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海に月の光が梳ける時  作者: 稜 香音
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お星様をたくさんありがとうございました。

とってもうれしいです。

続きを頑張っております。


次の日、職場で龍志朗は北と当日の打ち合わせが終わる際に、少し、気が重そうに言った。


「ああ、北、悪いが、今日は少し早く上がるから」


「はい、それは構いませんが、彼女の具合が急に悪化したのですか?」


北は当然のように聞いてきた。


「え?」


そう言われて、龍志朗の方が戸惑いを隠せなかった。


「いえ、昨日までの連絡では特に異常がなく、順調に回復しているとあったので、昨晩何か急に悪化されたのかと思ったのですが、ああ、それなら、今朝ここにいらっしゃいませんよね、であれば、何か急なお手続きとかが入ったのですか?」


重ねて、当然のように北は尋ねてきた。


「いや、そういうわけではないのだが、そもそも、その、昨日までの連絡って何だ?彼女って特定されている要件は何だ?」


龍志朗は少し落ち着いてきたら、何故、北が当然のように、彩香を限定しているような言い方で、しかも様態の情報が定期的に入ってきているのかに憮然とした。


「え?隊長の状態に一番影響がある要因に対して、情報を収集して分析をしておくのは、部下として当然の事ですが?何か?」


北は顔色一つ変えずに、淀みなく答えた。


「いつからだ」


龍志朗の方がそれに対して、反論する術を持っていなかったので、思いつくことから尋ねる。


「彼女が入院されてから、割と直ぐでしたでしょうか」


北は少し思い出すような素振りを見せながら、答えた。


「誰からだ」


龍志朗は、確かに軍法会議が開かれているので、軍の中では既に周知の事実である、改めて隠しているつもりはなかったが、職務上でこれ程直接的に言われると、何か、違和感を覚え、今後が思いやられる。


「それは彼女の存在のお話でしょうか?病院の情報でしょうか?」


北も真面目に問いてくる。


「両方だ」


龍志朗も動揺を隠し、極めて事務的に話す。


「彼女の存在は、対馬大尉から伺いました、病状については担当看護師にお願いしたところ、柊医師に許可を頂き、午前中に一度、定期連絡をお願いしております」


北も極めて事務的に返す。




「そうか」


龍志朗は何をどうしたものか、よくわからなくなってきた。


彩香の事は極めて私事のはずなのに、何故、こうも公になってしまうのか、ただ、おそらくこの関係者の中では興味本位に情報を得ている者は誰もいない、とも思えるのだが、本当にそう思って良いのか、それとも、これは誰でもこういう状況になるのか、わからなかった。


「あの、隊長、今回の件は極、稀な事だと思っております」


北が、苦悩に顔を歪め始めた龍志朗を気遣い、声を掛けた。


「彼女の事は対馬大尉から事件のあった日に、これから少し大変になるからと、お話して頂けました、その際は隊長と彼女の関係は存じ上げませんでした。隊長が毎日通われているようなので、そういう事か思っている処に対馬大尉からご教示頂きました。それから、では職務中に何かあっては困るかもしれないと、担当看護師がたまたま、知り合いだったので、伝手を頼りにお願いしてみたところ、柊医師から許可が出た次第でございます。出過ぎた事かと思ったのですが、・・・あれ程隊長が揺らがれるのは初めてでしたから」


北は真顔で話し始めていたのだが、最後は思い出し笑いが混じっていた。


それを見て、龍志朗は大きなため息をついた。


「そうか、周りでそんな話が回っていたのか、気が付かなかった、私もまだまだだな」


なんだか、すっかり周囲に迷惑を掛けているようで、気が滅入ってきた。


「いえ、隊長、そういう事ではないとないと思っております、このような事は軍の中でも前例が無い事らしいですし、隊長は女性陣からすると特別のようですから、事故のようなものだと思います、ご本人達に責任は無いでしょうし、こういう事は周囲の方々が協力的になりやすいものです」


北はこうも落ち込む龍志朗を始めてみた。


そして、何故、対馬大尉が心配して色々と根回しをしているのかと思っていたが、こうなる事を予測しての事だったのかと思った。


「すまなかった、手間を掛けさせたな」


龍志朗は、自分の補佐として北が付いているのだが、不甲斐ない自分の補佐では申し訳ないのではないかと思った。


「いえいえ、隊長、普段あれだけお強いのですから、たまには私にも、補佐らしい事をさせて下さい、そうでなくては、補佐として付いている意味がありません」


北は明るく笑って進言した。


「そうか、いや、補佐として私は有難く思っている」


龍志朗はあらためて、北に礼を言った。


「そうですか、良かったです、では、本日はお早目に上がるという事で」


北は一礼すると執務室から下がった。


(全く、今回の事では皆に世話になってしまった、どうしたもんだか、この先どうしたものだか・・・)


龍志朗は、深く感謝もしたが、広がり過ぎている事象を思い、持て余してしまった。

大丈夫、だったかな?


少しでも皆様の気晴らしになったら良かったです。

引き続きよろしくお願いします。

お☆様、うれしいです。

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