第一話「空から剣って降ってくると思いますか?」
この小説を読んで下さっている方にお知らせです。
実は私、まだ中学生3年生でして、中学3年の今頃ってことはもちろん受験生でして、小説なんて書いてる暇あったら受験勉強しろってわけでして・・・
というわけで、休憩時間に書けたら書きますが、投稿がかなり遅れたり、下手したら受験終了日まで休止にさせていただくことになるかも・・・
まあ、受験生なのに小説書いてる私が悪いんですけど。認めますけど。100歩譲って認めちゃいますけど。
というわけで応援と合格祈願していただけると非常にうれしいです。ありがたいです。
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私、桜月天音は今、真実を受け入れるか全力で無視して見なかったことにするかでとても悩んでいます。
さて、今この物語を読んで下さっている方に質問です。第一話のタイトルの通り、空から剣って降ってくると思いますか?
・・・降ってきませんよね、普通なら。でも私の目の前にはたった今空から降ってきたばかりの一本の剣があるんです。
こーなったらもう・・・
「あー、おそらがきれいだなー(棒読み)」
現実逃避。
だがどんなに全力で無視して見なかったことにしようが現実逃避しようが、目の前にある剣が幻のように消えて無くなるわけではない。それに・・・
〈ちょっとそこのアナタ!ボーッとしてないでアタシを助けなさいよ!地面にすっぽりはまっちゃって抜けないの!〉
・・・さてさて、またここでこの物語を読んで下さっている方に質問です。・・・剣って喋ると思いますか?日本語でも英語でも、中国語でもフランス語でもイタリア語でもなんでもいいですけど・・・人の言葉を、“剣”が喋ると思いますか?
・・・喋りませんよね、普通なら。でも目の前にある剣はフツーにペラペラ喋っちゃってるし。
この“剣が空から降ってきた事件”発生前のこと。私はいつものようにこの学校、水羽高校に通いいつも通りのスクールライフを送っていた。そして昼休み。これもまたいつも通り裏庭に行った。行ったまではいいが、そこで“剣が空から降ってきた事件”発生。現在に至るというわけである。
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「今日もいい天気だな・・・」
空を見上げてそう呟く。雲一つない晴天。
キラッ
視界の端で何かが光った。何だろうと思ってじっと見つめていると、何かがだんだんこっちに向かって近づいてくる。
・・・ものすごいスピードで。あまりの速さに反応できない。
ドスッ
何かが思いっきり地面に突き刺さった。
・・・剣だった。
・・・何故に空から剣?と思った。真実を受け入れるか、全力で無視して見なかったことにするか迷っているうちに、
〈ちょっとそこのアナタ!ボーッとしてないでアタシを助けなさいよ!地面にすっぽりはまっちゃって抜けないの!〉
頭の中に直接声が響く。
・・・喋った・・・喋ったよこの剣・・・
〈ちょっとそこのアナタ!まさかこのままアタシをここに置いていくつもり!?イヤーッお願いだから助けてぇぇ!ヘルプミィィィィッ!〉
・・・うるさいやかましい。今私の頭の中、ヘルプミィィィィッ! ・・・・・・ヘルプミィィィィッ!てめっちゃエコーしてるんですけど。
とりあえずこれ以上騒がれると迷惑なんで、剣の柄に手をかけて思いっきり引き抜く。
スポッ
抜けた。そしてフワリと浮いた。
・・・剣が浮いた・・・
〈ふぅ~、助かったぁ~。・・・って・・・いにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!〉
いにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!・・・・・・いにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!と私の頭の中でまたエコー。・・・てか、叫び声がオカシイ。
〈ちょっとアナタ、アタシの念話が聞こえるの?〉
「・・・もろクリアで聞こえてるんですけど。」
はっ!思わず声に出して言ってしまった!裏庭が人があんまりこない場所でよかった。アブナイアブナイ。
〈ウソッ!信じらんないっ!アタシの念話が聞こえるなんてっ!〉
・・・私としては別に信じてもらわなくても全っ然OKなんですケド。
〈・・・アナタ、名前は?〉
「・・・桜月天音。」
〈桜月天音・・・イイ名前ね。〉
それはどーも。
〈決めたっ!決めたわっ!〉
・・・そろそろ疲れてきた・・・
〈アナタをアタシのマスターにするわ!桜月天音!〉
・・・はい?What?Why?Wait?Wait.
「・・・あの、それってどーゆーイミですか?」
〈そのまんまのイミよ!今からアナタはアタシのマスター。アタシはアナタのモノになったってコトよ!〉
・・・Why?Wait・・・ウエェェェェイトッッッ!
「ちょっと待って!Why?何故私なの?Wait!待って!銃刀法違反っ!」
〈んじゃ、契約開始~♪〉
ってちょっと待てぇぇぇいっ!話を聞けぇぇぇいっ!
万物を統べ神々の頂点に達する者より授かりし力を汝に与える
この契約は汝の生命の灯火が消えゆく瞬間まで継続される
その瞬間まで 我は汝に力を貸そう
汝は我と共に
我は汝と共に
汝が望む勝利を 我は与えよう
目を開けていられないほどの強烈な光がほとばしる。勝手に契約するなぁぁぁぁっ!という私の叫び声もゴォォォォォッという爆風の音に掻き消される。しばらくすると光と爆風が止んだ。
・・・あの剣の姿が何処にもない。・・・一体何が起きたの?
〈契約完了ね♪〉
姿は見えないけど、念話だけはしっかり聞こえる。
〈両手の甲を見なさい♪〉
言われた通りに見る。そこには不思議な模様というか・・・明らかに魔方陣っぽいものが描かれていた。
〈魔方陣がアタシとの契約の印よ♪アタシのコトは・・・そうねぇ・・・“恋華十六夜桜”って呼んで♥〉
恋華十六夜桜って・・・あなたどー聞いても“男”よね?だって聞こえてくる念話がめっちゃ低音だし。しかも“アタシ”って・・・まさか・・・オカマ?
〈あ、今アタシのコト“男”とか思ったでしょ!契約するとマスターと繋がるコトになるから多少はマスターの感情とかココロの声が聞こえたりするんだから!〉
・・・なんつー機能持ってんのよ・・・
〈声とか男でも、ココロは立派な乙女だもの♥〉
・・・オカマ確定。
はー、もうなんか色々と疲れる・・・って、
「・・・ちょっと待って。この契約の印って、私以外に見えたりするの?」
そうよ!それが一番重要よ!こんなの、世間一般から見れば“イレズミ”(彫ってないし墨でもないから違うけど)にしか見えないわ!
〈大丈夫よ~♪・・・・・・・・たぶん。〉
・・・最後の三文字を私は聞き逃さなかった。
「“たぶん”って何よ“たぶん”って!」
〈だぁってぇ~、アタシにとってこれが“初”の契約だったんだもの~。つまりぃ~、なにもかも初めてだからぁ、・・・アタシにもよくわからなぁ~い★〉
・・・“よくわからなぁ~い★”ですむかぁぁぁぁっ!
〈とりあえず、試しに誰かに見せてみれば?〉
恋華十六夜桜・・・もう長くてメンドクサイから以下恋華で呼ぶことにするけど、恋華が言い終わったと同時にちょうど昼休み終了のチャイムが鳴った。教室に戻って、親友の瑞樹瑠奈やクラスメイト達に見せてみたけど、どうやら私にしか見えていないみたいだからとっても安心した。
「席に着け~、授業を始めるぞ~。」
社会・歴史担当の尾崎竹田先生が来た。私は授業そっちのけで色々考えていた。
この、私と恋華十六夜桜との出会いが
私と、天空と大地の運命を
大きく変えることになるとは
このときの私には
まったく想像もできなかった。
そして、後に私は知る事になる。
恋華十六夜桜の
存在理由を。