雨とユキ
実験的要素を含みます。
6月。暖かくなってきた校庭で、子どもたちが遊んでいる。
「三重跳び?!」
「さすがユキ。」
ユキは、運動が得意な少女である。外遊びは人一倍好きだった。
別の日、教室で。
にもかかわらず、最近の天気は雨続きであった。
ユキは、憂鬱な気持ちで、窓の外の雨でぐちゃぐちゃになったグランドを眺めていた。
なんで雨の日なんてものがあるのか。ずっと晴れていればいいのに。
ユキの前の席には、トウマが座っていた。
「雨の日なんて、なんであるんだろうね。」
トウマとユキは接点が少ない。普段、トウマは雨でなくても教室で本を読んでる。
トウマは振り返ってユキの質問に答えた。
「神様がそう決めたから、としか。」
「じゃあなんでそう決めたの?」
トウマは考え、こう言った。
「植物は雨が降るから育つんだ。人間も、雨の日を待っているのかもしれない。」
ユキは内心とまどったが、何も言わないというわけにはいかない。
「そうなの?」
トウマは、物語を語り出したのだった。
そのお話は、トウマのオリジナルで、北風と太陽を元にした話だった。
「こうして、雨の日が生まれたのでした。」
トウマの話には、科学とは違った説得力があった。
トウマが話終わるとすぐ、授業のチャイムが鳴った。
それからというもの、ユキは雨の日になるたび、トウマに話しかけるようになった。
その度、トウマは新しい話を語った。
ユキは少しだけ、雨の日が好きになったのでした。




