くっくっく…丸裸にしてやるぜ…!(魔道具の構造や魔法陣を)
さて、聖王国の方だけど、ハクさんに報告はしたもののこちらはこちらで調査を続行していこう。
あ、大量購入したメロンについてはすべてソトの【収納】ダンジョンに入れてあるので腐る心配はないぞ。あとはタイミングを見計らってウチの村に届いたことにし、いくつかハクさんに横流しだ。
怪しまれないよう、本来【収納】に入りきらない分はイチカ達にでもおすそ分けしてやろう。
「メロン飽きてきたわ」
「まぁ、500個あるしね。今何個食べた?」
「30個くらい? なんならソトがダンジョンの方で箱単位食べてたから、今後好きなだけ食べられるわよメロン」
ソトのちょい複製は一度に食べたものをまとめて出せたりするので、箱で食べたら箱で出せるのだ。すごいね。生メロン食べ放題。料理にするには、調理時間も合わせて1時間以内に完食しないと消えるけど。
「なら残りのはなにか調理したほうがいいなぁ……って、それはさておき、調査の方はこれからどうするか」
「そうねー、ダンジョンの方はハク姉さまの部下が調べるって言ってたけど、ケーマも調べてみる?」
確かに気になる所ではあるけど、変に足を引っ張っても困る。
「ネズミを送り込んでみるか」
「あら、でも小動物は魔道具で避けられちゃうんでしょ? 強引に突っ込ませたとしたら不自然じゃない?」
「うーん、実際どんな性能なのかって気になるよな」
「じゃあそれを調べましょうよ!」
「……どうやって?」
俺が方法を聞くと、ロクコはふふんと笑う。
「ケーマ、あの魔道具見たでしょ? なら【超変身】できるじゃないの」
「あー、その手があったか。……効果範囲とかは現地で稼働してるのを調べればいいとして、操作とかは試せそうだな」
というわけで、ナリキン達にネズミなりを使って効果範囲を確認しておくようメッセージを送り、俺達はマスタールームにてあの魔道具に【超変身】することにした。
「じゃあこれから【超変身】するけど……なんでネルネもいるの?」
「当然でしょケーマ、私一人で調査ができると思ってるの? 魔道具の調査ならネルネが適任でしょ」
「私ならー、多少はー、分かりますからねー? 魔法陣とかもー」
そりゃそうか。『欲望の洞窟』における魔道具の専門家だもんなネルネは。
聖王国の人間が作った魔道具だし、参考になるだろう。
「見たことない魔法陣とかあったら書き写しておいてくれ、後で俺も見て解読してみるから」
「はーいー、わかりましたー」
かくして、魔道具の調査が始まった。
*
【超変身】でどどんと魔道具に変身した俺。小さな教室くらいの大きさがあるデカい魔道具だ。魔道具管理室、あれがそのまま魔道具だった。
早速ロクコとネルネは俺が変身した魔道具の調査を開始する。
「操作は簡単なのね。この小さいレバーを動かして効果範囲を切り替えたりするんだ?」
「カバー外しますねー?」
魔道具なので当然声は出せないし、痛覚やらの感覚も無いはずなのだが、ボタンを触られたりカチャカチャ分解されたりしていくのは妙にくすぐったく感じる。
「このボタン、この魔法陣と連動しているということはー……ふむふむー、これがこうなってー……? スイッチで魔法陣を入れ替えるギミックが参考になりますねー」
「ねぇねぇネルネ、これは?」
「火の魔法陣ですねー。……あー」
ぼかんっ! と俺の奥の方で爆発が起き、魔力が少し抜けていった。
「……何か爆発した?」
「機密保持ギミックですねー、秘密を探られないように自壊する仕組みがあるみたいですー」
「ケーマ、大丈夫?」
問題ないぞ、と返そうとしても声は出せない。【念話】スキル……覚えてても、変身先の魔道具がスキルを覚えてないから使えないか。
「大丈夫そうならもう少し変身したままでお願いしますー、壊れた箇所とー、対策調べるのでー」
「気を付けてよネルネ? 今更だけど、死ぬようなトラップがあったら大変よ?」
「大丈夫ですよー、その時はDPで復活させてくださいねー?」
「【ヒーリング】もあるから、怪我したらちゃんと言いなさいよ。早めに」
そう言ってネルネは四つん這いになり魔道具(俺)の中に潜っていく。
「この焼け焦げた所がー……ふむー、ここが徹底的に潰されてるからー、重要なポイントなんですねー? となればー、反対側から板を削って魔力線を断線させてー……?」
「ネルネー、ケーマの中どう? どんな感じー?」
「……凄く良いですー! はぁー、ドキドキしちゃいますねー? マスターの中ー、しっかり調べ上げてあげますからねー? うふふー」
言い方が微妙に宜しくない……!
「はいー、それじゃあ一度変身解除してもう一度お願いできますかー?」
というわけで【超変身】をやり直し再度挑戦。今Lv5なので、今日はあと4回チャレンジできる。
本来1度しか挑戦できないはずの解体調査を、失敗を恐れず何度もできるのは反則的である。
「……これで私にも作れそうですねー? 時間はかかると思いますがー、設計図作れましたしー」
「もはや一流エンジニアじゃないか? 技術手当でもつけてやるべきかな」
「そうね。ネルネ、何か希望とかある?」
「お給料ふえるんですかー! なら新しい呪文を教えてくださいー!」
こうして、俺とネルネの力を駆使して元聖王国の魔道具を隅から隅まで調べ上げた。
……流石に数日かかったけどね!
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