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1話

不定期

薄暗い松明灯る自然素材の泥やら土やらで出来た洞窟内の空間と思われるなか私と見知らぬお姉さんは壁際に隣り合わせで座り込み


「どうしましょうか?」


と返事を返してくれるなど期待もせず隣のお姉さんに話しかけると


「どうしましょうかって知るわけないでしょ。」


と若干キレ気味に答えを返してくれた。

ですよねーといいながらこれってどうなのと考えてしまう。

何でこうなったのだろうか何か私が悪いことをしたのかと今朝からの自分の行動を振り返ってみる。


とある駅に降りた私は清々しい気持ちで歩いていた。

煩わしさから解放されて気分がいい実家暮らしの便利さと一人暮らしでかつかつの生活をしたくなかったので実家に住んでるのだが、

長年連れ添った夫婦にも関わらず大小喧嘩の絶えない両親の嫌気が差し今朝から旅行というプチ家出で当てもなく旅に出たのだが旅先

の観光名所を回り予約なしでホテルに泊まろうとしたが断られ数件回るがやはり断られ数件目のホテルの受け付けに訊ねると受験シー

ズンとたまたまアーティストのコンサートが重なりこの辺りのホテルはスイートルーム等の高い部屋以外は空いてないと言われた。

よし、あと一ヶ所このホテルに行ってダメだったら最悪カラオケ若しくはネットカフェで我慢すると意気込み受付で空きを確認すると


「お客様、ちょうど一部屋空いています。」


と受付に言われてその時は、ラッキーと何も考えず泊まることにしたのが間違いだったんだろう。

駅で買った駅弁を宿泊する部屋で食べだらだらとテレビを見ながらスマホで適当にネットサーフィンし飽きたらシャワーを浴びさあ寝

るぞとベッドに横になり日頃あまり運動をしていなかったからだろただ観光地を歩き回った位で体は疲れていたのだろうテレビも消さずウトウトと

してるところに金縛り!

なんてこったい体は動かないし目も開かない足下から何かしら....いやまあこの状況だとあれしかないんだけどね、とにかく目が

合うのは勘弁してほしいが一応状況を把握すべく必死に目を開け、開け、開け、開け、開いたーうわっマジ幽霊乗ってる長い黒髪に前

髪を立ち上げた化粧のケバい女性が私に乗っかりその上目がバッチリと合ってしまった。

ないわー幽霊と視線を合わすなんてマジ勘弁と視線を必死に横に逸らす.....‥‥‥‥‥‥‥‥え?......は?待て待て待

て何故に土壁に松明?そんなナチュラルな部屋に泊まったつもりはないぞ。

嘘だろと金縛り中真っ只中で驚嘆の声を上げることも出来ず状況を把握すべく動く眼球でぐるりと周りを見てみたがやはり洞窟のよう

な場所だなと思っていたら茶髪の魔法使いのローブを羽織る男性外国人(ん?この場合は私が外国人か?)が私達(幽霊を含む)を見

てあわあわと口を開け閉めしたかと思うと何処かに(外だと思うが)走り去った。

えぇーーっ、放置か、放置なのか喚びっぱなしで放置なのか、逃げたやつどう考えても召喚した犯人だろ。

追いかけようにも私に乗ってる幽霊は金縛りを解く気配はない、このままずーっとというわけにはいかないのでやりたくはないが勇気

を振り絞って幽霊と目線を合わせる‥‥‥意外と幽霊睫毛長っと訳の分からぬ感想を思いながら幽霊に目線を合わせては洞窟の壁面に

視線を送りまた幽霊に視線を合わせては洞窟の壁面に視線を送るを繰り返す。

はっきり言って幽霊にこの異常な状況を理解できるのか理解してもかまわず私を襲い続けるのかわからないがとにかくベストを尽くす。

そうして繰り返したかいがあるようで私に乗っかってた幽霊の死線がもとい視線が壁に向けられたが‥‥‥ん?やっぱり幽霊に状況を

共有するのは無理だったのかすぐに目が合う‥‥‥何だろう心なしか幽霊の目が点になってる気がするがそう思った次の瞬間ガバッと幽霊が上体をお越し


「あんた何したのよ。さっきまではホテルだったでしょうが幽霊驚かすなんてあんた何なのよ。下手な言い訳すると取り憑くよ。」




幽霊は激おこ幽霊に進化した。

取り憑かれてはたまらないからこの場所について自分は知らないことと怪しげな外国人風の男が逃げたことと自分の考え的に本とか物

語にある召喚されたっぽいことを話すと


「あんた頭ヤバいんじゃないのと罵りたいのは山々だけど召喚だかなんだか知らないけどとにかくホテルとは別の場所なのは分かるわ。ハァァー。」


と私の体の上から降りて洞窟の壁際に幽霊は座り込んだ。

幽霊が降りたことで私の体は動けるようになったが急激にマジで召喚か?と不安に襲われ幽霊とはいえ純正日本人のお姉さんの隣に座り冒頭の会話に至る。

色々と考えなくてはならないがパニック過ぎて頭が回らないとりあえず


「あのこんなときになんですが私の名前は武内羽音たけうちはなりと言います。お姉さんのお名前は?」


この状況で縋るものが同国人の幽霊のお姉さんしかいないからとりあえずお姉さんの名前を知ることにした。


「あんたよくこんな状況で名前なんて聞くわね。私は加奈子よ。苗字は教えないわよ。フルネーム教えるほどあんたとは親しくないんだからね。」


幽霊の加奈子姉さんにそう言われ自分のフルネームを教えたことを若干後悔したがもう今更だなと考える。

お互い自己紹介も済み知り合いになった(?)幽霊の加奈子姉さんに少し安心?した私は知らない場所の不安とインドア派で普段歩か

ない肉体のダメージと幽霊と一緒に異世界召喚っぽい現実に心身共々ダメージがあり急激に眠気が襲ってきてどうかしてたんだろうね私は幽霊の加奈子姉さんに


「あの、加奈子姉さん私今非常識ながらすごく眠いので何かあったら起こして下さい。ってか今の状況が夢だと思いたいので寝かせて下さい。」


と加奈子姉さんの隣で目を閉じた。


「ちょっと、‥‥‥‥‥。」


加奈子姉さんが何か言ってるようだがとにかく眠いから寝させてよ、というか現実逃避で夢であれと願いながら寝ることにした。


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