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第1食:「健康ごはん01:沖縄ご飯のバランスとベーグルサンド」

まず第一話は小手調べ。

「苦み」のお話を中心に進めてみます。

 いきなりですが、ゴーヤが好きです。

挿絵(By みてみん)

 あのごつごつを触るとなんとも言えない快感が、……とかじゃなくて。あの苦味が好きです。青臭い所が好きです。普通「苦手」って言われる要素が大好きだったりします。


 そもそも、なぜ苦味や青臭さを苦手という人が多いのでしょうか。答えとしては、食べ慣れていないとか、苦味に対する感覚として薬を連想してしまうとか、青臭いのは草食動物になったような感じがするとか、そういう意見が多いかもしれないですね。

 でも、「苦い」物は「旨い」のです。


 何を言っているんだと思う人も多いかと思います。

 そもそも、苦い食べ物、飲み物というのは、大人のもの、というのが割と多い。筆頭はビールです。あれは麦を発酵させるときに、「香りを青臭くして苦くするために」わざわざホップという花の蕾を入れて、苦みを付けているんです。

 なぜわざわざ苦くするのか。

 苦味が「旨い」からに他なりません。

 うちのパートナー。まりにゃんと呼びましょう。まりにゃんは鰯が好きです。丸干しを焼いたのが特に大好物です。苦い内臓が特に大好きです。あの味が堪らないそうです。まるで呑兵衛の口上みたいですね。でもまりにゃんは飲めません。

挿絵(By みてみん)

 まだここまででは苦味は苦手なんじゃー!という方には全然納得できないと思います。じゃあもっと一般的なご飯の実例を上げましょう。

 カレーは苦いです。

 え? からいんじゃないの?と思う方、それも当たっていますが、それより以前に「絶妙に苦い」んです。

 カレーに使われるスパイスの大半は、そのまま舐めたり齧ったりすると苦いんです。辛いのは生姜とコショウと唐辛子位なものだったりします。黄色いウコンは生姜によく似た根菜ですが、舐めると舌が曲がりそうに苦いです。でも、カレーの黄色はウコンです。それくらいいっぱい入ってます。次にカレーの香りの代表格、クミンもほろ苦いです。爽やかさを出すコリアンダーシードも、鮮烈さを出すクローブも、深みを出すフェネグリーク豆やカレーリーフも、全部苦いです。

 この苦味が、具やスープベースの旨味と、タマネギの甘みや、チャツネやトマト、ヨーグルトなどの酸味と合わさると、えも言われないあのカレーの風味を醸し出すのです。そこを塩できりっと引き締めれば、おいしいカレーの味になります。

挿絵(By みてみん)

 スパイスやハーブの過半数は苦いです。その苦味が適度に薄まると、そこに旨味が生じます。そう、適度な苦みはうまみを引き出し、自らも旨味になるのです。だいたい、日本茶だって苦いでしょ?


 野菜の苦みと言えば、ゴーヤ以外にもエンダイブやトレビスという、サラダの名脇役がいます。ここら辺がちょっとサラダに加わると、味に広がりが出ます。ピーマンだってサラダの脇役に出来ます。単体が苦いから、と避けていては渾然一体となったサラダの旨味が分かりません。だいたい、レタスだってセロリだって苦いんです。それが甘み系の野菜と合わさり、ドレッシングを纏う事で、絶妙な味になるんです。


 舌がお子様な人だって、カレーは食べるし、ナポリタンも食べる。全部苦味は入って居ます。トマトケチャップやウスターソースにも苦味の成分はいっぱい入って居るのです。そうそうマヨネーズ。あれは卵、酢、油で出来ていますが、それだけだ良く知っているあの味にはなりません。塩とスパイスが入って、初めてあの味になるんです。スパイスには苦味のあるものが入って居ます。

 そう、マヨネーズも実は、苦いんです。


 苦味とうまく付き合う事で、旨味は引き出されてきます。味は記憶で広がります。沢山の物を食べて味わう事で、いろんな味が分かるようになるといいます。子供が極端な味が苦手なのは、味のライブラリーが頭に出来ていない所為だと言われます。大人になっても偏食をする人も、頭に偏食のライブラリーしかないのが原因らしいです。色んな食に触れることで、いろんな垣根が取り払われて、たくさんの美味しいを感じることができるようになっていくのです。


 さて、本題に入りましょう。

 ゴーヤです。


 こいつは手ごわい野菜です。ピーマンもゴーヤも胡瓜も、青い実野菜は全部未成熟なものを収穫したものです。ゴーヤは冷蔵庫などで放置しておくと、そのうち黄色くなって完熟して弾けてしまいます。(常温だとカビてしまう可能性が高いです)。弾けたゴーヤは苦くありません。中の種は真っ赤になっていて、舐めると甘いです。そう、ゴーヤは瓜。メロンや南瓜の仲間なんです。

 ゴーヤについてまことしやかに流れているウソが有ります。

 「苦いのは中の白い部分だ」

 はい、嘘です、何ならそこだけ取って齧ってみましょう。ちょっと青臭いですけどそんなに苦味はありません。苦いのは未成熟の青いところです。この白い「わた」には種が入って居て固い場合が有るので、その部分だけ取り除けばいいのです。半分に割って、スプーンで軽くすくう程度で充分です。

 さてゴーヤの苦味、砂糖や塩で揉んで放置した後水洗いしたり、揚げたり、茹でることで軽減します。ゴーヤチップス、という、カレー味を付けてゴーヤをカリカリにあげたお菓子が有りますが、殆ど苦味が有りません。揚げることで苦味が溶けだして程よい味になるのです。ちなみにこの苦味、モモルデシンと呼ばれる物質で、胃腸の粘膜を保護して食欲増進、気力回復などに効果が有るそうで、夏バテしたり体調が落ちている人には特におすすめです。だから、完全に苦味を取ってしまうのではなくて、これなら食べられる、という程度に抑えるのがよいでしょう。

 苦いのが苦手、という人は、ごく薄くスライスしたゴーヤに、砂糖と塩を1:1に混ぜたものを軽く振って良く揉んで、10分ほど置いてから、洗って絞れば、生でも食べられるくらいにゴーヤの苦みを落とすことが出来ます。

 ゴーヤの代表料理はゴーヤチャンプルーです。豆腐と豚肉と一緒に炒めて、卵でとじた料理です。沖縄では、この豚肉をランチョンミートを使う場合が結構あるようです。お手軽ですが、カロリーもかなり上がってしまいますね。そこでカロリーを抑えたい時に活用するのが「クレイジーソルト」です。豚のこま切れ肉にふりかけて揉んで、30分くらいたてばあら不思議、タダの豚の細切れが、あのランチョンミートの味になっちゃいます。あとはフライパンに軽くごま油を引いて、先程の苦みを抜いた刻みゴーヤと、刻んだ沖縄の固い島豆腐(なければ木綿豆腐をキッチンペーパーで挟んで水抜きするだけで充分です)と一緒に炒めたら、溶き卵を注いでへらで適当に混ぜて卵とじにすれば出来上がりです。


 付け合せはクファ・ジューシィと呼ばれる、沖縄風炊き込みごはんと、胡瓜のシーチキン炒め。それにかちゅーゆ、というお味噌汁。


 ごぼう、椎茸、人参、それにヨモギ(なかなか手に入らないですが、和菓子用の乾燥品などが有ります。無ければ春菊で代用も出来ますよ)。それと豚の細切れ100gを用意します。

 2合のお米に、牛蒡10cm位をささがき(面倒なら斜めに刻むだけでもOKです)、人参は3㎝位を半分に割って薄切り、椎茸は茎を取って薄切りした後、茎も先の固い処を取り除いて薄切りします。ヨモギ、または春菊は適当に(生なら2~3㎝程度、乾燥物は適当に千切る感じ)刻んでおきます。豚の細切れはまとめたら十字に包丁を入れて、大きい塊にならない様にします。

 黒砂糖1欠片、お酢(黒酢推奨)小さじ1、しょうゆ小さじ2、塩少々、酒小さじ2を混ぜて、そこに水を入れて420mlになるようにしたら、洗ったお米と材料と一緒に炊き込めば、5~6杯分の炊き込みご飯の出来上がりです。うどの目などを入れても良いですね。お茶碗に盛ったら、刻んだ生ヨモギ、春菊、無ければセロリの葉や大葉など、青物を飾り付けると食欲をそそります。


 胡瓜のシーチキン炒めも割と沖縄の定番です。本来は「モーウイ」という大きな種類を使いますが、普通の胡瓜でもOKです。一口大に刻んだ胡瓜(ふつうの青い胡瓜なら1本分)と、「オイル入りの」シーチキンフレークの小さい缶詰と、醤油小さじ1をフライパンに入れて、水気が飛ぶまで5分ほど炒めるだけです。簡単なのにびっくりするような味になります。是非お試ししてもらいたい逸品です。


 さいごにかちゅーゆ。かちゅーは「カツオ」が訛ったものじゃないかなと思います。「ゆ」は「湯」でスープの事ですね。味噌(一人前小さじ0.5~1.5、味噌の塩辛さと調整してください)と鰹節(一人前約3g)を鍋に入れて、お湯を注いで具(麩や豆腐など)を入れて軽く煮たてたら、器に盛って刻みねぎを散らせば出来上がりです。手抜きして作ったみたいな感じですが、これがなかなかです。忙しい時に和食のお味噌汁としても使えそうです。

挿絵(By みてみん)

 さて、実際の料理は、実は危ないスタートでした。

 一日の始まりは、仕込みもしていないのに、目覚ましも書けずに寝てしまったという大失態。でもいつもの目覚ましの時間の2分後には起きました。ラッキー。……いや、止めようこんな危なっかしいの。

 本当は、フーチャンプルー(お麩のチャンプルー)を作ろうと思っていたわけですが、材料を見たら麩を切らしている。二度目のピンチ。取り敢えずじゅーしぃ(炊き込みご飯)の準備を済ませて、炊飯をスタートしてから、コンビニを探索に出かけました。

 ……ない。

 だから前日に材料のチェックはしておけと。(言ってない言ってない)

 慌ててゴーヤチャンプルーにしましたよ、ゴーヤは前日の料理用に買ってましたから。

 買い物から帰ったら、パートナーの起きる時間だったので、「まりにゃーん、もう時間だよー」と、声を掛けたのですが、ピクリともしない。テレビがタイマーで動いているので、騒音で起きそうなものなんだけど。

 部屋の電気を付けに行くと、やっと起きてくれましたが。

「何か分かんないけど、すんごく眠い」だそうな。

 大丈夫か。

 バタバタと料理を勧めますが、買い物に行ったので少し遅くなってます。焦る私。

 あーもう、ふた口付いたコンロが使いたいわー。マンション(と言うかアパートだよね)の仕様上、ひと口のコンロしか使えないので、一度に1個のガスしか使えない。頼りにするのはIHのホットプレートと、28年選手(!)の電子レンジ、そして去年買ったコンベクションオーブン。でもオーブンとホットプレートと電子レンジはどれか2台を同時に使うとブレーカーが落ちるという素敵仕様です。あーもうっ。

 今日は電子レンジを解凍に使っていたので、家電の出番は無しでした。なんだかなー。

 いつもより10分遅れでご飯開始。

 その後の超人的努力で回復し、逆にちょっと早めに送りだせたのですけどねー。


 ちなみにお昼はベーグルサンドを3種類に、ジェント○ースープのコンソメを持たせました。ジェント○ーいいよジェント○ー。安くて無添加でそこそこ美味しい。ステマじゃないよ。ベーグルはアメリカを代表するパン。何とあの高カロリー食に溢れるアメリカに遭って、凄く低カロリーなパンだったりします。あのギュッとした生地の特徴は、焼く前に生地を一度茹でて固めるせい。まりにゃんはちょっとお医者さまからの指示でカロリー制限中なので、普通のパンは避けて、ノンオイルなフランスパンとベーグルなどを中心にしてます。

挿絵(By みてみん)

 さっきから「まる」がニャーニャー鳴いて続き書けと急かしてくれます。

「ちょっと、嘘書かないでよ」

 「まる」のツッコミ。

「なんで? 猫なんだしニャーニャーで良いんじゃない?」

 「まる」は航宙船の船長をやっている28世紀の喋る三毛猫。私が「小説家になろう」で書いている作品の主人公。

「また嘘書いた。私はニャーニャーっても言わないけど、喋れないわよ。自分で作った装置で音声を出してるだけ」

 メタネタを途中で挟まれると、訳わかんなくなるでしょ。やめてね。

「変わんないじゃん」

「そんないい加減だから、誤字脱字とか一杯やらかすんでしょ?」

「それとこれとは関係ないでしょう」

 結局、彼女とは今日中に最神話を書くことで折り合いをつけて引っ込んでもらいました。


 本日も本業案件は無し。

 外は晴れ。ぽかぽか陽気でお散歩したい感じ。


 でも過眠症持ちの私は、一人で出歩くと道端で寝落ちちゃうんだよねーこれが。だいたい、まりにゃんが外で一生懸命仕事してる最中に私一人でそんな事する気も無いし。家事をこなしながら小説を書いて過ごします。買い物に出たりもします。でもよく寝落ちてる。

 今日もひねもすこんな感じ。


 あー晩御飯何作ろうかしらっ。

 

もっといろいろ写真を入れても良かったんですけど、まずはこんな感じ。

こういう風に、実際の料理写真などを織り交ぜて展開していきます。

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