或る一日。
朝、目がさめる。
パイプベッドの上で大きく伸びをした私は、部屋をぼんやりと見渡す。
(相変わらず、汚ねぇ、部屋だ)
散乱する服に、散らばる雑誌やゲーム機、カーテンレールの上には、やつらのタバコ事業の各種タバコ箱がずらりと並んでいる。
時計を見る。
(やべっ、時間だ)
俺はベッドから起き上がると、散らばる服を拾い集め着替えると、朝食もとらずに外へとびだした。
大学構内を走り教室に入ると、あいつらは先に来ていた。
隣に腰掛けると、Nがさっそく檄文を見せる。
「・・・・・・」
私は負けじと講義もそこそこに返しの檄文を書いた。
次の講義は比較的ゆるめのティチャーなので、出席の返事をすると、教室の奥から抜けだしエスケイプする。
土曜の講義は半ドン、毎度のごとくホカ弁で弁当を買い、私の下宿部屋に集まる。
「おいN、また冷やしうどんか」
「ああ、これで7回連続」
「先生飽きないねぇ~」
部屋には大音量でクラッシック音楽が流れる。
「ブラームスは最高」
「社長(W)間違いない」
私は牛とじ丼を食べながら、みんなと談笑をし楽しむ。
ほどなくして、TとSがやって来る。
「おい、あらし、お前またロマンスか、いい加減他のパンも食べろや」
「いや、これ美味しくて腹に溜まるけぇの」
「あらし・・・だからの」
「ほうじゃけの、俺の勝手やろうが」
「まあまあ」
この二人は仲がいいのか悪いのか、しょっちゅう口喧嘩が絶えない。
「おお、そうじゃった。今日も麻雀大会するど」
Sが切り出す。
「会場は」
と私。
「ほうじゃのう。Nん家で、どうかいの?」
「いやいや、今日はSの方でお願い」
Nは言う。
「ほうかい・・・またワシん家かの」
「んじゃ、それで決まりで」
Wが促す。
「おおっ!」
変わらない怠惰な日常がそこにあった。




