続・新たな力
(確定申告まだできてないんですが、オーバーラップ6周年記念SSも3本書かなきゃならねぇ。
フッ、今週も週1更新のようですな……(震え声))
結局GPについては現状放置することにした。
今までも放置だったんだし、これからも放置で良い気がする……そのうち溜まったら『父』に頼むというのもアリだな。うん。
GP溜めるにはやっぱり信仰を集める的な活動をしなければいけないんだろうが……比較対象が全然無いので、現状の25GPや、目標の100GPが多いのか少ないのかわからないのが困りものだ。
GPをDPに換えるのは、DPを金貨に換えるのとはわけが違う。金貨はDPに一応戻せるけど、DPはGPにできないっぽいからな。不可逆だ。
ま、考えるのはこれくらいにしてやっぱり放置だ。さて寝よう――すやぁ。
*
「ケーマ、ケーマ! みてこれ、これ!」
アイディが留学してきてからだいぶたったある日、ロクコが凄く元気に俺の部屋に飛び込んできた。
「なんだよ。俺の睡眠妨害するくらい凄い事なんだろうな……?」
「もちのろんよ! アイディと色々話してたら、メニューにこんなのが追加されてたのよ!」
ロクコが嬉々としてメニューを見せてくる。
GP……の話ではなく、『強化』という項目がそこにはあった。
「『強化』! 『強化』よ!」
「……そういえば、前にアイディがそんな事言ってたっけな」
たしか俺達にとって3回目のダンジョンバトルの後で「魔剣型のコアには『強化』の項目があって、DPを使って強くなる」とか言ってた気がする。
俺達のメニューには無かったが、あれは解放されていなかっただけなのか。何がキッカケで解禁されたのかは知らないが……アイディと一体どんな話をしたんだか。
「どうやらこの『強化』って項目は……私をパワーアップする機能なのよ!」
「ほほう、まんまだな」
「例えばこれ! 獣化! これを使うと私に野生のパワーが身につくわ」
そう言ってロクコは『強化』項目を開いて中のカタログから『獣化』を開く。さらに細かく『イヌ』とか『ネコ』とか『サル』とか、『ライオン』なんてのもあるな。哺乳類の動物が載っていた。
モノによってお値段も変わるようだが……『ウサギ』でも15万DP。『ライオン』は50万DP。……300万DPで『クジラ』なんてのもあるな。
「『龍化』なんてのもあるわよ? ふふふ、私がドラゴンに変身して戦うってのも中々良さそうじゃないかしら」
こちらは『ワイバーン』で80万DP、『グリーンドラゴン』で3000万DP……『レッドドラゴン』はなぜか安いな、1000万DPだ。お隣さんにレッドドラゴンが居るからだろうか。
あれ。『ワニ』とか『イグアナ』、『ヘビ』『リザードマン』もこの範囲なの? このカタログ色々おかしくないか……関連項目で載ってる感じかな。『爬虫類化』ってのもありそうだし。
「『武器化』『防具化』もいいわね。ケーマに装備してもらって一緒に戦ったり?」
『剣』、『盾』、『鎧』、『兜』……『下着』もあるんだが。防具か。いいのかこれ?
ちなみに一律30万DP。これはそれぞれ下級品に変身でき、その後『魔剣化』とかが出たりするんだそうな。アイディから聞いた話では。(もっともアイディは最初から魔剣型コアだったから不要だそうだが)
……アイディが『魔剣化』して別属性の魔剣に、みたいな変化もできる感じか? 剣から槍へ変化、剣から鎧へ変化、みたいなこともできるのかもしれない。やろうと思えば。
「あと『人化』もあるわね。私には要らないと思ってたんだけど、結構面白いわ」
『人』、『獣人』、『エルフ』、『ドワーフ』……まぁ各々10万DPか。外見が大きく変わったりもするんだろうか? 変装みたいな使い方も……?
「獣人ロクコ……猫耳と犬耳、どっちが似合うかな」
「なになに? 興味あるなら取ってみる?」
「いや、これくらいなら獣耳カチューシャとかで十分だろ」
さらにカタログを調べていくと、『モンスター化』というのもあり、これはウチのダンジョンで出せるのが一通り対象に選べるようだった。
あ、こっちにもドラゴン載ってる。関連項目っぽいのが適当にまとまってる感あるなぁこのカタログ。まぁ、紙のカタログじゃないしこれでいいのか。
「まぁどれも、普通にDPで出す方が安いからわざわざロクコに変身してもらう必要性がないってのはあるな」
「まぁ、そうね」
……物理攻撃に強いスライムになってもらう、とかはアリかもしれん。不定形なら小さな隙間を通って逃げたりするのにも使えそうだし。緊急時用に。
「ケーマの【超変身】みたいでワクワクするわね?」
「DPがかかるけどな」
「そういえばケーマって食べ物に変身できたりするの? 飴玉とか」
『強化』カタログには無いが、俺の【超変身】では変身可能だ。……と、ロクコが俺を御馳走を見るかのような目で見ている。
「……食うなよ? 俺だぞ?」
「復活するしいいじゃない。噛み砕いたりしないから大丈夫よ?」
「どんな感じだよ。舐め溶かされて死亡とか冗談じゃないぞ」
「じゃあメロンパンで」
「食べるなって言ってんだろ」
まったく、やれやれだ。ロクコの口の中で溶かされたりなんて冗談じゃない。
……ちらりとロクコの口が見える。というかロクコが見せてきてる。舌がうねうね、飴玉を転がすような舐める動きだ。
俺がその舌の動きを見ていると、ロクコがにやっと笑う。
「ん? 舐められたくなった?」
「ロクコ。ひとついいことを教えてやろう。……キスより卑猥だぞ」
「にゃ!?」
ぼっとロクコの顔が赤くなった。
「そ、そういうんじゃないから! そういうんじゃないから!」
「お、おう。分かった分かった」
そこにあった枕でぼすぼすと叩かれる俺。地味に痛い。
「……ケーマ、ハグ」
「はいはい」
ハグはハクさんから許可も出てるしし放題というかなんというか。とりあえず俺はロクコをギュッと一回ハグ。ロクコは満足したのか「はふぅ」と離れた。
「まぁそんなわけで、『強化』できるようになったのよ」
「そうだな。……というか、変化系じゃなくて普通に強化するのが見当たらないんだが。アイディが言ってた『不壊』とかそういうの」
まぁこれは非生物系限定の強化かもだけど。
「まだロックがかかってるんでしょうね。そこはよく分かんないわ。……それ出たら私も戦えるようになるかしら?」
「いや、ロクコは戦うなよ。ダンジョンコアの癖に戦ってる魔国連中が頭おかしいんだよ」
……最近ちょっとアイディに毒されてるんじゃないか? ロクコ。
あんまり悪い影響受けるのは望ましくないんだけどなぁ。
(へー、来月25日発売のコミカライズ1巻、メロン限定版にロクコのアクリルキーホルダーが付いてくるんだ。かわいい。予約しよ。10巻も同時発売だぞ。
あと、コミカライズは25日更新。下のリンクから要チェックだ)