表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで【コミカライズ12巻 発売中!】  作者: 鬼影スパナ
新たな力?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

280/629

騎士団団長サリーさん去る


 俺は、応接室で第一騎士団団長ことサリーさんと向き合って座っていた。2人きりで。

 だが決して色っぽい状況ではない。気分は生活指導の先生に呼び出しを食らった生徒である。

 どうやら、ここに来てから影が薄かったサリーさんだが――俺の身辺について調査をしていたらしい。


「いやぁ、お風呂とはいいものですね。あのベッドも。……もう2、3日泊りたいところですが、そろそろ次の目的地に行こうかと。……時に、ケーマさんは何やら面白い物を作られたようですね?」

「……あーはい、ちょっと教会作りまして」

「ほう、教会。――白神教ですか?」

「……いえ、オフトン教です」

「そうですか、オフトン教。聞いたこと無い宗教ですね? 聞いたところによれば、ダンジョンで聖典を見つけた、ということらしいですが?」


 うん、それ把握してたのになんでどの宗教の教会か聞いたの?

 あ、はい。なんとなく分かりますスイマセン。


「……はい。先日、自分で作りました」

「そうですか。ハク様に報告しておきますね」

「……そういえば報告してなかったですね、お願いします」


 『白の浜辺(ホットライン)』つかえば一発だが、折角なので頼もう。報告を遅らせるという意味もある。


「一応、白神教とは仲が良い、という立場で良いかと思いますが――サブ宗教とは、いやはや。どのような問題が起きても私達に迷惑が掛からないよう、ケーマさんだけで対処してくださいね」

「……はい」


 聞いたこと無いどころかバッチリ把握してんじゃねーか。

 いやまぁ、村人にもどういうのか話が流れてるし知ってても当然だけどさ。


「あ、それと話は変わりますが、シキナ・クッコロについてです。……『フタナール』を浴びて性別が混沌化してしまったようですね? 確認したところ、効果は一時的なものだと思いますが」

「はぁ、何か注意する点でもありますか?」

「ロクコ様に近づけないようにだけ気を付けておいてください。あの手の薬は、円満に子孫が残せるようにと媚薬効果も付加されていることが多いので」

「アッハイ」


 やべぇな、シキナがさらに酷いことになってるのか……。

 というか、確認したって何を確認したんだろうか。モノを確認したんだろうか?

 いややめとこう。彼氏持ちのサリーさんが生えたシキナに何をしたかなんて俺に関係のない話だ。


「いっそ効果が切れるまで拘束して監禁するのが良いくらいです」

「はっはっは……検討しときます」


 ちなみに俺は生えてからのシキナとあの1度しか顔を合わせていない。セツナに使い方を習いにいかせてからは殆ど部屋に引き籠っていたはずだ。何してるかは知らん。

 このまま部屋の扉を外から封じてしまうのも良いか。


「しかし、領主の娘にもシキナにも手を出さないんですね。少し意外でしたが」

「え?」

「あ、いえ。なんでも――なくはないですが、まぁ気にしないでください」


 そういう言い方されると気になるんだが……

 というか、やっぱりマイオドールもシキナも、ハクさんの息がかかってるハニトラなのか。いや、シキナは割とわかりやすい所あったけど。


「これはひとり言なのですが、次で最後だと言ってました」

「最後、ですか?」

「ん? おっと、私何か言いましたか?」


 ああ、あくまでひとり言なんだな。

 ……で、つまりあと1人ハニトラが来ると。OK分かった。


 しかし分からない点もある。

 なんでサリーさんはそれを俺に話したんだ?


 ハクさんの差し金か、それとも独断か……差し金だとしたら「1人」というのはブラフで0人かもしれないし、2人以上かもしれない。

 独断だとしたら、やっぱりサリーさんがそうする理由が分からない。


 俺が困惑していると、サリーさんは「ふふ」と軽く笑って席を立った。


「それでは私はこれで。……くれぐれも、ロクコ様に害の無いように。それと、膝枕の件も報告しておきますね」

「……ハイ」


 ば、バカな、どこから話が漏れた! 監視用のハエ型モンスターでもいるのか!?

 ロクコが話すとは思え……思えるな! 


 ともあれ、サリーさんは彼氏と腕を組んで仲良さげに去って行った。

 見送りの場にはロクコが来たため、シキナは部屋で待機のままとしておいた。



 あと、サリーさんにバラしたのはロクコだった。なんてこった……


「いや、ケーマってばハク姉様のこと誤解してない? 優しいわよ、ハク姉様」

「お前に対してはな! 俺には非常に厳しいぞ……」

「ケーマにやましい所がないなら別に問題ないでしょ?」

「ハクさん相手にロクコの件はやましい所に当たるじゃないか、膝枕とか添い寝とか」

「……そ、そうかしら? ……いいじゃない、私がしたいんだから」


 命の危険が無かったらいくらでもしていいと思うよ。うん。


「そういえば、教会の方、管理人用意したのね。1000DP丁度で」

「ああ、サキュバス達の仕事になったよ。どうだまいったか?」

「……別に勝負してたわけじゃないけどね。でも、ケーマ、知ってる?」

「ん? なんだ?」


「私、1000DP以上使ったらだめって言ったはずなんだけど。1000DP丁度って……アウトよね?」


「……え?」


 俺はメニューを見る。1000DPと表示されていた残りDPのところは、0DPとなっている。

 ……これって、あれか。残りの資金とかいうわけじゃなくて、残りHPが0になったら死亡的な――


「マジかぁ……」

「マジよ。えっと、それじゃあケーマ? 私のお願い、聞いてくれるわよね?」


 ちらりちらり、と俺のことを遠慮がちに見るロクコ。……はぁ、仕方ない。これは俺のミスだ。


「……俺は何をすればいいんだ?」

「…………! ま、またあとでね! 今はダメよ、今は。まだ明るいし! あ、今日も日が悪いかしら? スイートルームの片付けしないとだし!」


 そう言って、顔を真っ赤にしてロクコは宿に戻って行った。

 ロクコ、お前は一体俺に何をさせる気なんだ。


 ……きっとスイートルームで添い寝してくれとかそういう感じだろう。うん。

 さーて、マイオドール用の家はどこまで建ったか確認してこようかなー。




 ちなみにその日の夜にロクコからバニースーツを渡された。DPで交換したらしい。

 広げてみるとちゃんと男物サイズだ。


 ……え? これを着ろって? 誰得だよ! あ、ロクコ得なのか!?

 ロクコの趣味っていったいどうなってるんだ……ゴブリンフェチだけじゃなかったのか……謎が深まるな。


 ……え? マジで着なきゃダメなの?



(おおっと、ギリ間に合った。 そしてシキナの問題はまだ未解決


07/27 ちょっと修正)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミカライズ版 絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 12巻、2025/07/25発売!
(連載ページ→コミックガルド版
だんぼるコミカライズ版11
だんぼるコミカライズ版1 だんぼるコミカライズ版2 だんぼるコミカライズ版3 だんぼるコミカライズ版4 だんぼるコミカライズ版5 だんぼるコミカライズ版6 だんぼるコミカライズ版7 だんぼるコミカライズ版8 だんぼるコミカライズ版9 だんぼるコミカライズ版10 だんぼるコミカライズ版11

【完結】絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 全17巻、発売中!
だんぼる1 だんぼる2 だんぼる3 だんぼる4 だんぼる5 だんぼる6 だんぼる7 だんぼる8 だんぼる9 だんぼる10 だんぼる11 だんぼる12 だんぼる13 だんぼる14 だんぼる15 だんぼる16 だんぼる17

異世界ぬいぐるみ無双、全2巻発売中。こちらもよろしくね。
N-Starの「異世界ぬいぐるみ無双 ~俺のスキルが『人形使い』~」【完結】

「あとはご自由にどうぞ!」の書影です! Ixy先生の書いたカリーナちゃんだぁ!!!
1588.jpg 1657.jpg 1837.jpg

コミカライズ版はこちら! 2巻出るよ!
9784758086806.jpg


新作、コミカライズお嬢様ですわー!!
TsDDXVyH
― 新着の感想 ―
ロクコ順調に成長してるなぁ
[気になる点] ハクに報告されて困るならオフトン教なんてふざけた宗教作らなきゃよかったのに
[気になる点] ここでサリーさんが言ってる「次で最後」の「最後」はどうなったのだろう(;^_^A
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ