生まれ変わった直後に出産
「女主人公は生まれ変わったら、なんとロリになっていて、しかも妊娠していた!仕方なく出産すると、赤ちゃんではなく卵!?こうなったら、苦労して孵すしかない!」
だいいっしょう 生まれ変わった直後に出産
下半身がとても痛い。
とても痛い。非常に、非常に痛い——どんな言葉を使えば、この瞬間の自分の下腹部の痛みを表現できるのかわからないほどに。
しかし、この激しい痛みこそが、私を昏睡状態から目覚めさせたのだった。
「……うぅ……」
体をほんの少し動かしただけで、下半身に耐えがたい裂けるような痛みが走る——思わず息を呑み、それ以上動くのが怖くなった。
それでも、腹部にはまるで嵐のような激しい痛みが次々と押し寄せてくる。
お腹が……膨らんでいる……張っている……何かが……私のお腹の中で……そして……私は今……それを必死に産もうとしている……?
「???」
一瞬にして、痛みでようやく覚醒したばかりの私の頭が完全にフリーズした。
な、何が起こっているの……?
混乱しながらも、私はゆっくりと周囲を見回した。そして、自分が深めのバスタブの中にいることに気がついた。
「ぐぅ……」
激痛に思わず小さくうめき、全身は虚脱したように汗でびっしょりだった。助けを求めて叫びたかったが、今の私は大きな声を出す力さえない。
「ど、どうしよう……とりあえず……この子を……産むしかないの……?」
歯を食いしばり、諦め混じりにそう思う。
しかし、もうどうしようもない。私の体が今まさに出産をしているのだから——止めることはできない。だから、もうやるしかない。とにかくこの子を産み落とさなければ!
そして、また一波、また一波と襲いかかる激痛。
どれくらい時間が経ったのかもわからない。だが、ついに——
「……はぁ……はぁ……やっ……と……産まれた……? も、もう……なんなのこれ……」
ようやく下腹部から丸い何かが滑り出て、張り裂けそうな痛みも次第に和らぎ始めた。
私はかろうじて目を開けながら、自分の人生がとんでもなく最悪な状況にあることを実感していた。
生まれ変わった直後に出産なんて……こんなの、冗談でしょ!?
そう心の中で叫びながらも、体力も気力も尽き果てた私は、そのままバスタブの中で意識を失った。
しかし、深い眠りに落ちても、その眠りは決して穏やかなものではなかった。
前世の記憶が断片的に浮かんでは消えていき、代わりにこの体の"元の持ち主"の記憶が次第に染み出してくる。
だが、疲れ果てた私には、それらを気にする余裕もなかった。すべての記憶は流れるように頭をよぎり、そして闇の中へと消えていった——
「……」
——あれ? 何か、声がする?
私の……頭の中で……?
「……お願い……」
「?」
ぼんやりとした意識の中で、かすかに幼い声が聞こえた。
「お願い……あの子たちを……どうか……」
か細く、愛らしいが、どこか不明瞭な女の子の声。
その瞬間、私はふるりと身震いし、意識が少しずつ覚醒していった。
そして、まず最初に感じたのは——
「……さむ……お腹すいた……」
私は小さく震えながら、丸く身を縮めた。もう少しだけ、こうして眠っていたい——しかし、次の瞬間、ある重大なことに気がついた。
……私、さっき出産したよね? 絶対にしたよね!?
……じゃあ……赤ちゃんは!?
赤ん坊の泣き声は!? どこにも聞こえない!? 産まれた時ですら、一度も声をあげなかった!?
「……死産……?」
突然、最悪の可能性が頭をよぎった。
この子たちは、確かに"私"の子供ではない。この体の"前の持ち主"が妊娠していた子供たちだ。
……でも、それでも、なぜか心の奥底がざわついた。私は、異様なほどこの赤ん坊たちのことが気になって仕方がなかった。
私は震える手でバスタブの縁に手をつき、なんとか上半身を起こした。
そして、目の前に広がる光景を見た瞬間——
私は完全に思考停止した。
そこにあったのは、大量の血の跡。
そして——
"人間の赤ちゃんくらいのサイズの、血まみれの……"
"二つの卵"。
「……??????」
私の脳が、再び完全にフリーズする。
——さっきまで出産してたよね!? 目の前のこれは何!?
呆然としながら、私は目の前の"それ"を見つめた。
「……た、たった一つの説明しかない……」
「……私がさっき産んだのは……この二つの卵……?」
私は呆然としたまま、自分の手をゆっくりと目の前に掲げた。
……細くて、白い……指が十本……うん、人間の手だよね?
じゃあ、なんで"卵"を産んだの……!?
私の頭は大混乱。だが、そんな思考を吹き飛ばすように、一陣の冷たい風が浴室に吹き込んできた。
私はブルリと震えた。
——まずは服を着て、食べ物を探さなきゃ。ここにいたら、死ぬ。
浴槽の中でフラフラと立ち上がる。
しかし、一歩踏み出した瞬間——
「ドンッ——」
足がもつれ、勢いよく床に倒れ込んだ。
「いたぁっ!!!」
額を床にぶつけ、全身をすくめる。
……でも、不思議と痛みがすぐに消えていく。
「……なに、これ……? 回復能力?」
私は混乱しながら呟いた。
この体は……普通じゃない。
それは、明らかだった——。