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『大きな世界の樹の下で』  作者: 星乃湶
=白の国 復興編=
89/322

第88話  ~材料の調達~

仕事の都合で、更新が遅くなりすみません。


「”五行の精”様に僕からひとつ質問をよろしいでしょうか?」

 ジョージが口を開く。


『・・・・・・。レイラ様。。。』

 ”五行の精”が何故か僕に助けを求める。

 ”レイラ”の許可を求めているのだろうか。。。


「あの~。”五行の精”の皆さん。ジルもジョージも僕の大切で信頼のできる友人ですし、そんなに精霊としての役割について固執しなくても良いんじゃないですかね?」


『レイラ様が仰るのでしたら。』


 もう。。。めんどくさい。。。全ての行動に”レイラ様”がくっついてくる。

 できれば自分で考えて行動してほしいな。。。


「では。。。”レイラ様”は、人型の竜になることはありましたか?ジルのように人間では無く、人竜といった方がいいかな。。。」

 ジョージの言葉に、ジルが反応し、二人が目を合わせ頷く。

 何があるのだろうか。。。


『レイラ様がその気になれば、どのようなお姿にも変わることができるでしょう。実際ジル様も人間の姿でいらっしゃるように。ですから、わざわざ、人竜のような姿でなくても。。。されど、なることは可能だと思われます。』

 

 ジョージの質問に、”五行の精”も困惑気味だ。


「ねぇ。なんでそんな事、聞いてるの?」

 僕も唐突なジョージの質問に疑問が残り、聞いてみる。


「・・・・。やっぱり、アルは無意識だったんだね?牛魔王との闘いで、ジルを助ける時に、最初は君に羽根が生えたんだ。可愛い金色のスライムにね。。。そのあと、君は感情の昂ぶりとともに人型になった。」


「それは、僕も記憶があるよ?手と足があったから、きっと人型になってるかな?って。」


「その人間の姿はね、サクラだった。マロウさんのところでもサクラの姿になってたから、そこは君の一番よく知る人物を偶像化したんだろうけど。。。」

「けど?」


「うん。その身体は金色で、鱗に包まれて、大きな尾があったんだ。そして翼もね。。。」

 ジョージの言葉を繋ぐように

「それは間違いなく竜のものだったよ。」

 ジルが静かに繋いだ。


「・・・・・。」

『・・・・・。』

 僕と”五行の精”は言葉に詰まる。


「それは。。。僕、だったんだよね?・・・。僕だよね?記憶あるもんな。。。」

 僕は言葉が見つからなかった。

 無意識だっただけに、どうしてそんな姿なのかも想像がつかない。


「感情が強まりすぎて、君が姉さんの力を使って、強い姿を望んだ結果かもしれないけど。君は姉さんの姿を見たこと無いだろ?けど、竜鱗も尻尾も姉さんのものにそっくりだったんだ。」


「僕、白い竜なら、夢に出てきたことあるよ?黄天竜の力で、望みを叶えるなら、その能力で一番強い姿になったかもしれないし。」


「夢に?白い竜が?・・・うん。そうか、君に流れ込んだ姉さんの力で君に見せたのかもしれないね。。。君がもしも姉さんだったとしたら、ここまで関係者が揃っていく中で、記憶がないってのも不思議だしね。」


『・・・・。本当にレイラ様ではないのですか?”時の精霊”まで持っていらっしゃるのに。』


「”時の精霊”っていうのは、僕にかかってる”世界樹”の力だと思います。精霊が僕の中にいるのなら、僕自信が気付かないとは思えないです。」


『ようやくレイラ様にお会いできたと思ったのに。。。。我々は、どうしたら。。。』

 泣き入りそうな声だった。


「でも、今現在、少ないながらも力を継承していると思われるアルが、一番姉さんに近い存在だと思うよ?」

 ジルが”五行の精”に言う。


『そうですね。。。ジル様の仰るとおり。。。アル様がレイラ様のお力を持っていることは間違いのない事実。。。なれば、我らはレイラ様にお会いできるその日まで、アル様にもお仕えすることと致しましょう。』

 ”五行の精”は5人で頷きあった。


「あ。。。うん。。。ありがとう。。。早く本物の”レイラ様”が見つかると良いよね。。。」

 僕は若干苦笑い。どうしたものか。 


 う~ん。困った。また伝説になっているような人たちが。。。

 僕の周りには扱いに困るような人ばかりになってきた。

 まぁ深く考えなくてもいいか。

 今まで通り、なるようになるさ。。。


 

「で。これからどうする?」

 いろんな点を含めて、ざっくり皆に質問してみる。


「う~ん。とりあえず、岩も使わせてもらえるようだし、街に戻りたいが。。。切り出しは僕たちだけでは無理だね。。。”五行の精”の皆様。ここまで人を入れる許可をいただきたいのですが。」

 ジョージが困り笑顔で問う。


『この地に制限などかかってはおりません。この地の過酷さと、我らのオーラに気圧され、ここまでたどり着く者はごく僅か。途中で力尽きる者も多いために、そのような噂が流れているものと思われます。』


「それなら魔王軍の中で、見繕って連れてこよう。」


『アル様。神殿はお使いになりますか?不要であれば、消滅させますが。。。』


「え?どういうこと?え?君たちの神殿は君たちが住んでるんだから、貰わないけど。」


『山をご所望なのですよね?我らはまた新たな場所を探し居を構えますので。。。』

 とんでもないことを言い出す”五行の精”の言葉を遮る。


「ストップ!ストーーップ!山ごとは要らないから。ちょっと街を直す材料として、岩を少し使わせてもらいたいだけだよ?」

 双方の考えに、かなりな齟齬があったようだ。


「あのさ、この神殿って君たちが作ったの?」

 ジルが壁をコンコンと叩きながら聞く。


『もちろんでございます。我らそれぞれの力を合わせれば容易い事なれば。』


「魔法じゃないんだよね?」

『5人の力を合わせておりますので、魔法による具現化よりも、実際に建造する方が、管理が簡単でございますし。。。』

 ジルの質問の意味を理解できずに、”五行の精”はキョトンとした表情で答える。

 美女が5人揃って首をかしげる姿が、美しすぎる。。。


「これは何処でも、どんな場所でも可能?誰かが作った設計図通りでも。」

『もちろんでございます。人間界でも魔界でも天界でも。空中でも水中でも。。。。空中の場合は若干手間がかかりますが。。。』


「そういうことか!!!」

 ようやくジルの意図する事が、僕にも分かった。

 ジルは僕たちを見て、ニヤリとしたり顔。


「いいアイデアだろ?」

「うん。流石だよ!!」

 僕はジルに飛びつき、「やるじゃん!!」と角でつつく。


「だが、白の国と約束した技術の継承と、今後のメンテナンスが問題になってくると思うのだが。」

 ジョージが少し思案気に言う。


『建造の技術を教えるというのは如何ともし難いですが、メンテナンスというのは、この山の岩を使えば、100年程度は、不要かと。。。』


「え?そんなに壊れないの?」

 メンテナンスが100年不要であれば、建物自体は一体どのくらい持つのだろうか。。。


『はい。永きに渡り、我らの力を吸収しておりますので、多少の物理的・魔法的な攻撃程度では。。。竜族の皆様の攻撃であれば、壊れるでしょうが。。。足りないようであれば、さらに強度を増すことも考えます。』


「ちょ。ホント凄いんですけど。。。」

 僕はびっくりして目を丸くする。

「普通の人間が使いますので、強度の付加は必要ありませんが。。。。」

 ジョージは少し考えている様子。


「ん?ジョージ他に気になる点があるの?」

「あぁ。そんなにこの山の岩が頑丈なのであれば、切り出しと運搬方法が困ったかなと。」


 そうか。。。それは考えつかなかったな。。。

 材料がなければ、どうしようもない。。。


『我らが切り出し、アル様が運んで下されば、問題ないのではありませんか?』

「ちょっと待って。僕、スライムなんで、岩なんて持てないよ?」


『・・・・・・。』

「え?何?どうすればいいの?魔法とか?そんな難しいの使えないよ?」


『・・・・・・。』


 なんだか、無言だと、バカなのかと言われているようで。。。。

 

『アル様であれば、一度でこの山ごと運ぶことも可能であるということは、皆様には秘密にしておいででしたか?』

「え?えぇ?そんな能力あった?」

 驚き、ジョージとジルを見る。


 だが、二人も心当たりが無いようで、首を傾げるばかり。。。


『果てしなく広がる、その体内の亜空間は、お使いにならないのですか?』


 体内の亜空間???

「・・・・・。あ~~~~~!!!!もしかして、頬袋のこと???え。これにそんな大それた機能があったの???ちょっとしたポケットかと思ってた!!!!」

 

 ようやく”五行の精”の言ってることが繋がったが。

 あまりの想像の斜め上いく能力に、自分で驚いてしまった。


「あはははは。今まで、ホントちょっとしたポケットとしてしか使ってなかったよね~。そんなに入るんなら、もっと活用しどころがあったじゃん!」

「そうだな。。。結構、いろいろ運ぶことができただろうね。」

 ジルは大笑いし、ジョージは苦笑い。。。


「ごめん。。。気付かなくてさ。。。てか、そんなに口の中に入るとか?思う?口にでっかい物を入れてみようとさ。。。流石に試さなく無い?」

 なんだかバカにされたようで、ジト目で言い訳する。


「あはははっは。そうだね。確かに頬袋に入れて運ぼうとは思わないかも。あはははは。」

「流石に僕も試しはしないだろうが。。。自分の身体で何がどこまでできるか程度は、把握しようとはするよね。」

 僕のジト目に動じることも無く、さらなるツッコミを入れられた。。。


「あはははは。面白いから、今から試そうよ?ちょっと、そこら辺の岩、切り出して。」

 ジルが”五行の精”に指示を始めた。

 あっという間に、50㎝角のブロックが、20個ほど目の前に置かれる。


「じゃ。早速!」

 ジルは何の躊躇もなくブロックを手に持ち、僕に向かう。

「ちょ。ちょっと待って~~~。うごっ。むぐっっ。」


 僕が叫ぶ為に開いた口に、ジルはブロックを押し込んでくる。

「んん。。ふごっ。。。」

「ちょっと、アル。やる気あるの?もっと積極的にさ~。」

 ジルは僕を押さえつけて、ねじ込むが。。。

 ジョージは観察するように見るばかり。助けてはくれないな。。。


 僕も諦めて、身体を変形させるように柔らかくする。


「おっ?いけるね~~~。」

 ジルが面白がる。


 そう、身体を柔らかくした途端、面白い様に、入るのだ。

 3つ4つと、ブロックを入れるが、なんの問題もなく、すんなりと頬袋に入っていく。

 10個ほど入れたところでジルが手を止める。


「アル?どう?苦しいとかない?動ける?」

 ジルに言われるがまま、頭を振ったり、ジャンプしてみたり、試してみたが、いつもとなんら変わらない。


「ジルはどう?重くない?」

 ジルの肩に乗り、聞いてみる。

「うん。いつも通り、軽いよ?」


「凄いね。。。」

 自分の身体ながら、驚いてしまう。

「これなら、問題なく運べるね。しかし、”五行の精”様は、街まで来て下さるのでしょうか?」

 ジョージは”五行の精”に伺いを立てる。


『それが、アル様のお望みなのですよね?』

「うん!」


『我らはアル様の御心のままに。』

「ありがとう!!!」

 僕はジルの肩を飛び降り、”五行の精”の元へ行く。

 一人ずつにお礼を伝えようと、ひとりに触ったところ。


「っっっつ!!!」

 また、電流が走るような、不思議な感覚。

『やはり。あなた様は。。。この心休まる感覚。。。レイラ様。。。』

 僕が触れた”五行の精”のひとりが、涙を流し始めた。


 それにつられるように、残りの”五行の精”が僕に触れる。


『あぁ。。。レイラ様。。。。』

 床にひれ伏すように崩れ落ち、涙を流し始めた。


 実際、さっきは僕も”五行の精”に触れた時に、得も言われぬ安心感を感じたのだが。。。

 だがしかし、僕にレイラ様の記憶も自覚もない!

 こんな事に流されてはいけないな。


「あの~。感動しているところ申し訳ないんですが、僕、スライムのアル。なんで。そこんとこよろしくお願いします。」


『承知しております。いずれにしても我らがお仕えするべきお方が、アル様だということは確信を持てました。』

 涙を拭いながら、僕の前に跪いた。

 普通なら、嫌々ながら頷くところだが、僕も不思議と、すんなりその言葉を受け入れることができた。

「じゃ、よろしくお願いします。」

  

「それじゃあさ、早速、現地へ向かおうよ。」

 ジルに促される。

『ジル様、それでしたら、どのような建築物をお考えなのでしょうか?ある程度の予測が立てば、材料を持ち、その場で完成させられます。2度手間にならずに済むかと思うのですが。。。』


「え?そんな事までいける?どんな感じだったけ。。。結構大きかったよね。。。。」

 僕とジルとジョージで、”五行の精”に説明をしながら、地面にドーム型の絵を描いた。


『大体把握いたしました。必要だと思われる岩を切り出しますので、アル様は亜空間へ入れて下さいますか?』

「オッケー!!」



 小一時間で、切り出しと、頬袋への収納が終わった。

 ジョージが魔法陣を描き、”五行の精”を加えた僕たち一行は、白の国王都へと戻ってきた。


長くなってますが、次回こそは建物が完成するはずです。

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