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出稼ぎに行こう!


 そして、ウゾームゾー兄弟はゴレーヌ村に定住することになった。


 薄々そんな気はしていたので特に不思議はない。

 家についても大工のクーサンがサクッと建ててくれるらしい。他の家よりも心なしか広めに土地を取っている。

 ほー、ここが建設予定地。すでに土台できてるじゃん、やるなクーサン。


「実は俺ら、Bランクに昇格したんだ! 魔国での仕事が評価されてな」

「だから一応は貴族ってことになるんだ。が、まぁ、気にしないでいい」


 Bランク。帝国独自の爵位、冒険爵を付与されるランクである。

 なるほど貴族ということなら多少他より広いのも納得だ。


 ちなみに1日当たりのDP量もウゾーが250/DP(パーディピー)、ムゾーが230/DP(パーディピー)と、以前と比べてかなり上がっていた。相当修行を積んだのが分かるな。


「へぇ! お貴族様かぁ……って、そういや俺も男爵だったわ」

「なん……だと? おいビックリさせようと思ってたのにどういうことだムゾー」

「それは俺もだウゾー。普通に上を行かれたな……さすがケーマさんだ」


 いや普通に驚いたけどね。少しだけ。


「なんだ、ゴゾー達から聞かなかったのか? あいつらもBランクだぞ。一緒に帝都に行ったんだ」

「それは聞いていた。ドラゴンを追っ払った功績のおこぼれだと聞いたが……」

「ゴゾーさんめ、さてはわざと黙ってたな!?」


 あり得る話だ。ゴゾー、ああみえてイタズラが好きなとこあるからな。


「あと実は魔国から戻った後、Aランク冒険者にならないかって話を皇帝陛下からされたんだ。断ったけどな」

「ちょ、ケーマさん…!?」

「ま、まぁあの武闘大会であの成績だったものな。いや、でも皇帝陛下からの打診を断るとは……」


 うーん、良い反応だ。色々やっててよかったと思えた気がする。


「にしても、ちょっと気になったんだが。……金は大丈夫なのか? 家の代金もだが、冒険爵は税金かかるだろ?」

「……あー、うん。俺達が素寒貧なのは、税金が原因だな」

「まぁ、アイアンゴーレム2体狩ったから当面は大丈夫だ。家代は後払いってことでツケてもらっているが、近日中に払いたいところだな」


 とりあえずBランク冒険者は伊達ではなく、2人でもアイアンゴーレムを狩って持ち帰ることに成功したようだ。

 一応、ここのダンジョンで生活できる自信があるからこそ、家を建てて定住する気になったわけか。


「というわけで、家を建てている間、ツイーアに2、3日出稼ぎに行くことにした。なぁムゾー」

「ああ。そんで、なんだったらケーマさんも一緒にどうかなって」

「おいおい、俺は村長だぞ出稼ぎに誘うなんて――」


 と、ここでふと思った。

 たまには外に出るのも良いかもしれない、と。

 宿の方はロクコが居れば十分回せるし、教会の方もレイとスイラに任せていい。

 村長ったってお飾りの村長だし、喫緊(きっきん)の仕事はないし、ウォズマが居れば3日くらい大丈夫だ。


 毎日毎晩ロクコが獲物を狙う目で見てくるのはまったく関係ないことだが、ちょっと2、3日くらい外泊しても良いんじゃないかな、と。


 俺だって【超変身】使わなくても魔法使いとしてそれなりの腕前だと自負している。なんなら先日のレオナとの修行により、剣も多少は使えるようになった。

 布の服ゴーレムもあるし、足手まといにはならないだろう。


「――いいぞ。いつ出る?」

「そうだよな。村長だし忙しいよな――って、いいのか、ケーマさん!?」

「おお、頼もしいな。それじゃあ今日の昼からでも大丈夫か?」

「ああ、大丈夫だ」


 荷物をいちいち持ってく必要はない。【収納】には十分な蓄えがあり、今すぐにサバイバルを始めても1か月は余裕で過ごせる。

 なんならソトが補給してくれるので1年でも大丈夫だし、1分で帰還できる。


「……折角だし誰か連れてくかな」

「話は聞かせてもらったでぇ!!」


 ズサァアア!! と、無駄に土煙を上げて宿の制服(メイド服)の女がやってきた。

 勿体ぶるまでもない、イチカだ。


「ご主人様! 身の回りの世話ァするのに大助かり! ウチを連れてきぃ!! 朝から晩まできっちりサポートしたるでぇ?」

「ふむ。……まぁニクあたり、とも考えてたんだが。交渉とかはイチカの方が上手いしな。まぁいいだろう」

「おっしゃ、なら早速キヌエにシフト押し付けてくるわ! ウゾームゾー、よろしゅうな!」


 そういってスキップしながら宿へ向かっていくイチカ。


 というかどうして住宅地の方にいたんだお前。サボりか?

 あと仕事をキヌエさんに押し付けるとか……キヌエさんなら喜んで引き取りそうだな。うん。


「……天使……ッ!」

「そ、そうか。イチカはケーマさんの連れだったものな……」

「そういやお前らが閉じ込められたのを助けた時、イチカが一緒にいたんだったな」


 これはもしかしてイチカにも春が……と思ったけど、よく考えたらこいつらは別にイチカの好みじゃねぇな。


 ともあれ、俺は久しぶりにツィーアへ行くことにした。


 うおーし、気ままな休暇(出稼ぎ)だーーー!!!


(そっとカクヨムコン9向けに新作を投稿始めました。


 いつかお嬢様になりたい系ダンジョン配信者が本物のお嬢様になるまで

 https://kakuyomu.jp/works/16817330667768391252


 お嬢様志望のダンジョン配信モノです!

 普通のダンジョン配信モノと違うのは……ダンジョンがゲーム形式で、

 多分無双もしなくて、命の代わりに貯金額がかかってて、

 あとVtuberモノでもあるってことかな……!)

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新作、コミカライズお嬢様ですわー!!
TsDDXVyH
― 新着の感想 ―
[気になる点] せっかくハクさんに認められてロクコもノリノリなのにいつまでたってもヘタレなのは変わらんね、もっとガツガツ行けよ。 晩までのサポートってどういう意味でのサポートなんだろうか? [一言]…
[一言] 最初にウゾームゾーが来た頃からすると4倍位で1/4ワタル、 最初に来た頃の聖女とタメ張る位DP収入あるじゃん…… 普通に一流どころでは?
[一言] カクヨムのやつ、声まで余裕で脳内再生できるんだけど。 大丈夫ですか、作者さんいろいろと 笑
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