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「大好きだった花売りのNPCを利用する事にした」  作者: ひとみんみん


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「あれ? 大好きな花売りのNPCが踊り子のNPCを応援してる?」

「やった! 上がりっ!」


 ゲーム「大富豪」に勝って振り向くと、フローリアちゃんはいなかった。

 黒服の人がススッと近づいてきて、


「お連れ様はステージの方をご覧になっております」


 と教えてくれる。

 ああ、そういうことか。退屈させちゃったよね……。


 オンラインゲーム「リリスゲート」でも、このダンジョンカジノのステージは面白かった。

 ゲームの中だけれど、しょっちゅう出し物があって、リアルアーティストの限定オンラインライブとかもあった。

 中には、高レベルの人にパーティー組んでもらって無理やりゲームを進めて、ダンジョンカジノのライブだけ見る! みたいな人もいたんだ。


 そのステージを見ているなら今頃楽しんでくれているだろうけれど、放置しちゃったこと謝らないと。

 自分は結構人のゲームプレイを見て楽しかったけれど、フローリアちゃんはつまらなかったんだろう。

 そうだよね。


 えっと、じゃあこの増やしたコインで景品交換しないと。

 それで、プレゼント持ってフローリアちゃんの所に行こう。

 許してくれるかな。


 ---


 交換したものをプレゼント用の箱に入れて貰ってからフローリアちゃんの所へ行く。

 すると、ステージエリアでは………、


「頑張ってー!! 素敵ー!!」


 フローリアちゃんは遠目でも分かるほど、誰かに声援を送っていた。


 ステージでは……、


「あ、『踊り子』だ」


『踊り子』がベリーダンスを踊っていた。

 相変わらず迫力のある踊りだ。色気がすごすぎる。


『踊り子』は、僕が最後のパーティーメンバーとして欲しかったキャラだ。

 攻撃魔法は使えないものの支援系の魔法と何といっても回復魔法が使える。

 ウチのパーティーに足りないと思っていた力が彼女で補えるのだ。


 それに攻撃力は少ないけれど、魔法銃が打てる。

 連射はできないけれど玉が無限にでる銃が彼女の武器だ。

 次の海のステージでは『踊り子』がめちゃくちゃ役に立つ。


 でも『踊り子』は仲間にするのが大変で……。


 ボーっと見ていると、ちょうどよくステージイベントが休憩になったようだ。

 一番前の席に座っていたフローリアちゃんは、黒服に何か言われて後ろを振り返った。


「あっ、クアトくん! 終わった? あのね、ベリーダンスの人たちがとっても素敵だったのよ。特に銀の髪のお姉さんがもう動きがすごくてね」

「そっか、フローリアちゃんが楽しめたなら良かった。ゲームに夢中になってフローリアちゃんを放っておくことになってごめんね」

「ううん、いいのよ。楽しいし。ダンジョンカジノって素敵な所ね。明日も来るんでしょ?」

「そうだね、仲間にしたい人がいるから明日も来ていいかな?」

「もちろんよ」


 フローリアちゃんの満面の笑顔にホッとした。


 そこまで話した時、周りが少し薄暗くなって僕たちにキラキラしたライトが当たった。

 特定のアイテムを持っているときにダンジョンカジノで発生するパートナーイベントだ。

 周りを囲んでいるバニーガールや黒服、他のお客さんたちが拍手をする。


「え、え?」


 フローリアちゃんが訳が分からないというように首を傾げた。

 僕は緊張しながら、ポケットから小さいプレゼント箱を取り出した。

読んで下さってありがとうございました。

もし良かったら評価やいいねをよろしくお願いします。

また、私の他の小説も読んでいただけたら嬉しいです。

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