第3食「健康ごはん02:幸せの黄色いオムライス」
第3食目は、洋食の華、オムライスです。
という事でオムライスです。
タイトルは健康ごはんなのに、今回のオムライスは高カロリー食を代表する食事だったりします。
そもそもなんで高カロリーな食事をすると太るんでしょうか。
「たくさんカロリーを摂取したら太るのは当然でしょう」
はい、実際そうなんですが、じゃあ、カロリーはどうやって体の脂肪になるのかな?
実際のところ、カロリーというのは熱量です。体の脂肪とイコールではありません。カロリーの高いものは脂肪、炭水化物の二大巨頭に、蛋白質が続きます。
「肉は結構カロリーが高いので、食べたら太る」
はい、間違いです。脂質の少ない肉だけ食べていたら、人間は逆にどんどん痩せてしまいます。
「ご飯は太る」
これも一面は正しいのですが全面的に正しいわけではありません。日本人など比較にならないほど米を大量に食べるタイの人たちは、総じて日本人より全然痩せています。
「油は太る」
これはほとんどの場合真実です。脂肪を断った食事をすると、大抵痩せます。何せ、肥満の原因である脂肪とほぼそのままの物を食べる訳ですから。
でも、世には「炭水化物ダイエット」なる代物が有り、これは実際油をある程度摂取していても痩せます。
はて?
どうすれば肥満するんでしょうか。
実は「偏った食事」が肥満の原因の一つなのです。
日本人は1日3食という習慣が有りますが、これは実はちょっと現代人の実情からは外れています。
晩御飯を軽くすれば痩せる、という情報に踊らされたことが有ります。夜にたくさん食べると、就寝して身体がエネルギー消費を抑えているから太ってしまう、という理屈でした。
実際に試すと、確かに痩せるのですが、他の時間帯にダイエット食にした時と大差ないです。
でも、これは情報源が嘘をついているわけではありません。
「問題にしているライフスタイルが違う」
のです。
ダイエットについて語り出すと、それだけで本が書けてしまうし、色々とダイエットには闇が広がっているので深く突っ込むのは止めにしておきますが、まりにゃんの食事について医師の指導を受けた際に同席して聞いたのは、
「摂取カロリーを抑えるのは必ずしも夜を抑える事ではなくて、全体をバランスよく下げること」
という事でした。
じゃあ、高カロリーなものは絶対食べられないのか。
非常識な暴食などは当然ダメですけど、多少前後するくらいは大丈夫です。人間の体は柔軟な対応力が有るので、ある程度の期間で辻褄が合う食事をしていれば問題ありません。
ある日ちょっと食べ過ぎたなら、後で節食すればよいのです。
(もちろん、ある程度以上健康な人の場合です。医師の指導を受けている人は、その指導に従ってください)
以前私が通っていた病院では、「ダイエットを無理にやる方がストレスで体に色々と問題が出るから、無理してやるダイエットはよくない」といって、ダイエットを勧められませんでした。病院によってもいろいろ見解が違っていてなかなか面白いです。
脱線がはなはだしいのでオムライスに戻りましょう。
いや、タラコじゃなくてオムライスです。
オムライスは高カロリーです。ファミレスとかでカロリーを見て目が飛び出る場合も少なくありません。じゃあどうすれば良いか。
「どこにカロリーが掛かっているかを知って、そこのカロリーを下げればいい」
のです。
先程の例でいえば、まず筆頭は脂質の低減、2つ目は糖質の低減です。
中のチキンライスに使う肉から脂身を除去して、炒めて作るのではなくて炊き込んで作ります。味付けも砂糖は避けてオリゴ糖を使うと良いでしょう。ケチャップを使ってしまうと中に砂糖が含まれているので、トマトをそのまま炊き込むか、トマトピューレを使い、塩で味付けします。オリゴ糖は直接人間が消化できず、腸内の乳酸菌によって分解されて初めて吸収できるので、非常にゆっくりと、しかも低カロリーで吸収されます。特に、玉ねぎを多めに入れると、玉ねぎに含まれるオリゴ糖などの難消化性の糖分と共に、アリシンが変性したプロピルメルカプタンと言われる極めて甘い物質が、甘みを足してくれます。この時、お米と水をその分減らせば、仕上がり量は同じでもご飯を少なめにして、カロリーを落とせます。
次は卵ですね。卵の黄身にはコレステロールと脂が含まれています。そのままでカロリーが高く、完全栄養と言われるものの一種になっています。カロリーを落とすには、日本の知恵が役に立ちます。だし巻きを慣れない人でも簡単に作るには、だしに片栗粉を解いて入れればよい、と言います。炭水化物なのでこれ自体がエネルギーになるのですが、少量を入れるだけで水分を足した卵をしっかりと保ってくれますので、ほぼ無視できます。とろーり系のオムレツを乗せて作るオムライスではなくて、薄焼きの卵で包み込むオムライスを作るなら、これで卵の使用量を下げてカロリーを下げることが出来ます。だいたい、水100mlに片栗粉小さじ2を加えたものを卵3個に加えることで、卵2個を使っていた分を1.5個までに減らすことが出来ます(二人分で卵3個)。そしてひと手間。玉子を焼く前にフライパンにまんべんなく小分けのバター1個を塗った後、卵を落として、ご飯を乗せて巻いて行くわけですが、巻き終わって器に盛る前に表面をキッチンペーパーを押しつけて拭き、器に盛った後に更にキッチンペーパーを押しつけて拭いて脂を落とします。これだけで油をさらにカットできます。
ここまでやると、一人分800キロカロリー近いカロリーだったオムライスが、520キロカロリー程度と、驚異の低カロリーになります。そこまでしなくても……という旨には、普通に卵を一人2個使うとか、最後の表面から油を拭く段階を省けば、バターの旨味は残すことが出来ます。これでも600~650キロカロリー程度です。
もう立派な栄養管理食になりました。あとはビタミンを足すために青野菜を足すと、バランスも取れます。コレステロールが気になる、という方は、やはり前述の方法で卵を減らすと良いでしょう。
ちょっと変わり種のオムライスをご紹介しましょう。
玉子で包むのではなく、ふつうのご飯を玉子に混ぜてオムライスの形に焼き固めたら、ご飯に炊き込む素材をそのまま煮込んで、片栗粉でとろみをつけてソースにして乗せてしまう、というものです。
簡単にカロリーを落とせますし、具を大きめに切ってごろごろ感を出すとちょっとごちそう感覚です。
次に、中に入れるごはんに和風の炊き込みご飯を使い、外を巻く卵を片栗粉を入れただし汁とオリゴ糖、塩で味付けして、だし巻き味にして、バターの代わりにごま油を強いて作るもの、仕上げには沸かした醤油と味醂にだし汁と水溶き片栗粉を入れてとろみをつけた餡を乗せた、日本食オムライス。
しっかり和食ですが、見た目はオムライスという、不思議な出来上がりです。
お次はカレーピラフを、スパイスを混ぜた卵で包み込んで、仕上げにカレーを掛けたインド風。
写真の例はタンドリーチキンとラッシーを添えたのでちょっと高カロリーかも。
最後は定番の一つ、デミグラスソースを掛けた洋食屋さんスタイル。
ちょっと御洒落ですね。付け合せはソースを塗ってオーブンで焼いたグリルチキン。
ふわとろオムライスはまた別の機会に。
オムライスの醍醐味の一つに、トマトケチャップを使って上に描く絵や文字が有ります。
最初に出した、題字を書いたオムライス。結構細かく書けていると思いますが、如何でしょうか。
例えばこんな真似も出来ます。
いやいや、だから卓袱料理じゃなくてオムライスです。
普通のケチャップをそのまま使っちゃうとこんな感じになりますよね。
だから、ラーメンじゃなくってオムライスです。ちなみに付け合せは上部を切って中身を抜いたパプリカをフライパンに水を入れて蓋をして蒸し焼きにして、冷ました所にコールスローサラダを詰めたものと、炒めた玉ねぎをコンソメで煮たスープです。
秘密兵器その1。
ポリ袋を用意して、そこにケチャップを入れて、竹串で突いて穴を開ける。手近にあるもので直ぐ実行できるけど、噴射の調整が難しい。卓袱料理、の文字はこの方法で書きました。
秘密兵器その2。
100均に売っているこの容器を使う。上を切り取る位置で、好きな太さで出せる。噴射も自由自在で、殆どペン感覚で書ける。お勧め。食紅(出来たら石油系じゃないやつ)と塩、レモンを混ぜたベシャメルソース(黒色は食用竹炭を混ぜたケチャップでもOK)を何種類か用意してお絵描きをすると、フルカラーの絵が描けるかも。題字はこれで書きました。
§
先日オムライスを作って、秘密兵器その2を差し出して言ってみました。
「まりにゃん、これ使って何か描いてみて」
まりにゃんはイラスト描こうとしていたけど、なかなかうまく行かないらしい。なんでかな……と暫く考えて判明しました。多分、描く方の問題じゃなくてキャンバスの方に問題があったのか。平らじゃなくて盛り上がったオムライスの上だもんねえ。
結局、いつも描いている猫のイラストを悪戦苦闘で描いていたようです。ケチャップで絵を描く、描いてもらうのも楽しみの一つですよね。
チャレンジを考えているのは「お弁当でオムライス」。おにぎり型のオムライスとかは割とありますね。最近まりにゃんにはランチジャー、おにぎり、サンドイッチ、冷やした麺の4パターンでお弁当を作っています。おにぎり型をトマト味のチキン炊き込みご飯にして、ケチャップを具に、薄焼き卵で包む、というのが一案ですけど、市販品でもこういうのはあるので一工夫したいところ。おむすび型ではなくて、あのラグビーボールというか、紡錘型のオムライスに拘りを出したい感じ。崩れにくいのは上記パターンで出したご飯に卵を混ぜ込んで焼いたタイプですが、あれは変わり種オムライスとしてはアリですけど、やっぱり包んだのが食べさせたい。
何ともよくばりですが、妄想でいろいろパターンを考えてみましょう。
1:そのまま実直に作る。
紙皿を用意して、そこに小ぶりに作ったオムライスを乗せて、ラップするなり、ポリ袋に入れて、空気を抜いて持たせる。皿ごと入れて空気を抜く技は、後で改めてご紹介する予定ですが、型崩れがしにくくて、お弁当らしからぬ状態の御飯を持たせることが可能になります。これにスープとケチャップを一緒に持たせれば完璧な感じ。でも、この持たせ方だと、冷めてしまうんですよねえ。電子レンジで温めて食べる、という形になるんでしょうか。
2:細長いお弁当箱を使う
これも冷たくなってしまうのですが、ネットなどで見かける、よくやられている方法ですね。
3:ランチジャーに温かい炊き込みご飯と、お弁当の薄焼き卵に分けて入れる。
暖かいままで持たせられますが、小ぶりの物しか持たせられない上に、かなり違うものになる感じです。
4:フードコンテナにミルフィーユ状に積層して作る。
ご飯やスープだけを持って行くのに特化した保温密閉のお弁当容器です。ごはん2cmごとに円形に焼くかくり抜いた薄焼き卵を挟んで、ケチャップをを掛けて、更にご飯、という風に作る方法です。暖かいし、そのまま食べられるので有望、でも見た目があのオムライスではないところがちょっと惜しいですね。
5:手巻きずし用のフィルムを真似て、フードコンテナで温かい炊き込みご飯を持たせて、それを巻いてもらう。
食べるまでの手間がかなり大きいですし、巻き損じたら悲惨です。
6:薄いパンの中に小ぶりのオムライスを包んでしまう。
何を食べてるか分からなくなります。
7:作り立てを私が皿ごとまりにゃんに届けて、皿を回収する。
どこの出前ですか。
8:携帯コンロとフライパンとランチジャーに入れた炊き込みご飯、卵を一式持って行って、まりにゃんの職場の傍で作る。
路上で調理するつもりですか。
9:上記セットをまりにゃんに持たせる。
もう通勤するんだか料理作りに行くんだかわからないですし、まりにゃんの料理スキルが問われます。
10:ドローンに持たせて(以下略)
途中で落下して通報されます。
……5番以降、特に7番から先はかなり冗談ですけど、1~4のパターンは結構有りな気もします。今後予定のお弁当階のどれかで取り上げてみようかな。
ちなみに、オムライスは玉ねぎを使っているので動物は食べられません。まる船長、物欲しそうにしててもダメですよ?
今週またオムライス作ろうかなっ。
何だかわからない、ちょっとまとまり無い話でしたね。
でもまぁ、これがこの連載の持ち味かも。
次回もぐだぐだと続きます。