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絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで【コミカライズ12巻 発売中!】  作者: 鬼影スパナ
嵐の前の静けさ

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ドルチェさん来訪

(久々のロスタイム、そして短め)


 欲望の洞窟、1Fに出てくるゴブリンはひ弱である。


 数が多くなると確かに脅威にはなってくるのだが、この初心者向けダンジョンにおけるゴブリンはあまり連携にも力を入れておらず、1Fでは同時に襲ってきても精々3匹くらいなものだ。


 リンゴを渡しても、素手で割ったりすることはできない程度の力具合。


 まぁ俺もゴーレムアシストなしでやったらめっちゃ手や腕の筋肉を酷使してようやくなんとか割れた程度なわけだけど。

 リンゴを割った後、ぷるぷるした手でゴブ助とリンゴを分け合ったのも懐かしい思い出だ。あれ次からは最低限ナイフで切れ込みを入れてからやろうと心に決めた。


 と、まぁそんなわけでダンジョンに出てくるゴブリンは非常に貧弱だ。

 ダンジョン外のゴブリンは連携する数に限りがないから群がられると相当厄介なことになるけれど。


「あんまり強すぎても初心者向けじゃなくなるし、良いんじゃないのこのくらいで」

「かなぁ」


 と、ウチのゴブリンって弱いよねって事を俺の部屋でゴロゴロしてるロクコに話したらそんな返事が返ってきた。

 ゴブリンフェチのくせに冷静で的確な判断である。

 ……いや、むしろゴブリンフェチだからこその的を射た分析なのかもしれない。『ゴブリンとは()()(べし)』、みたいな。


「でもなんで急に?」

「いや、最近ダンジョンの改装とかしてないなーって思ってさ……」

「ああ、確かに。魔国から帰ってから全然手を付けてないわね」

「……なら新しいモンスターを配置なんてどう? ゴースト系とか……」

「ああ、それはアリ……って、え? 誰?」


 天井からした俺でもロクコでもない人の声に上を向くと、そこには幽霊(レイス)がいた。

 ……ドルチェさんだ。ハクさんの、部下の。

 某RPGの白魔導士みたいな白いローブを身にまとったドルチェさんはロクコに向き直るとキリッと姿勢を正した。


「お久しぶりでございますロクコお嬢様。ハク様の命により参上致しました」

「……それはいいけど、勝手に部屋に入ってこないでよ」

「ええ、申し訳ございません。ハク様から『様子を見ておくように、特に最初は不意打ちで』とのことでしたので、マップにもなるべく映らないよう細心の注意を払って忍び込ませていただきまして」


 えっ、マップに映らないとかできるの? 何それ怖い。そんなのダンジョンバトルでやったら大変なことになるじゃん。


「あー、その。ドルチェさん。それどうやったの?」

「空から垂直落下してだよ。まー……レイスだからね? 透けてないけど幽霊だから。透けたり消えたりもできるけど。屋根すり抜けられなかったから短距離【転移】したけど」


 ゴーストならではの方法だった。はるか上空、ダンジョンの領域外であればそりゃマップに映らなくても仕方ない。領空侵犯と言う概念は上方向にダンジョン領域を伸ばさねば意味がないのだ。

 で、屋根はダンジョンにしてるからゴースト系でもすり抜けられなかったので、先を無視して【転移】したらしい。数メートルなら【転移】のMP消費も比較的わずかだが、物体をすり抜けるゴースト系でなきゃできない芸当だ。


「まったく、いつから居たのよ」

「はい、つい先ほどです。ロクコ様の微笑ましい姿、報告しておきますね」

「私とケーマのラブラブっぷりを見られるのはちょっと恥ずかしいわね。もうっ、姉様ったら……」


 と、ドルチェさんはロクコにはしっかりした態度で応対する。

 ……この差はあれだな。仕事用かそうでないかの差だな。うん。


 しかし危なかった。先日のロクコの足を愛でたり【超変身】して愛でられたりしてたところを見られていたら即死していた可能性もある。なんかこう、ドルチェさん即死魔法とか呪いとか使えそうだし。

 呪いについては以前レオナが受けていたのもあるので即死級のものも実在するのは知っている。


「まぁ、なにはともあれドルチェさん、いらっしゃい? ……暗殺者の方は任せてもいいんだよね?」

「大丈夫よ……私が来たからには、暗殺者はこの付近のどこにも隠れられないわ」

「あと態度いちいち切り替えるの、逆に疲れない?」

「……別に? 敬う対象を敬ってるだけだし。ハク様の妹だよ?」


 ならいいけど。

 ……本当にロクコとイチャイチャしてるとこ見られてないよね? よね?


「スイートまで案内してあげるわ。付いてきて」

「はいロクコ様……あ、ちょっとその前にケーマさんに伝言を」

「ん?」

「ハク様から『ロクコちゃんをくれぐれも宜しくね。……分かってるわね?』だって。……返事は?」

「……ハイ、わかりました」


 というわけで、ウチのダンジョンに暗殺者が、もとい暗殺者から守ってくれる護衛が派遣されてきた。

 ドルチェさんは人化してロクコについてスイートルームへ案内されていった……わざと暗殺者を見逃したりはしない、とは信じたいが、俺自身も警戒を強めておこう。


 ……ドルチェさんが言ってたゴースト系のモンスターを増やしてみるのも良いな。ドルチェさんからの護衛にもなるかもしれん……いや、ハクさんのパーティーメンバーになるくらいの頂点系キャラに、付け焼刃のゴーストが太刀打ちできるわけも無いか。


 うーん、やっぱりダンジョン奥に引きこもるのがいいだろうか……? 所属じゃないダンジョンの壁はすり抜けられないらしいし……普通に攻略されそうな気はするけど。



(1月に12巻出るので、その関連の書籍化作業中……

 1月に12巻出るので(大事な事なので2回)

 あとコミカライズ更新されました)

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コミカライズ版 絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 12巻、2025/07/25発売!
(連載ページ→コミックガルド版
だんぼるコミカライズ版11
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新作、コミカライズお嬢様ですわー!!
TsDDXVyH
― 新着の感想 ―
ロクナとイチャつく→ハクにビビるorハクが圧をかける→ロクナとイチャつく→… のくだりがもうそろそろうざくなってきた これロクナはなんでハクのこと嫌いになったりしないんだ?自分が好きな人と近付くだけ…
[一言] いい加減過干渉なハクにもハクにビビりすぎるヘタレ主人公にも苛ついてきたな
[良い点] コミックと同時にゴブ助の回想が [一言] 564番の四天王は所属ダンジョンの壁をすり抜けてたな 最初のダンジョンバトルのハクさんの言葉によると一般のレイスってミノタウロスと同じくらいのDP…
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