20_07_1日目⑦/金の亡者と猫かぶり
「見えてきたぞ。あの建物が、アイシャのいるリーンベル教会だ」
マルカの示す先、並ぶ家々のその奥に、尖頭の教会屋根が見えてきた。
「結構、時間がかかったな」
尖頭の屋根は、見え始めこそ夕陽の赤焼けに染まっていたが、近づくにつれ、だんだんと色を失っていった。
夕陽はほとんど落ちきって、東の空には夜が迫っている。
辺りはすぐに薄暗くなり、街路に設置された燭台に、巡回の神兵たちが火が灯していた。
「ひとまず、これで今日の巡礼はお終いだ」
*
敷地を囲う外構の煉瓦壁に沿って歩いていく。
設えられた鉄柵の門扉の前に立ち、奥に聳えるリーンベル教会を眺めた。
こういう時、真っ先に何かに気づくのは、やっぱりファフリーヤだ。
「さきほどまで見てきた教会とは、どことなく造りが違っていますね」
「ご慧眼のとおりです。この教会は、国内の建築物のなかでは比較的新しい部類です」
なので、建築様式もそこそこ近い時代に流行ったもの。
歴史が古い教会に比べると、少し趣が異なるのだとマルカは言う。
「比較的新しい教会、か。ひょっとして、権力の強い人ほど古いところに……みたいな感じ?」
「そのような規則はないが、古くに建てられた威厳ある教会ほど、管理者として赴任する者の所属派閥が大きい傾向にある」
「ああ、やっぱり」
ヴィリンテル聖教国では、1つの教会につき1名の司教、あるいは枢機卿が、管理者として置かれることになっているそうである。
そんなことを話しながら、門を開け敷地の中に。
教会の重厚なドアの前に立ったところで、マルカは呼び鈴を鳴らす前に、俺たちにこんな注意を与えた。
「実は、リーンベル教会の管理を任されているアイアトン司教には、あなた方が偽の貴族であることを伝えていないのだ」
「へ?」
なので、ここの司教さんに対しても、正体を明かさず演技をしてほしいとのこと。
打ち合わせではそんなこと、誰も一言も言ってなかったのに。
「これは、シスター・アイシャからの要望事項のひとつ。アイアトン司教には敢えて情報を伏せておき、仔細を知らぬ立場として対応してもらおうということのようだ」
「ひょっとして、敵対勢力の人間なの?」
「だまくらかして隠れ蓑に使うのか?」
「いえ、そういうわけでは。あの方も我々の協力者であり、シスター・アイシャの活動の良き理解者です」
それなのに、俺のことは教えないという。
味方ではあるらしいけど、なんだか変な扱いだ。
アイシャさんと違って、腹芸が苦手な人なのかな?
「あれ? じゃあ、セラサリスを保護って形で教会に置いておくってアレは?」
「その話は通っている。が、これもあくまで、正式な保護受入として対応してもらうそうだ」
ううむ、どういう理由だろう?
考える間もなく、マルカが呼び鈴を鳴らしてしまう。
厚い木製の大きなドアが、ギィィ、と大きな軋音を立てて動き、彼女はさっさと中に行ってしまった。
仕方がないので後を追うと、そこは礼拝堂だった。
飾り気のあまりない、質実な気風の礼拝堂。
天井が高く、また、壁際には大きなパイプオルガンが巍然と聳えていた。
(おお、凄いなぁ。初めて見た)
見上げながら歩いていたら、足元でギギィと嫌な音。
ところどころの床板が、ギシリギシリと軋んでいるのだ。
(そういえば、さっきのドアもギィギィうるさく鳴ってたな)
築年数は相当みたいだ。
新しめの教会だって言ってたのは、あくまで「この国の教会の中では」という相対的な意味なんだろう。
「あ、テクトータ」
急にテクトータが、ファフリーヤの腕を離れてパタパタと飛び立った。
飛んでいった先には、修道服を着た女性。
被った頭布の隙間から、赤毛の髪がちらりと見える。
テクトータは、その女性のもとに舞い降りた。
主人に待ち人の到来を伝えるために。
通信機越しに会話をしてたけど、実際に会うのはこれが初めてだ。
「あなたが、シスター・アイシャさんですね?」
尋ねてみて、彼女の顔にふと違和感。
このシスターさん、やけに屈託のない笑顔を浮かべているのだ。
(……なんか、イメージと違くない?)
頭の中で首を傾げる。
と、抱き抱えられたテクトータは、彼女に頭をすりすりと擦り付けた。
「あらあらー、くすぐったいですよー、テクトータ」
訂正、『なんか』どころか絶対に別人だ。
通信機越しにやりあったあの人は、こんな天真爛漫みたいなキャラじゃ絶対ない。
「いえいえー。私がシスター・アイシャで、お間違いないですよー。アロウナイト司令官」
彼女は確かに、俺の名を知っていた。
俺の心中をしっかり察したあたりも、あのシスター・アイシャさんっぽくはある。
でも、このキャラ変は一体なんなのか?
猜疑心に駆られていると、マルカが俺の側に来て、ボソリと耳打ちした。
「普段は猫を被っているのです。シスター・アイシャは」
「はい?」
「あららー、酷いことを言われてますねー」
なんでも、通信機で会話しているときのアイシャさんのあの口調は、秘密の活動を行っているとき限定のものであるそうだ。
「なんで、そんなことを?」
「あ、ダニエルさーん! 皆さんがお着きになりましたよー!」
俺の疑問はすっぱり無視。
アイシャさんは大きな声で誰かを呼ぶ。
しばらくすると、奥の扉が、やはりギシギシ音を立てながら開いた。
現れたのは、薄黄色の法衣を着けた、小太りぎみな初老の男性。
年はさっきのジーラン枢機卿と近そうだけど、あの偏屈老人とは打って変わって、ほがらかで優しそうな顔つきをしている。
この顔には、見覚えがあった。
(この人、テレーゼさんたちを迎えに来てた――)
神兵帰還作戦の最後、待ち合わせの林の泉に、馬車でアイシャさんと一緒に現れた司教さんだ。
「こちらは、司教のダニエルさんですっ!」
「これアイシャ、お客人の前ではアイアトン司教と呼ばんか」
彼はアイシャさんを注意すると、
「ゴホン、失礼。お見苦しいところをお見せしたのう」
咳払いをして改まった。
「司教のダニエル=アイアトンじゃ。皆さんが宿泊されるこのリーンベル教会の管理を国より委任されておる。何かお困り事があれば、すぐにお声がけくだされ」
第一印象、人当たりが良くて優しそう。
俺のことを本物の貴族と認識している割に、接し方がけっこうフランクだ。
けれど、失礼な感じは受けない。
「どうじゃな、ヴィリンテルの印象は?」
とりあえず、貴族の演技をしとかないとか。
「まさに素晴らしい国の一言ですとも。歴史ある街並みはとても美しく、とても荘重で……」
などとつらつら褒め殺しておく。
もはや慣れたものだ。
「そちらのお嬢さんは、どうかのう?」
従者のセラサリスにも感想を尋ねるアイアトン司教。
保護の対象と聞いているからだろう。
たぶんテレーゼさんかマルカが、事前に容姿を詳細に伝えてくれていたのだ。
「お月さま、きれい」
「むむ? 月、とな?」
結果、飛び出す不思議回答。
少しだけ頭を悩ませた司教は、こんな言葉を返していた。
「……ふうむ、ユニークな感想じゃのう」
・
・
・
「えー、コホン。では、セラサリス嬢よ。このリーンベル教会で修道生活を送るにあたりじゃな、覚えておくことは――」
用意してきた筋書きは、実にありきたり。
幼くして不慮の事故で両親を亡くし、声も失ったセラサリスは、紆余曲折を経てイスカリオット家に流れ着く。
今も言葉を上手く話せないものの、彼女の強い信仰心は家の誰もが認めるところであり、このまま従者として一生を束縛してしまうのは忍びないと、当主のイスカリオット卿も常日頃より考えていた。
そんなところに、この度のヴィリンテル来訪の話が決まり、セラサリスの意向もあって……という感じ。
「――とまあ、だいたいこんなところじゃ。あとは実際に生活しながら、段々に覚えてくれたら大丈夫じゃよ」
説明は数分程度、セラサリスがコクコクと頷き、受入手続きはあっさり完了。
主人への質問等は特になし。
なんて形式的なんだろう。
「こんなに簡単に終わるものなの? 保護受け入れの手続きって」
小声でアイシャさんに聞いてみる。
「急を要するケースがほとんどですからねー、本人とのやりとりはこんなものですよー」
「それって、一般の教会の話じゃなくて?」
片田舎の教会とか孤児院とかならともかく、ここは聖教の総本山、ヴィリンテル聖教国。
入国管理だってあんなに厳格に行われていたのに、裏取りとかそういうものも一切なしって、いいのだろうか?
「教皇府を納得させる必要はあるんですけどねー。幸か不幸か、すでに済んでいた手続きがいくつかあったんです。今回は、そういうのを再利用した格好なんですよー」
「そういえば、テレーゼさんも根回しがどうとかって言ってたけど?」
「考えていた通りの活用ができてなかったんですけどねー、以外なところで役立っちゃいました」
相も変わらず口調は猫かぶりのままだ。
詳細は、まだ教えてくれるつもりがないらしい。
と、セラサリスが、アイアトン司教になにやら話しかけた。
「お礼、演奏」
「むむむ?」
セラサリスの不思議発言を、ネオンが通訳した。
「親睦の印にお礼がしたいそうです。彼女の特技はオルガンの演奏ですので、披露したいと申しています」
……こんな段取り、俺も聞いてないな。
「セラサリスって、オルガン弾けるの?」
『演奏プログラムをインストールしておいたのよ。パイプオルガンがあるって、テレーゼに聞いてたから』
セラサリスはアンドロイド、技能の拡張は自由自在。
今回のことに役に立ちそうなものは、全部網羅してきたそうだ。
が、そんなことは当然知らないアイアトン司教。
苦笑いしながら、礼拝堂備え付けのパイプオルガンに目をやった。
「さすがに難しくないかのう? 普通のオルガンならともかく、こんなにおっきなものを触った機会はないじゃろう」
俺もつられてそれを見上げる。
巨大なオルガンは、何本もの太いパイプを天井まで走らせていて、もはや礼拝堂の一部と化している。
弾き方なんて知らないけど、特別な技術が必要なんだろうってことは、素人の俺でも想像がつく。
が、セラサリスは自信満々に、
「練習、万端」
「なんじゃと?」
「イスカリオット家のご好意で、パイプオルガンの演奏法も練習させていただいた、と」
かなり無茶苦茶な設定である。
「なんと。いや、しかしじゃな……」
アイアトン司教は、「うーむ」と眉を寄せてオルガンを見上げた。
話を疑っているのではなく、何か問題があるようだ。
「もしや、使用できないのですか?」
「いやいや、メンテナンスは毎年やってもらっとるから、音は出るはずなんじゃ。が、肝心の送風装置を動かす人間がおらんでのう」
送風装置?
俺が首を傾げていると、「音を鳴らす出すための仕組みじゃよ」と教えてくれた。
「ふいごを使って風を送るんじゃよ。ほれ、あっちにドアがあるじゃろ。オルガンの裏手の小部屋と繋がっとって、そこに2つのふいごがあってな」
パイプオルガンは、空気の圧力を利用して音を出している。
このため、別室に大きなふいごが備わっていて、人力で風を送り続ける必要があるそうだ。
「ひとつめのふいごが降りきる前に、ふたつめのふいごを降ろし始めて、風が途切れないようにするんじゃ。で、そのあいだにひとつめを持ち上げて、ふたつめが降りきる前にまたひとつめを降ろしていく……これを繰り返すんじゃよ」
なかなかに体力と忍耐力が要りそうな仕事である。
「この教会も、昔むかしはふいごを扱う職人を裏方として雇っておったそうなんじゃが、今は誰一人もおらんでのう」
これを聞いて動いたのが、ケヴィンさんたち屈強な護衛役。
「よし、おまえら。そのふいごとやらを動かしてこい。壊さねえよう、丁重にだぞ」
「承知しやした」
命を受け、ガストンさんとブリュノさんが、ふいご室へと向かっていく。
「同僚の晴れ舞台だ、全力で応援してやろうや」
*
かくして、即興の演奏会が始まった。
椅子にかけたセラサリス、気負うことなくオルガンに手を伸ばす。
繊細な指が、白い鍵盤の上を滑らかになぞり、同時に、教会内に典雅な音色が響き渡った。
「あらまあ、これはこれは」
「ほう、こりゃあ、すごいのう」
礼拝堂という祈りの場にふさわしい、厳かで気品あふれる曲。
聞いたことのないこの楽曲は、きっと前文明で作られたものなのだろう。
演奏は10分ほど続き、晴れ舞台を完璧に成功させたセラサリスは、聴衆に向かってペコリと一礼した。
「いやあ、たいしたもんじゃ。このオルガンがここまで嬉しそうに鳴るのを聞くのは、何年ぶりかのう」
「素晴らしい腕前ですねー。感動しちゃいましたよー」
曲の余韻に浸りながら、心打たれる音色を奏でたセラサリスを拍手で迎えるアイアトン司教とアイシャさん。
マルカも「お見事でした、セラサリスさん」と、彼女を心から称賛した。
「さすがは帝国の名家ですなあ。侍女にもこれほどの技能を授けられておるとは。さぞ、腕の良い教師をお雇いになられたのでしょう?」
「ははは、いえいえ」
ジューダスへの賛辞もきちんと忘れない司教さん。
セラサリスへの声の掛け方といい、本当に人当たりの良い人だ。
「ダニエルさん。親交を深めていただきたいのは山々なのですがー、そろそろ……」
「むう?」
が、その人当たりのいい司教さんは、途端に冷めた目になった。
「……なんじゃ。お前さんらも全員アイシャの息のかかった人間じゃったか。てっきり、このセラサリス嬢だけかと思っとったんじゃがなあ」
……あれ?
「てことはお前さん、本当は貴族じゃないんじゃろ?」
「へ?」
思わず声を出してしまう俺。
図星だと認めたようなものである。
「むう、やっぱりか。媚を売って損したわい」
骨折り損じゃー、と、露骨に言動を改めてしまったアイアトン司教。
いや、それはともかく、問題はその前だ。
一体どこに、偽貴族だって気取られる要素が?
「あらー、やっぱり気づかれてしまいましたねー」
あははー、と笑う猫かぶりアイシャさん。
どうやら俺じゃなくて、この人が原因だったみたい。
しかめっ面のアイアトン司教は「なーにが『やっぱり』じゃ」と不満を漏らした。
「面倒事の種が、まーた大挙して押し寄せてきよったわい。せいぜい、儂には迷惑をかけんでほしいところだのう」
……この人、協力者って話じゃなかった?
「えっと、アイシャさん。アイアトン司教って、アイシャさんのしていることを……」
「はい。ダニエルさんには、何にも秘密にしてないんですよー」
言葉の真意を測りかねる。
が、熟考を阻むように、彼女の雰囲気に変化が。
「と、言いますより、私の活動を全て把握しているのは、世界でアイアトン司教ただおひとりだけですわ」
ぞくりと、背筋が震えたのがわかった。
通信機越しに聞き慣れた、あの口調。
今のでようやく確信できた。
間違いなく、この人がシスター・アイシャさん本人だ。
「そうですわね、アイアトン司教?」
「別にどっちゃでも構わんわい。どんな口調で何をやろうと、どうせ最後は儂にしわ寄せが来るんじゃぞ」
不機嫌全開のアイアトン司教。
その背後で、猫かぶりをやめたアイシャさんが、俺に何やらアイ・コンタクト。
……そういうことね。
「おお! この教会もお素晴らしい! 我が従者が演奏の腕を披露できたということは、逆説的にこのパイプオルガンも、我が従者の腕を引き出す素晴らしき逸品であるに相違ない」
「ぬう、どしたんじゃ?」
偽物と見抜かれてなお貴族の演技を続ける俺に、司教は怪訝な目を向けてくる。
「もはや感激の念を禁じ得ぬ。ついては、この品をお納めいただきたい」
「ん? なんじゃな? この木箱は」
胡散臭げに箱を受け取るアイアトン司教。
が、その蓋を開けた瞬間、彼は腰を抜かしそうになった。
「うひゃあっ! こ、こいつは、もしや純金でできておるのかっ!?」
そう、中身はあの純金の騎馬像だ。
「『うひゃあ』っつったぞ。聖職者が」
「『うひゃあ』って言ったわね。聖職者が」
ケヴィンさんとアンリエッタ、少し黙っててくれ。
まあ、司教さんは純金彫刻に見入ってて、全く聞こえてないみたいだけど。
「なんという贅沢な……おまけに細部も精巧に……もしや、さぞ名の通った工匠の作品なのでは……」
「作者については存じ上げませんが、なんでも最近、ラクドレリス帝国の貴族の間で持て囃されている品であるとか」
購入したのは父であり、それを自分が貰い受けたのです……などという見え透いた嘘を吹き込んでおく。
さあ、協力していただけますよね?
「これを儂にくれると……じゃなかった。コホン。これを、当教会にご寄贈いただけると、そうおっしゃるのですな? ジューダス様」
こちらの演技に乗っかってくれたアイアトン司教。
煩悩を全く隠しきれていないけど、これで交渉成立だ。
「はい。どうぞ、お収めください」
神妙な顔をして、アイアトン司教は蓋を閉める。
そのままがっちり、自分の胸に箱を抱いた。
よし、これで貴族の演技もいらなくなった。
「とまあ、こんな感じで。滞在中はなにかとご迷惑をおかけするかと思いますが、ひとつよろしくお願いいたします」
「なーんのなんの。ご不便があれば、このダニエル=アイアトンめに、なんなりとお申し付けくだされ」
握手をがっちり交わし合う。
なんなら、貴族だと思い込んでた時より下手に出てるぞこの人。
「そうじゃお客人、紅茶をどうじゃね。儂はこう見えて、茶の入れ方にはちと自信がありましてな」
司教はほくほくの笑顔で、ティーセットの準備をしようと、礼拝堂を出ていこうとする。
像入りの箱もしっかり抱えて。
「えっと、アイシャさん、あの人って……」
「見てのとおりですねー。ダニエルさんは、それはそれはお金や貴金属が大好きなんですよー」
……まあ、ひとまず、俺たちのことは受け入れてくれるし、貴族の演技にも協力してくれる。
なら、なんでもいっか。
「なんじゃなんじゃ、アイシャの知り合いじゃというからには、よもや、法外な無茶ばかり言う連中かと思いきや、なかなかに気の利く……もとい、豪気なお方ではないか」
締まりきらないドアの向こうで、がっはっはと笑うアイアトン司教。
もはや本音がダダ漏れだ。
「金の亡者ね」
「金の亡者だな」
このふたりも……もういっか。
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