表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「大好きだった花売りのNPCを利用する事にした」  作者: ひとみんみん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/48

「大好きな花売りのNPCの水着姿が見たい」

「さあ、今日からサクサクとダンジョン進めていこうね」


フローリアちゃんがにこにこで皆に宣言した。


「そうだね」

「オッケー☆」

「わかったわ」


とパーティーメンバーが思い思いの返事をする。

リリスに帰ってきてから3日が経った。

新規の二人のパーティーメンバーの登録や冒険者ギルドへの登録、宿の手配、日用品や武器防具の買い出し等々色々やった。

そしてようやく準備が終わって冒険者パーティー「クリスタルフラワー」(名前はそのままにした)のメンバー4人が、冒険者ギルドのロビーに集合できたのだ。


我に返ってみるとちょっといやだいぶ変わったメンバーで驚く。

僕は革鎧の剣士でなんら変わったところはないけれど、花売りのワゴン押してるフローリアちゃん、今日は赤い大き目の玉に乗って移動するピエロ姿のリゾッタ(正直竹馬の方が良い気がする)、ふよふよと低い位置で浮いている箒に腰かけている魔女のセイイのせっちゃん。


「なにあれ……」

「なんだあれ……」


冒険者ギルドの他の人たちがささやきあってるのが聞こえる。

分かる、その気持ち。


………。

ギルドを出発してリリスのダンジョンに入る時には、ダンジョンの入り口の門番に見つめ続けられた。

二度見三度見とかじゃない。見つめられた。

他のメンバーは視線を気にしないのがすごい。


「んー、じゃあ、とりあえずここら辺でリゾッタさんのスキル試してみましょうか? ね、クアトくん」

「そ、そうだね」


フローリアちゃんの言葉に僕は生唾を飲み込んだ。

フローリアちゃんは水着になると聞いているから少し不安そうだ。


ダンジョンは入ってしまえば他のパーティーに出会わない。

入ってすぐのトイレの前の広場で1回試してみるのがいいだろう。

ゲームではリゾッタのスキルは何回も試したけれど、現実ではどうなるのか分からない。


「オッケー☆ 話は聞いてたけど、どういう風に発動するのか教えてクアトくん☆」


リゾッタがウインクする。


「今から言う音階を口笛で吹いてくれる?」


ゲームの中では決まった音階の口笛を吹くと発動していた。

実際には口笛を吹くという遊び人独自のコマンドがあったのだけれど。


「オッケー☆ かーんたーん☆」


僕が口で「らららー」と歌う音階をリゾッタがすぐさま口笛で吹く。

すると視界に、


『パラダイスリゾッタ発動!!』


と文字が何秒間か表示されてゲームと同じくハイビスカスの花が舞った。

周りが淡い光に包まれてそれが徐々に薄れると……、


「こ、これは!」


僕は思わず声を上げた。僕の目線はフローリアちゃんにしかいっていない。


念願のフローリアちゃんの水着!!

白のレースパレオが付いたセパレートタイプの水着。

ゲーム画面じゃない。

フル3Dの本当のフローリアちゃんの水着だった。

顔を赤くしてるフローリアちゃんが白の水着着てるとか、現実ってこうなんだ。

肌白っ!

三つ編みの髪にハイビスカスもちゃんと飾られてる。

かわいいー。


「ふぉおおおー!!! かわいいー!!」


変な声が出た。

多分、今、僕はキャラ崩壊してる。


「きゃーっ!! 下着じゃない、これ! ちょ、ちょっとクアトくん! クアトくん! 目線が痛い。も、もうちょっと優しく見てよ!」

「ごめんね、フローリアちゃん」


謝りながら、僕はフローリアちゃんをジッと見る。

ちょっと困って潤んでる緑の目がかわいい。

フローリアちゃんが胸の前で腕を交差させるけれど全然隠れてない。

結構ある胸に可愛いおへそに、白いレースパレオが揺れるすらっとした白いまぶしい足。

最高過ぎる。


うーん、水着。

フローリアちゃんと水着と僕。


最高だ、僕はこの世界に転生して良かった。

きっとこの為に僕は生まれてきたんだね。


「ねえ、クアトくん☆ その位にしときなよ☆」


リゾッタが教えてもないのに勘を働かせたのかさっきと同じ口笛を吹いた。

すると、また淡い光に包まれて元の装備姿に戻る。


「クアト泣いてるわけ?」


魔女のせっちゃんがドン引きした声をかけてくる。

うるさいな、僕は感動したんだ。


「クアトくんとフローリアちゃんは確認してないかもだけど、周りが砂浜になって爽やかーな気温になったの確認したよ☆ ね、魔女ちゃん☆」

「え、ええ。そうね」


リゾッタが空気を読まずに固有スキルの報告をする。


「自分ってこういうなんて言うかな大変なスキル持ってたんだってびっくりー☆ 自分以外水着になったよね☆ 自分はピエロ服でざんねーん☆」

「素直に破廉恥はれんちなスキルって言ったらどう?」

「ひどーい、魔女ちゃん☆」


リゾッタは玉に乗ってその場をクルクル回ってはしゃいでいる。

そんな様子を魔女のせっちゃんがじとっとした目で見やった。


「クーアートくんっ!」

「ごめん、本当にごめん。次はふわっっと見るからマイルドにふわっと」


そんな風に二人の様子へ意図的に目をそらしていた僕に、フローリアちゃんの大声がかかった。

フローリアちゃんが腰に手を当てて目を吊り上げている。

やば、フローリアちゃんのそんな目初めて見た。


僕は異世界で初めて土下座した。

水着回でした。と言っても、クアトはフローリアしか見てませんが。

魔女のセイイも水着になってたはず。

リゾッタのスキル仕様も確認したし、ダンジョン攻略が進むと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ