三度目の春
多分詩?
テーマは夢追い人ってとこでしょうか?
三度目の春が来た。
桜が咲いて、皆が花見の話をする度に僕はあの時を思い出す。
あの時、決断した自分を。
あれから、三度目の春が来た。
桜が咲く頃に思い出す。
あれから、時は進んでいるのだと。
あの時、進むことを決めたのは自分。
あの時、選択したのは自分。
とにかく、前へ進もうと必死になってやってきたつもりだった。
でも、桜が咲く頃に思いだし、振り返れば、
僕は一歩も進めてなんかいなかった。
後ろにはあの時と変わらない桜の木が、あの時と変わらない満開の花を咲かせている。
なのに、足元には枯れた花と葉が落ちている。
それが、時の経過を表していた。
ああ、僕はまだ進めていないのか。
嘆いてみても何も変わりはしない。
だから、桜に誓う。
今度はちゃんと進むよ。
もっと広い世界を見に行くから、と。
そうして、歩き出したはずだった。
けれど、今また振り返ればそこには同じ桜の木。
足元には枯れた花と葉が、以前よりも増えていた。
それが、時の経過を表していた。
僕は進めないのかな?
桜に問うても答えはない。
見上げる桜はただ風に揺れている。
風が花を散らせていく。
咲いたばかりの花が散っていく。
二度目の春。
桜に誓ったように、僕はまた誓うことができない。
できなかったーー。
僕はこのまま、進もうとしてていいのだろうか?
僕はどうしたらいいのだろうか?
僕はどうしたいのだろうか?
分からない。
分からなくなってしまった。
そうやって、悩んでいた。
悩んでいるそのうちに。
三度目の春が終わった。
嗚呼。
誰かが言ったとおりだ。
立ち止まった僕はもう。
ほら、
もう、歩き出せないーー。
解釈はご自由にどうぞ。