒になって入って行った。

すると従者らしき人が俺たちに近づいてきて「今しばらくお待ちください。」と言って王座らしき椅子の隣に戻って行った。

2、3分経った頃、ようやく王様が姿を現した。


「遅くなってすまないな。」


俺は思わず驚いた。しかめっ面の年のとった王様が出てくるかと思っていた。だが今俺の目の前にいる王様はとても若かった。と言っても20歳前後だろう。そして最も驚いているのがその端正な顔だ。女と見間違えるほど綺麗な顔立ちをしていて、そして何より彼の金髪だ。すると彼はおもむろに口を開いた。


「マチスタくん。よく連れてきてくれた。感謝する。」


「はっ!ありがたき幸せ!」


「そしてそこの君。突然呼んで申し訳ない。私の名前はカーリー・カルガタシス。この国の王だ。」


「は、はあ...」


「幾つか質問させてもらうが構わないか?」


「ええ。問題ありません。」


「では早速。君の名前は?」


「棗 裕翔です。」


「ナツメ・ユウトか...では君の国の名前は?」


「に、日本という国です。」


「ニホン?そのような国聞いたこともないぞ!ユウト!しっかり答えろ!」


俺が嘘を言ったと思ったのかマチスタがキレてきた。


「お、俺は嘘なんか言ってねぇよ!」


「マチスタくん。ユウトは嘘を言っていないみたいだぞ。嘘を言ったらこいつが反応するはずだからな。」


カーリー王は左に立っている従者らしき人に指を向けた。

俺は何のことかさっぱり分からなかったがマチスタは「確かに。」という顔をしていた。


「さて。質問を続けよう。君はどうやってこの国に来た?」


「分かりません...電車に乗っていたらいつの間にかここにいました。」


「デンシャ...なるほど。」


「では最後に。君は異世界の人間で間違いないな?」


俺は思わず目をかっと開いてしまった。

何故この人がそれを知っているんだ...

冷や汗が止まらない。声を出そうとしても声が詰まって出せない。そして俺は何とかして声を絞り出した。


「ま...間違い...ありません。」


するとカーリー王は「よかった。」と呟いた。


「歓迎しよう。異世界の者よ。そして急にこの異世界に読んで申し訳なかった。君をここに召喚したのは私だ。」


「え...ま、待って下さい。なんで俺が召喚されたんですか?運動も勉強もあまり出来ないんですよ?」


「それは私にも分からないが君が...ナツメ・ユウトがこの国を勝利に導いてくれる存在ということは分かっている。」


「そ、そんな...俺に出来ることって一体...」


「それと私が召喚をする際に剣才を持つ人間を要望した。だから君には見習い騎士として入団してもらう。いいな?」


「...はい。」


「ではユウトの剣の指導をマチスタ君に頼むとしよう。受けてくれるかい?」


「はい!お任せを。」


「ありがどう。では今日はこれでお開きにしよう。指導はマチスタ君に一任するよ。それとユウトの部屋はこの城に用意してあるからそうだな...オリヴィア。彼を案内してやってくれ。」


するとカーリー王は近くにいた従者に声をかけた。


「かしこまりました。」


「君には彼の世話係になって貰う。彼のことを頼むよ。」


「はい。かしこまりました。」


どうやらこの女性が俺の世話をしてくれるらしい。藍色の髪の毛に藍色の目、そしてとても綺麗な顔立ちをしている女性だ。


「ではこちらへ。」


彼女はそう言うと王に向かってお辞儀をし、部屋を出てった。俺もそれに続いて部屋を出ていった。

さっきの部屋からさほど遠くない場所が俺の部屋らしい。

中は白い壁紙に赤色の絨毯が引かれていて流石城の部屋だと感心させられた。しかし家具等は必要最低限しか置かれていないようだ。


「お食事はカーリー王のご要望でカーリー王と召し上がっていただきます。お食事の時間は夜の7時でございます。」


どうやら時間は日本と言うか地球と同じようだ。


「あっわかりました。」


「では、私はこれで失礼致します。また、何かございましたらお呼びください。」


そう言ってオリヴィアは部屋を出ていった。


さてこれからどうしたものか...食事までは時間があるし...

するとドアを誰かがノックした。俺は返事をしてドアを開けるとそこにはマチスタがいた。


「急にすまないな。時間はあるか?」


「ええ。ありますけど。」


「なら良かった。少し付き合ってくれ。」


「ええ。分かりました。でも7時から夕食なので2時間程度しかありません。」


「ああ。分かった。それじゃついてきてくれ。今からお前の指導をする部屋に向かう。」


「分かりました。」


「それと敬語は辞めてくれ。話しにくいから。」


「分かった。これでいいか?」


「OKだ!」


それからはずっと無言であった。

少しするとマチスタは一つの部屋に入って行った。そこが俺の指導室のようだ。


「ユウトは剣の経験はあるか?」


「いや。全くない。」


「そうか。なら1から教えていく必要があるな。ほれこの木刀を持て。」


木刀は軽いかと思っていたが存外重かった。


「では始めていこうか。」


果たして俺は本当に剣の才能があるのであろうか。

こちらの小説は気が向いたら書いていくという形をとっていくので不定期更新となります。また別の作品と並行して書いているので余計に遅いと考えて下さい。

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