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「大好きだった花売りのNPCを利用する事にした」  作者: ひとみんみん


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「私は花売りのフローリアなのでお花に綺麗にラッピングしますね」【魔王の右手】

『『よみがえり』自動発動!』


『クアトが現世に戻りました。

 フローリアが現世に戻りました。

 フォーが現世に戻りました。』


今までスキルを発動していないのは魔女だけだ。


私たちはどうやら魔女のスキルで蘇ったらしい。


「そうか! そういう事か!」


と、クアトくんはまた一人で納得していた。


けれど、クアトくんとバックダンサーの人が無事な事を喜ぶ暇はもちろんなかった。

もちろん、自分が蘇ったせい(?)で起こった爆発にもトラウマを刺激されている場合でもなかった。

というか、自分が起因だからなのか前に風船が爆発した時ほど怖くなかった。

よくあるわよね、人が傷ついているのを見るのは嫌だけれど自分なら平気的な。



「花は要りませんか? 一輪銀貨9枚です!」


私は落ち着いて打ち合わせ通りに、『魔王の右手』に『絶対花売り』を発動する。


『魔王の右手』が動きを止めて、彷徨さまようようにボスが持っている宝箱に向かう。

……目がないから宝箱が見えないのかな?

でも、そうすると一番最初の木のボスモンスターってどこに目があったのかしら……。


「火炎剣!」

「そーれ☆」

「ハイファイヤー!」


仲間たちがお金を出そうとする『魔王の右手』に容赦なく炎の攻撃を浴びせる。

その勢いのすごさは、近くで立っていると火が熱いし炎の光で目がチカチカするレベルだ。

……でも、味方の火では火傷とかしないのよね、不思議だけど。


「金貨一枚お預かりしますね」


ようやく攻撃を浴びせられ続けている『魔王の右手』が、私にその大きな手で小さな金貨を差し出してくる。

私はできるだけゆっくりした動作で、銀貨9枚の価格にふさわしいクリスタルフラワーを選び、買っておいた色とりどりのセロファンや色とりどりのリボンでラッピングする。

この前、雑貨屋で買っておいた綺麗な銀色のシールも貼ったり、リボンを棒に螺旋に巻き付けてカールさせたりした。

あまりにゆっくり渡そうとすると、なんか体がムズムズして自動的に早く動いちゃうんだけど仕方ない。


「こちらおつりの銀貨一枚とお客様のお花です。どうもありがとうございました。また、お待ちしております」


そう言って、七色のキラキラと輝くクリスタルフラワーを渡すと、『魔王の右手』は宝箱の近くに花を大事そうに置いた。


「ごめんなさい、お客様だったのに」


私はそう呟いて片手剣を振るった。


そうして、『魔王の右手』は『指差し』『ぶん殴る』(『つかみ取り』は幸運にも使ってこなかった)を織り交ぜながら、私たちパーティーメンバーの猛攻に抵抗していたが、やがて倒れたのだった。


『魔王の右手』が淡い光に包まれて消えていく。

いつものように花も一緒に消えていった。


……『魔王の右手』は手ごわかった。

両足や左手よりも体力が多かったと思う。


私が次の『魔王の頭』との戦闘前の10分休憩に入った時に首を傾げていると、


「やっぱり魔王って右手が利き手だから強いのかな?」


とクアトくんが私と一緒に首を傾げてから、次の戦闘の準備を始めた。

私もこうしてはいられない。

次の『魔王の頭』は『空属性』だ。風属性の武器を用意したり、アイテムの補給を配らなくちゃ。


……私はワゴンからアイテムを取り出し始めた。

フローリアちゃんの『絶対花売り』(ボスバージョン)をいつもより詳しく書いてみました。


読んで下さってありがとうございました。

もし良かったら評価やいいねをよろしくお願いします。

また、私の他の小説も読んでいただけたら嬉しいです。

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