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部下とサポート

(いろいろいそがしくてロスタイム。いや、水曜中ならロスタイムではないとしよう())


『ただし、ダンジョンコア全体に情報広まっても恨まないでね』

「……まぁ、積極的に広めるってわけじゃないならいいですよ」


 そんなわけで、ボススポーンを2個もらった。言ってみるもんだな。


『じゃ、564番の悪かったところ教えてくれるかい』

「はい。……まぁ単純に、『冒険者に対して強いダンジョンがダンジョンバトルに強いとは限らない』ってことですね。想定してる敵の数が違いすぎます」

『……確かにそうだねぇ。入ってきたのがアイディと取り巻き数人くらいならむしろ564番の方が勝っただろうね』

「ええ。数人しかいないチームを相手にするのと軍隊を相手にするのでは当然対応も変わるでしょう。それができていなかった」


 うんうん、と頷く『父』。564番コアは黙って聞いている。

 もう少しだけ言っとくか。スポーン2個貰ったし。


「特に魔王派閥特有なのか、数を十分に揃えていない。数は力ですよ。たとえ1体1体が弱くても、数が揃って組織的に動く場合はご覧の通り脅威になるんですよね。ま、動かすのにコツは要りますが。……こんなところでどうです?」

『十分だ。ありがとうケーマ君。で、どうだい564番、参考になった?』

『はっ……はい、父上。まさに、その通りかと……!』


 564番コアは平伏して答えた。なんか言わせた感半端ないんだが。まぁいいか。

 本人がその通りって言ったし、『父』も十分って言ったし。取引完了、これ以上は関係ないね。


「私も驚いたわロクコ。まさかリス(ごと)きがこんなに有用だなんてね」

「ふふん、これこそケーマの得意技のひとつ、人海戦術よ。人じゃないけど」


 横でロクコがアイディに自慢げだ。俺の手柄……まぁいいか。パートナーだしな。


『さて、それじゃあ6番とハクにも言いたいこと言ってもらおうかな。……先にハクにしようか。何かあるかい?』

『あら。じゃ、お先に』


 と、ハクさんがモニターに映る。先を越されたのが気にくわないのか『父』の御前にも関わらず『チッ』と舌を鳴らす6番コア。仲の悪さが伺えるな。


『んー、そうですね……ケーマさん、お疲れ様でした。強心のブレスレットはあとで届けておきます。ちなみにお父様特製なのでワタルのものより優秀ですよ』

「はぁ、ありがとうございます」

『約束通り、ロクコちゃんとのハグまでは認めます』


 そういやそんな話だったな。


「お姉さま! キスはダメですか?」

『だめです。でも私に100回したら1回はしていいということにしてもいいですが』


 完全に私欲まみれじゃねぇかこの人。あ、前からか。


「私もロクコと鍔迫り合い(キス)したいわね」

「え? だめよ。姉妹じゃないのにキスしたら子供ができちゃうでしょ」


 今なんかおかしくなかったか。というか、魔王派閥では決闘=デートとかなのか。それとも魔剣型コアだからか。


『あと629番改めミカン。今後はケーマさんの下について私に貢献しなさい』

「は、ははー、っきゅよ! これからよろしくっきゅよケーマ!」


 そしてなんか勝手に俺の部下ができた件。え。俺特に何もしないよ?


『さて、それじゃ次は6番だね』

『うむ。まずはアイディ、見事であった。さすが儂の孫である』

「有難う御座います爺様」

『で、564番』


 モニターの向こうで平伏しっぱなしの564番コアがびくっと震えた。


『……貴様には失望した。3コアがかりとはいえ、600番台にここまで圧倒的に負けるとはな。……命までは取らないでやるが、派閥からは放逐する』

『お、お待ちください! それでは俺様は今後どうすれば良いというのですか!』

『知るか。既に貴様は我が庇護下にないと心得よ。己の勝手にせい――ああ、ただし魔王派閥、及び魔王流を名乗る事を禁ずる。この禁を破ったら、即座に潰す故、覚えておけ』


 そう言って6番コアは話を切り上げた。

 呆然とする564番コア。これから大変だろうが、まぁ、頑張ってくれ?

 ……と、そこに何やらニヤニヤと口端を上げた『父』が声をかける。


『それじゃ564番。君に選択肢を2つあげよう』

『ち、父上! は、な、何でございましょう』

『一つ目、このままダンジョンコアとして生きる。まぁ、これは現状のまま特に何もしないってことだね。……そして二つ目。ミカンのサポートコアになる。どうだい?』


 あ、今ミカンが「え、いらない」って顔した。そりゃそうだ、自分をイジメてきた不良が今日からあなたのサポートですって言われても困る。


『……どういうことですか父上』

『なぁに、さっきミカンにご褒美でサポートを付けるって言っただろう? ミカンはウサギ型コアで、純粋な戦闘力に欠けるところがある。そこを564番なら補えるだろうってことさ。場所もそこそこ近いしデュアル化するのには丁度いいだろ?』


 言ってることは一理あるけど、ミカンが「いらないいらない」と首を振ってる。

 あとデュアル化って何。連結? 連結するの? デュアルコア?


『父上。デュアル化とは一体……?』

『あ、そうだね。そこ知らないよね。1つのダンジョンに2つのコアをつなげて管理するってだけなんだけど。まぁミカンをメイン、サポートに564番って感じかな』

『……そこのウサギの下に付け、と』


 564番にモニター越しに睨まれ、ミカンはささっとアイディの後ろに隠れる。


「あら564番。あなたこのミカンとのダンジョンバトルに負けたんだから、丁度いいじゃない。ウサギと負け犬、お似合いよ?」

『ぐっ……!』

「いやぁあああ! こんなやつと組むとか無理きゅよぉおお!」

『大丈夫だよミカン。サポートはメインに逆らえないし、危害も加えられないから』


 それはつまり実質奴隷ということではなかろうか。


「助けてケーマぁ!」

「……呼ぶまで出てくるなって言っといたら? こう、戦闘面でピンチになった時に呼ぶ存在的な」

「んきゅ! それはつまり傭兵ってこときゅかね? ……それなら、まあ」

『うぐぐ……わ、分かった。屈辱的ではあるが、此度は敗者である俺様が悪いのだ。父上、629番――ミカンのサポートに、なる』

『よし決定! これであとはマスター呼べば完璧だね』


 こうして、564番コアの処遇も決定した。ある意味ハクさんの派閥に入ってしまったとも言えるわけで、「要らないわこんなゴミ」としていたハクさんは複雑な顔をしていた。つーか俺の下のミカンの下ってことは、俺も564番コアの関係者ってことじゃないか……マジか……


『それじゃ、みんなお疲れ様!』


 たぶん『父』が一番いい空気吸ってるわコレ。


(冷やし中華食べたい)

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