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八年越しの声

作者: 杯 朱

『えーメーデーメーデー

 マイクチェック!さあアキト君少し雑談をしよう。』

少し荒い音質でそんな声が古ぼけたボイスレコーダーから聞こえてきた。




「お前は何でこんなことも出来ないんだ!」

目の前から物凄い騒音が聞こえてくる。唾液を添えて。

きったねーんだよハゲ。なんて言えるわけもなく僕はうなだれて


「はい,,,すみません」

いつからこうなったんだろう。

なぁ、今君がいたなら僕を笑うことだろう。

そんなうざったらしい笑い声も、あの人をコケにしているゲッすい笑顔も今の僕には必要不可欠な物だったのに,,,なぁこの心の叫びを聞いているなら答えてくれよ、なあ百合ゆり



八年前、僕は一番のしやわせに包まれていた。

友達もいたし、家族仲も良かった。しかし自分にとってイレギュラーな存在がいた。

名前は大黒 百合おおくろゆり

彼女は何故か我が家に住み着いていた。父が言うには社長の娘で断るに断れないらしい。断ったら首にさせられるとか、

だが僕はこの彼女が大嫌いだった。なんてたって自分の部屋サンクチュアリに勝手に侵入してくるからだ。今日も部活が終わり部屋に戻るとまた彼女が俺の部屋で勝手にゲームをしている。


「はぁ,,,」

「おい何で私の顔を見てため息をつくのだ、おぬし。おぉん!?」

「はいはい。悪かったよお嬢様。

 今から着替えるから少し出て行ってくれ」

「あとちょっとでクリアできるから待って」

「はぁぁぁ」

深いため息をしながら部屋を出る。あいつはいつも我儘で自分が気を使って

こんな感じが毎日だ。僕にとっては憂鬱でしかなかった。


それから暫く日が経った早朝、とある日寝ている俺をたたき起こしてくる影が迫って来ていた。

「よぉあーそーぼーぜー」

   

        ボフン

なんて声と共に体に衝撃が走る。

「ぐふぅ!?」

思わず吐き出してしまいそうになる。

しかしそんな僕をよそに百合は僕の手をひぱってベットから引きずり下ろした。


「なあ遊ぼ!な!」

なんて無邪気な声で言ってくる百合をよそに時計を見ると午前七時を指していた。

早すぎだろ,,,しかし断るわけにもいかず不機嫌になりながら

「分ぁかったよ。ちと待て着替える」

「へへへ、おけおけ」満面の笑みを浮かべて部屋のTVの電源をつけに行った百合を見て僕は先ほどまでの不機嫌さはさっぱりとなくなっていた。なんなんだ本当に


着替えてそっちに向かうとそわそわしながら格ゲーの画面が付けている百合の姿があった。

その格ゲーは少し前に流行った物であり幸いにも僕も一時期ハマっていたものだ。


日頃の恨みここで晴らしてやる!そう意気込み僕はTV画面に向かった。


         ~一時間後~

おかしい,,,僕は惨敗していた。しかもこの一時間全て負けてしまった。

僕のプライドはもうボロボロだった。更にそれに追い打ちを掛けるように聞こえてくる音があった。

そう百合の声だ。

「おいおいどうしたぁ沢田くぅん。えー?全敗だって~www」

口角を最大まで上げてこちらを見下してくる。クッソその通りだから何とも言えない。


「クッソもう一戦!」

「何度でも結果は同じだぞぉ」それから結局一回も百合には勝てなかった。



「はぁ私は満足満足。」

僕が作った目玉焼きを口にほうばりながらご満悦な様子だった。

「こっちは気分は最悪だよ」

「はっはっは」

「くっそ~」

僕も一緒に目玉焼きを食べながら皮肉を込めそう返事をしているとまた満面の笑みで返してくる。

その顔を見て先までのイライラはなくなっていた。どうしてだろう?

取り合えず

「もう食い終わったらもう一戦だ。」

「良いだろうまたぼこぼこにしてやる。」

後は察してくれ。けど楽しかったひと時だった。


百合が来てから一週間後、習慣と化した格ゲーをやっていると、唐突に百合がこんな事を言ってきた。  

ちなみに今のところ3:7ぐらいの勝率だ

「ねぇこれさ」

「これさ?」

「スリルが無くない?」

「スリル!?」

何ど唐突に言ってくる百合に驚いていると

「よしなら三戦勝負で戦おう!負けたらぁ,,,何でも言うことを聞くって事で。決定!拒否権はございません!」

「え~しゃーねーなー」と言いつつこいつは父の社長の娘だ。乗る気ではないが断って期限を損なう訳にもいかない。仕方なくやるしかない,,,はずなのだが嫌な気はしないのだ。何故だろう?

「よしやるぞぉ}

そんな事を考えているといつの間にかゲームは始まっていたのった。


結果から言おう1:2で負けた。

嫌な予感しかしない。今目の前で百合は願い事を考えてる。怖すぎる。そう考えているとどうやら考えが決まったらしくこっちを向いてきた。


「さぁ結果を発表します!デデデン!」

「はよ言え」

「あっはい,,,一緒に遊園地に行こう」

「え!?」

いま衝撃的な事を聞いてびっくりしていると半面、一つ疑問も浮かんだ。


「何で俺となんだ?別にいったことはもうあるんだろう?」

そう、百合は社長娘の、つまりお金はあるんだ。なのに何故?なんて思っていると百合は少し悲しそうにしながら

「お父さんとかお母さんは家から私を出してはくれなかったから,,,」

「あっ,,,」

どうやら関わりずらい事を聞いてしまったようだ。

少し気まずい感じになっているとそんな状況が嫌だったのか百合は少し不機嫌そうにしながら

「とにかく明後日遊園地行こう。分かったね!」

「ああうん、え!?明後日!?」

あまりにも急な事で焦って問い質そうとするが百合はぷりぷりしながら部屋から出て行ってしまった。

「まじかよ」

僕はこの後どうなるのだろう,,,



そして二日後

僕は某夢の国に来ていました。おっと初めてのところで口調までおかしくなっている。どうやら僕も浮かれているようだ。ちなみに今は待ち合わせをしている。百合曰く待ち合わせした方が楽しいらしい。

あいつの気持ちはよくわからないな。なんて思っていると後ろから

「早いな。流石!」って声が聞こえてきた。背後に振り替えるとそこには、普段見せないところどころフリルの入った可愛いい服を身にまとった百合がそこに立っていた。


心臓の音が急速に早まる。まずい可愛すぎる何故だ?あの百合だぞ?なのに何故?なんなんだこれは?

混乱していると百合はそれを感じたのかニヤニヤしながらこっちをのぞきこんでくる。こいつに弱みを見せてはいけない事を僕は知っている、だから

「いや口に虫が入っただけだ」なんて無理のある言い訳をできる限りポーカーフェイスで言い放つ。

こんなんじゃ絶対ばれる

「ちぇー」おっと意外と平気なようだ。しかしこのままだとまずいので

「さっさと行くぞ」とせかすことにした。

「はいはぁい」って言って後ろをついてくる百合が離れていまわないか不安になったので手を繋いでいくことにした。後ろから「えっ?」っと素っ頓狂な声が聞こえたような気がしたが気にも留めなかった。


「まず最初はジェットコースターに乗りますよねー」パーク内に入るなりそんな事を言ってきたので

曖昧にまあうんと返しておく。しかしこの選択が後悔いや、ここに来た事自体に公開することとなることを僕は知らなかった。余りにもうるさすぎたので反応はダイジェストで


ジェットコースター「うわぁあああ首もげるぅぅぅぅぅ」

  お化け屋敷  「ひっ!?(チーン)」

メリーゴーランド 「うっぷ酔った」

  ゴーカート  「はっや!?」


「あのーアキト君,,,」

「はい」

「なんか,,,ごめんね」

「うん」

どうやら僕は絶望的なほど遊園地に合わない体らしい。おかげで叫び続けていた。しかし百合はそんな僕を見てずっと楽しそうだった。しかし時刻も昼時、ならば。

「昼飯食べるか」

「だな」

そう言いつつ近場のレストランに入っていく。

そこには様々なメニューが並んでおり、それはどれも高そうだ。そうして暫くしてお互い注文するものを決めたので店員さんを呼んで注文して、それを待っている時百合がこう言ってきた。

「私のことどう思ってる?」

この質問に対して僕は答えに詰まってしまった。どう思ってる,,,か?果たして僕はか春奈のことをどう思ってる。邪魔者?いや違うそれは最初のころだけだ。じゃあなんだ?しかしそれを考えている頃には頼んだ物が届いていたのでこの思考は中断されるのだった。ちなみに僕はホットドックで百合はパンケーキだった。


その後もまたジェットコースターに乗ったり、3Dアトラクションに乗ったり様々なことをした。

そして最後に観覧車に乗っていた。しかしまぁ一日中一緒に居ると最初の感覚は薄れていくものだ。

しかし密室では話が別。

今日会ったばかりの時と同じ鼓動が僕の体を動かす。体が熱い。しかしその体は一瞬で冷えることになる。この日はあまりにも初めてが多い,,,そう僕は高所恐怖症だったのだ。体から冷や汗が流れる。入った時とは違うゴンドラの閉塞感、氷をつけられたように冷える心臓、まるで上って来た時の逆再生のような軌道の体の落ちる感覚。一寸先は闇。もう何もわからない。そんな時手を包み込む感触が脳に伝わる。やわらかい感覚。凍ってい居た心臓が逆にカイロを当てられるように熱くなる。意識が体に戻る。

視野が広がり目の前に可愛い女の子が映る。いや違うこいつは百合だ。考え直せ僕!そう考えて顔をひっぱたく。「うわぁぁぁ!」「うおっ!?」そうしたら目の前の百合が大声を上げてびっくりしたが本来の落ち着きが取り戻された。深呼吸して心拍の速さを落ち着けるとしよう。なんて思って深呼吸をしようとする瞬間に百合が心配そうに「大丈夫?」なんて声をかけてくる。あぁまずいこの顔をなぜか見てはいけないと思ってしまう。しかしそれでは申し訳ないので顔を背けながら「大丈夫」とだけ答えた。ほっとしたような言葉を上げた後百合は僕にこんなことを聞いてきた。


「私の事好きか?」


何て質問を。



「何故?」内心焦ってそれしか言葉が出で来なかった。「いや、さっきのは私と密室だったからかなって思ってな,,,違うならごめんだけど。」「いやあれは高所恐怖症で,,,」なんて本当の事のはずなのに言い訳じみた事を言う僕に疑問すら感じる。この感覚の正体はなんだろう?その答えを探ってみるが答えがあとちょっとな気がするのに、「おー,,,大,,,」なんて声が聞こえているがほぼ聞こえない。何故だ

その時左側に風が通る。ゴンドラが一番下に到達したのだ。「あっ」「降りるぞー」驚いている間もなく降ろされる。申し訳ないな,,,と考え百合を見ると何故かご機嫌そうだった。何で?なんて聞こうとして近づこうとすればもうそこはゲートだった。百合はそこをさっさと通っていく。僕もあわててそこを通る。しかし気づいたら百合の周りには黒服がおり百合はこっちを見て「楽しかったよ!ありがとう」っと言ってくる。余りに急なのでそれに困惑しながら「ああ、それはよかった。またな」そう返すと百合は少し眉間に皺を寄せた後すぐに「うん!またな,,,」言ってくる。またねの声がすこし小っちゃかった気がするが気にする必要はないだろうと思い。僕は駅に向かって歩き出した。


これが最後にみた百合の顔だ。


この日以降百合は家に来なかった。

そして気づいたら百合の私物がなくなった。

親に聞いても何も答えてくれない。百合に連絡しても、既読すらつかない。

そうして月日が流れてもどうしても百合が忘れなれかった。


そうして社会人になると内定が貰った会社は一般的な中小企業だが、そこの上司に目を付けられ、毎日パワハラを受けていた。いやもはやいじめにちかった。こんな時周りの同期が助けてくれるものだと思っていたが,,,現実は甘くなかった。みんな昇格する為に上司の機嫌をとり僕の悪口は当たり前、ましては雑用を僕に押し付けてきた。僕の周りには味方なんていなかった。


そんなある日一つの荷物が届いた。そこには昔のボイスレコーダーが入っていた。そこには一つだけ十分ちょいの録音データがあった。怪しがりながらそのデータを再生すると聞きなれた声が声が聞こえてきた。何年も経っても忘れなかったその声、求めた声が聞こえてきた。


『えーメーデーメーデー

 マイクチェック!さあアキト君少し雑談をしよう。』

今の世代だと音質は悪いが十分聞きとれる音と少しばかりのノイズを交えた音がそのボイスレコーダーから流れていた。



『この音声ビデオを見ているあっ音声ビデオ?まあいいこの音声を聞いているのはいつの君だろうか。まあわからないからいいのだが。おっと時間が無いんだった。アキト君まず謝ろう。急に君の前から消えてしまい。まずその理由から言おうか。私の時間がもうないからだ。何故時間が無いか?それは私はもうすぐ死んでしまうから。俗にいう余命だ。今?マークがたくさん出でいつ事だろう。一から説明するとそもそも私は発達障害だった。そのせいで勉強が全くうまくいかなかった。それがしただって?私は社長の一人娘だ。ここまで言ったらわかるかな。そう私は優秀でなくてはいけなかった。なのに私は優秀ではなかった。いや私はゲームに関しては優秀だったが、勉強に関してはまっっっっく優秀じゃなかった。しかし母さん父さんは受け入れてくれた。けどそれでも私は努力で覆そうとした,,,が出来なかった。私もそれを受け入れたらよかったのに,,,その結果このざまだ。笑えるよね。はは,,,。だから君は私にあんなにボコボコにされたんだ。はっはは!そしてもう一つ、私は君のことが,,,,,,好きだ。きっと君は私の事を今はもう忘れかけていているか、それか完全に忘れていて彼女などがいるんだろう。君の事だろうからな。でもしかし君はきっとあの時だけは私のことが好きとまではいかなくても意識はしていただろう。そのおかげでいつもより倍楽しかったんだ。もし忘れていても構わない。けどこれだけはどれだけ時間が掛かっても伝えたかったんだ。    

     

        

         愛してると』


録音データデーメーデー

 マイクチェック!さあアキト君少し雑談をしよう。』

少し荒い音質でそんな声が古ぼけたボイスレコーダーから聞こえてきた。




「お前は何でこんなことも出来ないんだ!」

目の前から物凄い騒音が聞こえてくる。唾液を添えて。

きったねーんだよハゲ。なんて言えるわけもなく僕はうなだれて


「はい,,,すみません」

いつからこうなったんだろう。

なぁ、今君がいたなら僕を笑うことだろう。

そんなうざったらしい笑い声も、あの人をコケにしているゲッすい笑顔も今の僕には必要不可欠な物だったのに,,,なぁこの心の叫びを聞いているなら答えてくれよ、なあ百合ゆり



八年前、僕は一番のしやわせに包まれていた。

友達もいたし、家族仲も良かった。しかし自分にとってイレギュラーな存在がいた。

名前は大黒 百合おおくろゆり

彼女は何故か我が家に住み着いていた。父が言うには社長の娘で断るに断れないらしい。断ったら首にさせられるとか、

だが僕はこの彼女が大嫌いだった。なんてたって自分の部屋サンクチュアリに勝手に侵入してくるからだ。今日も部活が終わり部屋に戻るとまた彼女が俺の部屋で勝手にゲームをしている。


「はぁ,,,」

「おい何で私の顔を見てため息をつくのだ、おぬし。おぉん!?」

「はいはい。悪かったよお嬢様。

 今から着替えるから少し出て行ってくれ」

「あとちょっとでクリアできるから待って」

「はぁぁぁ」

深いため息をしながら部屋を出る。あいつはいつも我儘で自分が気を使って

こんな感じが毎日だ。僕にとっては憂鬱でしかなかった。


それから暫く日が経った早朝、とある日寝ている俺をたたき起こしてくる影が迫って来ていた。

「よぉあーそーぼーぜー」

   

        ボフン

なんて声と共に体に衝撃が走る。

「ぐふぅ!?」

思わず吐き出してしまいそうになる。

しかしそんな僕をよそに百合は僕の手をひぱってベットから引きずり下ろした。


「なあ遊ぼ!な!」

なんて無邪気な声で言ってくる百合をよそに時計を見ると午前七時を指していた。

早すぎだろ,,,しかし断るわけにもいかず不機嫌になりながら

「分ぁかったよ。ちと待て着替える」

「へへへ、おけおけ」満面の笑みを浮かべて部屋のTVの電源をつけに行った百合を見て僕は先ほどまでの不機嫌さはさっぱりとなくなっていた。なんなんだ本当に


着替えてそっちに向かうとそわそわしながら格ゲーの画面が付けている百合の姿があった。

その格ゲーは少し前に流行った物であり幸いにも僕も一時期ハマっていたものだ。


日頃の恨みここで晴らしてやる!そう意気込み僕はTV画面に向かった。


         ~一時間後~

おかしい,,,僕は惨敗していた。しかもこの一時間全て負けてしまった。

僕のプライドはもうボロボロだった。更にそれに追い打ちを掛けるように聞こえてくる音があった。

そう百合の声だ。

「おいおいどうしたぁ沢田くぅん。えー?全敗だって~www」

口角を最大まで上げてこちらを見下してくる。クッソその通りだから何とも言えない。


「クッソもう一戦!」

「何度でも結果は同じだぞぉ」それから結局一回も百合には勝てなかった。



「はぁ私は満足満足。」

僕が作った目玉焼きを口にほうばりながらご満悦な様子だった。

「こっちは気分は最悪だよ」

「はっはっは」

「くっそ~」

僕も一緒に目玉焼きを食べながら皮肉を込めそう返事をしているとまた満面の笑みで返してくる。

その顔を見て先までのイライラはなくなっていた。どうしてだろう?

取り合えず

「もう食い終わったらもう一戦だ。」

「良いだろうまたぼこぼこにしてやる。」

後は察してくれ。けど楽しかったひと時だった。


百合が来てから一週間後、習慣と化した格ゲーをやっていると、唐突に百合がこんな事を言ってきた。  

ちなみに今のところ3:7ぐらいの勝率だ

「ねぇこれさ」

「これさ?」

「スリルが無くない?」

「スリル!?」

何ど唐突に言ってくる百合に驚いていると

「よしなら三戦勝負で戦おう!負けたらぁ,,,何でも言うことを聞くって事で。決定!拒否権はございません!」

「え~しゃーねーなー」と言いつつこいつは父の社長の娘だ。乗る気ではないが断って期限を損なう訳にもいかない。仕方なくやるしかない,,,はずなのだが嫌な気はしないのだ。何故だろう?

「よしやるぞぉ}

そんな事を考えているといつの間にかゲームは始まっていたのった。


結果から言おう1:2で負けた。

嫌な予感しかしない。今目の前で百合は願い事を考えてる。怖すぎる。そう考えているとどうやら考えが決まったらしくこっちを向いてきた。


「さぁ結果を発表します!デデデン!」

「はよ言え」

「あっはい,,,一緒に遊園地に行こう」

「え!?」

いま衝撃的な事を聞いてびっくりしていると半面、一つ疑問も浮かんだ。


「何で俺となんだ?別にいったことはもうあるんだろう?」

そう、百合は社長娘の、つまりお金はあるんだ。なのに何故?なんて思っていると百合は少し悲しそうにしながら

「お父さんとかお母さんは家から私を出してはくれなかったから,,,」

「あっ,,,」

どうやら関わりずらい事を聞いてしまったようだ。

少し気まずい感じになっているとそんな状況が嫌だったのか百合は少し不機嫌そうにしながら

「とにかく明後日遊園地行こう。分かったね!」

「ああうん、え!?明後日!?」

あまりにも急な事で焦って問い質そうとするが百合はぷりぷりしながら部屋から出て行ってしまった。

「まじかよ」

僕はこの後どうなるのだろう,,,



そして二日後

僕は某夢の国に来ていました。おっと初めてのところで口調までおかしくなっている。どうやら僕も浮かれているようだ。ちなみに今は待ち合わせをしている。百合曰く待ち合わせした方が楽しいらしい。

あいつの気持ちはよくわからないな。なんて思っていると後ろから

「早いな。流石!」って声が聞こえてきた。背後に振り替えるとそこには、普段見せないところどころフリルの入った可愛いい服を身にまとった百合がそこに立っていた。


心臓の音が急速に早まる。まずい可愛すぎる何故だ?あの百合だぞ?なのに何故?なんなんだこれは?

混乱していると百合はそれを感じたのかニヤニヤしながらこっちをのぞきこんでくる。こいつに弱みを見せてはいけない事を僕は知っている、だから

「いや口に虫が入っただけだ」なんて無理のある言い訳をできる限りポーカーフェイスで言い放つ。

こんなんじゃ絶対ばれる

「ちぇー」おっと意外と平気なようだ。しかしこのままだとまずいので

「さっさと行くぞ」とせかすことにした。

「はいはぁい」って言って後ろをついてくる百合が離れていまわないか不安になったので手を繋いでいくことにした。後ろから「えっ?」っと素っ頓狂な声が聞こえたような気がしたが気にも留めなかった。


「まず最初はジェットコースターに乗りますよねー」パーク内に入るなりそんな事を言ってきたので

曖昧にまあうんと返しておく。しかしこの選択が後悔いや、ここに来た事自体に公開することとなることを僕は知らなかった。余りにもうるさすぎたので反応はダイジェストで


ジェットコースター「うわぁあああ首もげるぅぅぅぅぅ」

  お化け屋敷  「ひっ!?(チーン)」

メリーゴーランド 「うっぷ酔った」

  ゴーカート  「はっや!?」


「あのーアキト君,,,」

「はい」

「なんか,,,ごめんね」

「うん」

どうやら僕は絶望的なほど遊園地に合わない体らしい。おかげで叫び続けていた。しかし百合はそんな僕を見てずっと楽しそうだった。しかし時刻も昼時、ならば。

「昼飯食べるか」

「だな」

そう言いつつ近場のレストランに入っていく。

そこには様々なメニューが並んでおり、それはどれも高そうだ。そうして暫くしてお互い注文するものを決めたので店員さんを呼んで注文して、それを待っている時百合がこう言ってきた。

「私のことどう思ってる?」

この質問に対して僕は答えに詰まってしまった。どう思ってる,,,か?果たして僕はか春奈のことをどう思ってる。邪魔者?いや違うそれは最初のころだけだ。じゃあなんだ?しかしそれを考えている頃には頼んだ物が届いていたのでこの思考は中断されるのだった。ちなみに僕はホットドックで百合はパンケーキだった。


その後もまたジェットコースターに乗ったり、3Dアトラクションに乗ったり様々なことをした。

そして最後に観覧車に乗っていた。しかしまぁ一日中一緒に居ると最初の感覚は薄れていくものだ。

しかし密室では話が別。

今日会ったばかりの時と同じ鼓動が僕の体を動かす。体が熱い。しかしその体は一瞬で冷えることになる。この日はあまりにも初めてが多い,,,そう僕は高所恐怖症だったのだ。体から冷や汗が流れる。入った時とは違うゴンドラの閉塞感、氷をつけられたように冷える心臓、まるで上って来た時の逆再生のような軌道の体の落ちる感覚。一寸先は闇。もう何もわからない。そんな時手を包み込む感触が脳に伝わる。やわらかい感覚。凍ってい居た心臓が逆にカイロを当てられるように熱くなる。意識が体に戻る。

視野が広がり目の前に可愛い女の子が映る。いや違うこいつは百合だ。考え直せ僕!そう考えて顔をひっぱたく。「うわぁぁぁ!」「うおっ!?」そうしたら目の前の百合が大声を上げてびっくりしたが本来の落ち着きが取り戻された。深呼吸して心拍の速さを落ち着けるとしよう。なんて思って深呼吸をしようとする瞬間に百合が心配そうに「大丈夫?」なんて声をかけてくる。あぁまずいこの顔をなぜか見てはいけないと思ってしまう。しかしそれでは申し訳ないので顔を背けながら「大丈夫」とだけ答えた。ほっとしたような言葉を上げた後百合は僕にこんなことを聞いてきた。


「私の事好きか?」


何て質問を。



「何故?」内心焦ってそれしか言葉が出で来なかった。「いや、さっきのは私と密室だったからかなって思ってな,,,違うならごめんだけど。」「いやあれは高所恐怖症で,,,」なんて本当の事のはずなのに言い訳じみた事を言う僕に疑問すら感じる。この感覚の正体はなんだろう?その答えを探ってみるが答えがあとちょっとな気がするのに、「おー,,,大,,,」なんて声が聞こえているがほぼ聞こえない。何故だ

その時左側に風が通る。ゴンドラが一番下に到達したのだ。「あっ」「降りるぞー」驚いている間もなく降ろされる。申し訳ないな,,,と考え百合を見ると何故かご機嫌そうだった。何で?なんて聞こうとして近づこうとすればもうそこはゲートだった。百合はそこをさっさと通っていく。僕もあわててそこを通る。しかし気づいたら百合の周りには黒服がおり百合はこっちを見て「楽しかったよ!ありがとう」っと言ってくる。余りに急なのでそれに困惑しながら「ああ、それはよかった。またな」そう返すと百合は少し眉間に皺を寄せた後すぐに「うん!またな,,,」言ってくる。またねの声がすこし小っちゃかった気がするが気にする必要はないだろうと思い。僕は駅に向かって歩き出した。


これが最後にみた百合の顔だ。


この日以降百合は家に来なかった。

そして気づいたら百合の私物がなくなった。

親に聞いても何も答えてくれない。百合に連絡しても、既読すらつかない。

そうして月日が流れてもどうしても百合が忘れなれかった。


そうして社会人になると内定が貰った会社は一般的な中小企業だが、そこの上司に目を付けられ、毎日パワハラを受けていた。いやもはやいじめにちかった。こんな時周りの同期が助けてくれるものだと思っていたが,,,現実は甘くなかった。みんな昇格する為に上司の機嫌をとり僕の悪口は当たり前、ましては雑用を僕に押し付けてきた。僕の周りには味方なんていなかった。


そんなある日一つの荷物が届いた。そこには昔のボイスレコーダーが入っていた。そこには一つだけ十分ちょいの録音データがあった。怪しがりながらそのデータを再生すると聞きなれた声が声が聞こえてきた。何年も経っても忘れなかったその声、求めた声が聞こえてきた。


『えーメーデーメーデー

 マイクチェック!さあアキト君少し雑談をしよう。』

今の世代だと音質は悪いが十分聞きとれる音と少しばかりのノイズを交えた音がそのボイスレコーダーから流れていた。



『この音声ビデオを見ているあっ音声ビデオ?まあいいこの音声を聞いているのはいつの君だろうか。まあわからないからいいのだが。おっと時間が無いんだった。アキト君まず謝ろう。急に君の前から消えてしまい。まずその理由から言おうか。私の時間がもうないからだ。何故時間が無いか?それは私はもうすぐ死んでしまうから。俗にいう余命だ。今?マークがたくさん出でいつ事だろう。一から説明するとそもそも私は発達障害だった。そのせいで勉強が全くうまくいかなかった。それがしただって?私は社長の一人娘だ。ここまで言ったらわかるかな。そう私は優秀でなくてはいけなかった。なのに私は優秀ではなかった。いや私はゲームに関しては優秀だったが、勉強に関してはまっっっっく優秀じゃなかった。しかし母さん父さんは受け入れてくれた。けどそれでも私は努力で覆そうとした,,,が出来なかった。私もそれを受け入れたらよかったのに,,,その結果このざまだ。笑えるよね。はは,,,。だから君は私にあんなにボコボコにされたんだ。はっはは!そしてもう一つ、私は君のことが,,,,,,好きだ。きっと君は私の事を今はもう忘れかけていているか、それか完全に忘れていて彼女などがいるんだろう。君の事だろうからな。でもしかし君はきっとあの時だけは私のことが好きとまではいかなくても意識はしていただろう。そのおかげでいつもより倍楽しかったんだ。もし忘れていても構わない。けどこれだけはどれだけ時間が掛かっても伝えたかったんだ。    

     

        

         愛してると』


録音データはそこで途絶えていた。

ああ、目から涙が溢れていく。そうだ、そうだった。僕はずっと疑問に思っていたなぜこんなに君を忘れれれなかったのか、そうなのか、君のことが僕はずっと,,,



         好きだったんだ。」


僕ははだしのまま家から駆け出た目指すところは何もない。ただ走った。周りからの視線なんか気にしない。ただ走った。闇雲に、この思いが溢れるのを逃れるように。


足の裏の感覚がなくなった頃。町はずれの墓場にたどり着いた。僕はくたくたになった足を惹かれるように動かしていく、そして足が限界になって力なく倒れた。受け身を取れずに顔からぶつかり鼻血を出しながら顔を上げるとそこに掘られていた文字は【大黒家墓】の四文字だった。まさかと思い限界なはずの足を動かし墓標の横を見る。【大黒百合××没】

あぁ現実をたたきつけられた気分だ、いや叩きつかれたんだ。百合死んだ。死んだんだ。まだ君と居たかった。もっと話していた。そして、好きってこっちから言いたかった。限りない後悔が僕を埋め尽くす。しかしそれよりも悲しみが僕を襲う。僕は墓標に抱き着きながら泣いた。

「済まない!済まない!僕も君が好きだった。なのになのに僕はこの感情を素直に受け止められなかったせいで、お前にお前にぃ,,,不安を与えながら死なせてしまて!そしてそれに気づいてやれなくて!」

なんて後悔の言葉を並べていた。そんな物もう遅いのに。


『ありがとう。』


はっ?今確かに聞こえた。百合の声だ。あのボイスレコーダー声とも記憶よりもきれいな声が確かに聞こえた。しかし辺りを見渡しても何もない。そうか百合、お前はずっと待っていたんだな。たとえこの声が僕の幻聴だとしても、僕はまた百合に聞こえるよう大きな声で


  

    「愛してる!百合!君をたとえ認知症になろうとも忘れない!」


天まで届くよう願いを込めて。


どーも杯です。

今回思い付きでやったら何とかなるもんですね。

途中疲れて状況場面が省略していましたがそこはご想像にお任せします。

あとこの物語は未完成です。主人公の年齢。身長など。全部読者の皆さんが想像して下さい。

あと主人公の(最後のシーン以外)モデルは私です。だから結構楽でした。

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